【9260】西本Wismettacホールディングス (東証プライム) OP
現在値 4,470円/100株 P/E 8.79 P/B 0.87 12月配当優待 6月配当
日本食を軸としたアジア食品・食材を米国等で販売。サンキスト・レモンの日本総代理店。
配当金は12月末一括の年150円配当のため、配当利回りは3.36%となります。
西本Wismettacホールディングスは株主優待制度を導入しており、12月末に100株以上を保有する株主に対して、3,000円相当のグルメギフトコードを進呈していますので、配当金と合計した配当優待利回りは、約4.02%となります。
業績を確認していきます。
■2020年12月期 売上高 1,684億円、営業利益 19.8億円 EPS 70.8円
■2021年12月期 売上高 2,132億円、営業利益 73.0億円 EPS 350.3円
■2022年12月期 売上高 2,752億円、営業利益 104.9億円 EPS 474.8円
■2023年12月期 売上高 3,040億円、営業利益 110.0億円 EPS 508.6円 ce(2/14)
□2023年3月1Q 売上高 697億円、営業利益 31.6億円 EPS 161.0円(5/12)
□2023年6月2Q 売上高 1,490億円、営業利益 52.0億円 EPS 250.8円 ce
2022年12月期の売上高はYoY+29.1%の2,752億円、営業利益はYoY+43.8%の104.9億円となり、期中の増額見通しを上振れして着地しました。アジア食事業については、北米域の経済活動正常化が想定超となり、外食向けが新型肺炎禍前の水準を上回る回復を見せたほか、グローサリー・テイクアウト・デリバリー・EC向けも軒並み堅調に推移し、併せて価格転嫁や円安効果も追い風となりました。他方、“サンキスト”を中心とする農水産商社事業については、原産国のインフレや海上運賃の高騰、消費者の柑橘類買い控えのほか、コンテナ船遅延による廃棄発生等により、減収減益となりました。
進行期である2023年12月期の予算については、売上高がYoY+10.5%の3,040億円、営業利益はYoY+4.8%の110.0億円を予想しています。アジア食事業については、欧州で在庫調整影響を引き摺る一方、北米のレストラン・グロサリー向けは好調持続が見込まれます。他方、農水産商社事業は混乱していた海上物流の正常化が見込まれるものの、天候不順による発育不良や価格転嫁遅れにより、回復幅が鈍くなります。尚、5月12日に開示済の1Qは売上高697億円&営業益31.6億円で推移しており、為替の有利影響(前提130円/$)もあって上振れペースで進捗しています。
進行期は2024年12月期を最終年度とする3年中計の中間年度となっており、売上高を2,132億円→3,045億円、営業利益を73億円→100億円まで其々引き上げる計画です。アジア食事業を成長の柱に位置付け、①サプライチェーン強化、②展開5地域での新サービス提供、③R&Dとスタートアップ協業を取組事項とするほか、これまでの“2ヶ国間・単一商品”の相対型貿易モデルから、調達元と販売先を分散させる“ハブ&スポーク方式”の分散型貿易モデルへの変革を推進します。
近年では海外の日本食輸入卸会社に対して相次ぐMAを実行しており、仏・C3C社(年商160億円/営業利益8億円、のれん償却▲2億円)の70%持分を50億円で追加取得したほか、昨年は英・Harros Foods社(年商27億円/営業利益1億円)を12億円で、SG・BCM社(年商60億円/税前利益2.4億円)を20億円で買収しています。また、昨年12月には台湾行政院農業委員会(農水省)と台湾成果物の輸出・販促面で提携したほか、本年3月には香港の輸入商社であるP&Cと日本ブランド産品の正規流通に関して提携しています。
財務状況については、相次ぐM&Aがあったものの、好業績による資本積み上がりにより、自己資本比率は40%水準を維持しています。配当方針については、商社のため業績連動配当(配当性向30%基準)としており、期初時点では10円増配の年150円配当を予想していますが、上振れ含みと解されます。
*参考記事① 2022-05-14 2,474円 OP
【9260】西本WismettacHD/1Qより大増勢で上方も、プライム維持に分売・POを検討。
*参考記事② 2021-10-23 3,750円 OP
【9260】西本WismettacHD/正常化控えた顧客側の在庫積み増しが想定超、急回復へ。
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