【7816】スノーピーク(東証1部) OP
現在値 3,905円/100株 P/E 64.3 P/B 6.96 12月配当 株主優待あり
キャンプ用品、アパレル製造販売。高級品強い。卸主体だが、小売りも強化中。
配当は12月末一括の12.5円配で、配当利回りは約0.32%となります。
スノーピークは株主優待制度を実施しており、12月末現在1年以上保有を継続する単元株主に対して、当社製品の購入割引券(15%割引)を1枚進呈しています。
業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 99.1億円、営業利益▲1.4億円 EPS▲18.0円
■2018年12月期 売上高 120億円、営業利益 9.2億円 EPS 33.6円
■2019年12月期 売上高 142億円、営業利益 9.2億円 EPS 26.9円
■2020年12月期 売上高 167億円、営業利益 14.9億円 EPS 56.3円
■2021年12月期 売上高 205億円、営業利益 20.5億円 EPS 60.7円 ce
□2021年6月中間 売上高 95.0億円、営業利益 6.5億円 EPS 19.1円 四e
2020年12月期の売上高は前期比17.6%増の167億円、営業利益は同61.6%増の14.9億円となり、2桁の増収増益を確保したほか、対期初予算でも超過達成となりました。主力の国内事業については、昨年4~5月の緊急事態宣言によるキャンプ場の閉鎖や直営店クローズ等一定の影響を受けたものの、在宅用アウトドア商品の拡充やオンラインによる顧客繋ぎ止め施策によりEC誘導が奏功し、好調に推移しました。海外事業についても同様にロックダウン等の影響を受けたものの、早期に抑制に成功した台湾・韓国の戻りが早かったほか、米国もオートキャンプ啓蒙やポートランドの旗艦店を開業が奏功し、展開している海外全ての国で軒並み3割超の売上成長となりました。
進行期である2021年12月期の予算については、売上高が22.3%増の205億円、営業利益は37.3%増の20.5億円を予想しています。全般的に新型肺炎禍の影響が続く想定の上で、主力の国内事業については直営2店舗の出店とともに16.2%の売上増を見込んでいます。海外事業についても実に47.3%の売上増を見込んでおり、この商品供給に対応するため、従来東南アジアの生産拠点から一度輸入していた製品を直接海外販売拠点に流す等のサプライチェーン改革を実行します。利益面については、新店出店、一過性の役員報酬削減の戻り、DX投資による原価増があるものの、EC売上割合の増加によるミックス良化で3割強の増益を見込んでいます。なお、既に3月分まで開示済の月次によれば、売上は前年比6割増で進捗しており、早くも上振れ期待がかかります。
当社は進行中の3年中計を今期を期初とする新3年中計にロールしており、最終年度の2023年12月期までに売上高167→290億円(CAGR20%)、営業利益14.9→40.0億円(CAGR40%)に置き換えています。1年前のロール時は下方修正だったのに対して、今次ロールでは一転して上方修正しており、業績モメンタムに一層の弾みがつく想定です。国内事業の成長戦略としては、キャンプイベント「Snow Peak Way」等を通じた体験型消費の推進のほか、アニメ「ゆるキャン△」に代表される本邦における空前のキャンプブームを背景にライトユーザーの取込を図ります。
海外事業については、昨年秋に米国のポートランドに三条市同様の体験型のグローバル旗艦店を設立しており、今後は国内同様に体験型のキャンプイベント等を通じてブランド育成を図る方針です。また、英国についても既に直営店の出店を果たしており、展開国数は既に25ヶ国を数えるまでに拡大しています。また、2020年1月には韓国でアパレル・スポーツ用品の製造・販売を営むVIRTUALTEK(KOSDAQ上場)の増資を約3億円分引き受け、ライセンサーの当社ロイヤリティを収受しています。去る2019年は釣具用品に強みをもつ同業卸のティムコ(7501)の株式に約2億円を投じて持分の13.7%を取得して筆頭株主となっており、親和性が高いと目される釣り具への本格進出と業容拡大も期待されます。
財務的手当については、2018年4月にSMBC日興証券に対して最大約33億円(希薄化率16.2%)のMSワラントを発行したほか、2019年11月にも同じスキームで最大約32億円(希薄化率16.5%)分を発行しており、想定調達額を下回ったとみられるものの、既に全権行使が完了しています。そのため、自己資本比率は既に6割を優に超える水準を確保しており、当面のファイナンスリスクは後退したものとみています。
*参考記事① 2020-05-08 772円 OP
【7816】スノーピーク/トップライン好伸も、MSワラントの希薄化も壮絶。
*参考記事② 2019-04-11 1,494円 OP
同業ティムコの筆頭株主へ、業容急拡大で躍進気配・スノーピーク(7816)。
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