【7816】スノーピーク(東証プライム) NT
現在値 1,858円/100株 P/E 24.6 P/B 4.7 12月配当 株主優待あり
キャンプ用品、アパレル製造販売。高級品強い。卸主体だが、小売りも強化中。
配当は12月末一括の12円配で、配当利回りは約0.65%となります。
スノーピークは株主優待制度を実施しており、12月末現在1年以上保有を継続する単元株主に対して、当社製品の購入割引券(15%割引)を1枚進呈しています。
業績を確認していきます。
■2020年12月期 売上高 167億円、営業利益 14.9億円 EPS 56.3円
■2021年12月期 売上高 257億円、営業利益 38.1億円 EPS 72.1円
■2022年12月期 売上高 307億円、営業利益 36.7億円 EPS 51.4円
■2023年12月期 売上高 360億円、営業利益 50.0億円 EPS 75.3円 ce
□2023年3月1Q 売上高 64.7億円、営業利益 2.5億円 EPS 6.5円(5/15)
□2023年6月2Q 売上高 170億円、営業利益 27.0億円 EPS 48.1円 四e
2022年12月期の売上高はYoY+19.7%の307億円、営業利益はYoY▲3.8%の36.7億円となり、中間で修正した減額見通しに届きませんでした。主力の国内事業は同+15%で計画していたものの、昨年夏場以降の行動制限解除の動きから“キャンプ離れ“の動きが出て、同実績+10.9%に留まりました。他方、海外事業は主要展開国の韓国を中心に、米国・英国ともに高いキャンプ需要に支えられ、店舗数自体は横ばいの10店だったものの、同実績+35.9~57.7%まで伸長しました。
進行期である2023年12月期の予算は、売上高がYoY+17.0%の360億円、営業利益はYoY+36.1%の50.0億円を見込んでいます。主力の国内事業については、新型肺炎禍でのキャンプ特需の一服も、1月に実施した値上げ(約+19%)効果で同+10%を見込みます。他方、海外事業についても上半期に展開各域で順次値上げする計画であり、韓国同+20~30%、米国+30%、英国+60~70%と軒並み高成長持続を見込みます。尚、5月15日に開示済の1Qによれば、売上高64.7億円&営業益2.5億円と低進捗であり、過年度のディーラー在庫過多影響が色濃く出るなど、早くも下振れ懸念が燻っています。
当社は中計を3年ローリング方式で開示しており、最終年度の2025年12月期までに売上高307→500億円、営業利益36.7億円→97.0億円に置き換えています。直近公表に比べて1年後倒しにしており、巣ごもり特需剥落による成長鈍化と、エネルギー・原材料価格の高騰やベアによる人件費上昇を見込むものの、足許のモメンタム低下の織り込みが甘く“画餅的”な印象です。国内事業の方針は、既に販売市場が成熟していることから、直営キャンプフィールドの出店強化(+1,000場/3y)と提携場の拡大、左記に合わせた出店(S&B)、会員制度の拡充とアップセルでの成長を図ります。
海外事業については、広大な米国市場での成長持続が期待されるものの、同国の景気後退やインフレ影響で、ディーラー卸在庫が高水準で推移していることから、直営キャンプフィールド出店によるブランド強化(体験世界観の可視化)を推進します。中国市場については、従前は韓国経由が多かったものの、政府国策によるャンプ場拡大策(3千場~5千場/5y)が採られていることから、本年の北京出店と翌年の上海出店を計画するほか、“T-mall”や“WeChatアプリ”等の活用によるEC販売で内陸部の開拓を進めます。
他方、財務面については、2018年と2019年の相次ぐMSワラント発行と行使完了により、約33億円、約32億円を矢継ぎ早に調達しており、相当程度の希薄化があったものの、自己資本比率は48.8%と高水準を確保しています。他方、株主還元については、今後の資金需要も鑑み、横ばいの年12円配(配当性向15.9%)と低還元路線を維持しています。
*参考記事① 2022-06-02 2,683円 OP
【7816】スノーピーク/中期計画のローリングは加速、世界的な急成長フェーズに入った。
*参考記事② 2021-04-29 1,952円 *分割遡及修正済 OP
【7816】スノーピーク/全世界的なキャンプブームが到来、非連続の成長フェーズへ。
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