【6183】ベルシステム24HD/ワクチン特需剥落しつつあるが、新中計でBPO領域の深耕を志向。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6183】ベルシステム24ホールディングス(東証プライム) BY

現在値 1,358円/100株  P/E 11.3  P/B 1.56 2月・8月配当 株主優待なし

コールセンター(CRE)事業大手。伊藤忠が筆頭株主に。凸版印刷と資本業務提携。


配当は2月・8月の年2回・合計60円のため、配当利回りは4.42%となります。
ベルシステム24ホールディングスは株主優待制度を導入していません。

業績を確認していきます。 IFRS採用企業となります。

■2021年2月期 売上収益 1,357億円、営業利益 117億円、EPS 98.6円  

■2022年2月期 売上収益 1,464億円、営業利益 132億円、EPS 119.6円  

■2023年2月期 売上収益 1,560億円、営業利益 149億円、EPS 126.8円 

■2024年2月期 売上収益 1,570億円、営業利益 138億円、EPS 119.6円 ce(4/12) 
□2022年8月2Q 売上収益 750億円、営業利益 72.0億円、EPS 71.0円 四e

2023年2月期の売上収益はYoY+6.5%の1,570億円、営業利益はYoY+12.7%の149.1億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。継続業務は通信系(最大顧客は旧BBコールのソフトバンク)の人材採用大型案件のほか、デリバリー、保険、EC、キャッシュレスが好調に推移しました。また、好採算の新型肺炎関連のワクチンや給付金関連のスポット業務もYoY+26.0と想定以上に伸長しました。利益面についても、広告宣伝費・会計系ITシステム費用が嵩んだものの、本社移転費用剥落と売上ミックス改善で2桁の増益となりました。


進行期である2024年2月期の通期予想については、売上収益がYoY+0.6%の1,570億円、営業利益はYoY▲7.5%の138億円を見込んでいます。継続業務は経済活動正常化にともなうBPO需要回復により、人材紹介やデリバリー、キャッシュレス決済関連の続伸が見込まれるほか、ベトナム子会社の新規連結が寄与します。他方、スポット業務のワクチン関連業務は沈静化により半減を見込むほか、利益面についても好採算商材剥落にともなう売上ミックスの悪化で減益を見込みます。

 

当社は終わった期を最終年度とする3年中計で、売上収益1,480億円(CAGR5.3%)&営業利益140億円(CAGR8.0%)を目標としていましたが、ワクチン関連業務のブースト効果はあるものの、売上・利益ともに大幅な過達となりました。そのため、本年4月に新3年中計を開示しており、最終年度の2026年2月期までに売上収益を1,561億円→1,800億円、営業利益を138億円→165億円に引き上げる計画を新たに開示しています。

 

新中計の取組事項としては、①4万人の出力最大化、②CX業務の深化、③新領域開拓の探求、の3点を掲げるほか、投資に150億円(データ活用ソリューション、人的資本強化、ベンチャー投資・M&A、ブランディング)を投じる計画です。①は在宅席数を3,000席→10,000席に増席し、在宅割合増による働き方改革の推進により離職率の低減を図るほか、AIアルゴリズムを得意とするDUMSCO社との資本提携により、ジョブマッチングの精度向上を図ります。

 

②のCXは、音声データのVOC解析とCRMデータベースを連携させ、高付加価値サービスの提供を目指します。アドバンスト・メディア(3773)の音声認識技術“AmiVoice”の活用による音声高度分析(感情分析、音声解析、スクリプト最適化等)により最適化したIT導入を図るほか、顧客経営指標改善に適応するKPIの特定と設計により顧客成果の最大化を追求します。③は親会社の伊藤忠商事(40.7%)だけでなく、2位株主の凸版印刷(14.3%)らとの業務連携を増やすほか、金融ベンチャーのナッジやレイヤーズコンサルティングとの協業で、BPOメニューを拡充する計画です。

 

株主還元については、今次中計でも配当性向を50%を目途としており、据置の年60円(配当性向50.2%)を予想しています。積極的な増配路線を還元ポリシーとしているものの、期初時点では減益見込みのため、フォーミュラ通りの配当予想になっているものと解されます。

 

*参考記事① 2023-01-12  1,354円 BY

【6183】ベルシステム24HD/ワクチン業務が想定超に続伸、AmiVoiceの活用も進む。

 

*参考記事② 2022-07-12 1,413円 BY

【6183】ベルシステム24HD/好採算のワクチン特需剥落も、中長期的には伊藤忠シナジーが発現。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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