【9260】西本Wismettacホールディングス (東証プライム) OP
現在値 2,474円/100株 P/E 5.9 P/B 0.60 12月配当優待 6月配当
日本食を軸としたアジア食品・食材を米国等で販売。サンキスト・レモンの日本総代理店。
配当金は12月末一括の年70円配当のため、配当利回りは2.75%となります。
西本Wismettacホールディングスは株主優待制度を導入しており、12月末に100株以上を保有する株主に対して、3,000円相当のグルメギフトコードを進呈していますので、配当金と合計した配当優待利回りは、約3.92%となります。
業績を確認していきます。
■2018年12月期 売上高 1,822億円、営業利益 67.1億円 EPS 322.8円
■2019年12月期 売上高 1,826億円、営業利益 43.4億円 EPS 173.1円
■2020年12月期 売上高 1,684億円、営業利益 19.8億円 EPS 70.8円
■2021年12月期 売上高 2,132億円、営業利益 73.0億円 EPS 350.3円
■2022年12月期 売上高 2,540億円、営業利益 90.0億円 EPS 418.0円 ce修正(5/13)
□2022年3月1Q 売上高 590億円、営業利益 29.0億円 EPS 150.7円(5/13)
□2022年6月2Q 売上高 1,300億円、営業利益 50.0億円 EPS 243.8円 ce修正(5/13)
2021年12月期の売上高はYoY+26.6%の2,132億円、営業利益はYoY3.7倍の73.0億円となり、中間時点の増額見通しを更に上回って着地しました。アジア食事業については、特に北米域でワクチン普及による反動増が想定超となり、主力の外食向けが新型肺炎禍前の水準を上回る程の回復をみせました。外食以外のグローサリー・テイクアウト・デリバリー・EC向けも軒並み堅調に推移し、原価の原材料費・物流費の高騰も飲み込みました。他方、“サンキスト”を中心とする農水産商社事業については、緊急事態宣言の長期化による国内外食需要の後退や、柑橘類の国産品競合もあり、台湾産パイン輸入による押し上げがあったものの、減収減益となりました。
進行期である2022年12月期の予算については、1Qではや増額しており、売上高がYoY+19.1%の2,540億円(期予:2,400億円)、営業利益はYoY+23.3%の90.0億円(期予:50.0億円)に修正しています。アジア食事業は、好調な北米域の外食を中心に回復が見込まれるものの、リバウンド消費や再開業に向けた在庫積み上げ仮需は一服となり、高止まり状態が続きます。他方、利益面では原材料・物流コスト・人件費の増加が更に顕著になることが見込まれるほか、特に海上運賃も高騰している一方、売価での顧客転嫁可否(または転嫁のタイムラグ)が不透明のため、採算性の悪化を織り込んでいます。なお、地域間連携の強化やSCM・IT政策投資等を理由に20億円弱の投資増を見込んでおり、これが事実上の予算バッファと解されます。
現行中計は2020年8月に下方ロールしたものであり、計数的には最終年度の2022年12月期までの約2.5年間で売上高を2,224億円、営業利益を65億円まで引き上げる計画としていましたが、新型肺炎禍からのペントアップといった一時的な需給の歪みもあり、利益目標は1年前倒しで超過達成となりました。なお、新中計は策定中というステータスですが、別途プライム市場上場維持計画書を昨年末に策定しています。現状、35%の株式流動性基準が未達(26.8%)となっており、社長の分売ないしPOによる流動性改善を企図しており、需給難化リスクに留意する必要があります。
本中計期間中では海外日本食レストランへの卸売業から脱却して、マーケットインで顧客意向に沿った商品を開発・ファブレスで生産し、海外現地の小売店や外食チェーン店向けへの販売を強化していく方針としています。最近は海外の日本食輸入卸会社に対して相次ぐMAを実行しており、仏・C3C社(年商160億円/営業利益8億円、のれん償却▲2億円)の70%持分を50億円で追加取得したほか、昨年は英・Harros Foods社(年商27億円/営業利益1億円)を12億円で、SG・BCM社(年商60億円/税前利益2.4億円)を20億円で買収し、インオーガニックな成長も目指しています。
財務の状況については、相次ぐMAがあったものの、自己資本比率42%弱の高水準を維持しています。配当方針については、商社のため業績連動配当(配当性向30%基準)としており、期初時点はこのフォーミュラに沿って35円減配となる年70円配当を予想していますが、終わった期は期初20円配当を予想していながら結局105円配当を出したので、この辺は上振れ次第でかなり流動的です。
*参考記事① 2021-10-23 3,750円 OP
【9260】西本WismettacHD/正常化控えた顧客側の在庫積み増しが想定超、急回復へ。
*参考記事② 2021-04-07 3,000円 OP
【9260】西本WismettacHD/買収した仏C3C社が通期寄与も、DX投資が重く横ばい圏。
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