【7816】スノーピーク(東証プライム) OP
現在値 2,683円/100株 P/E 30.7 P/B 7.3 12月配当 株主優待あり
キャンプ用品、アパレル製造販売。高級品強い。卸主体だが、小売りも強化中。
配当は12月末一括の12.0円配で、配当利回りは約0.45%となります。
スノーピークは株主優待制度を実施しており、12月末現在1年以上保有を継続する単元株主に対して、当社製品の購入割引券(15%割引)を1枚進呈しています。
業績を確認していきます。
■2018年12月期 売上高 120億円、営業利益 9.2億円 EPS 33.6円
■2019年12月期 売上高 142億円、営業利益 9.2億円 EPS 26.9円
■2020年12月期 売上高 167億円、営業利益 14.9億円 EPS 56.3円
■2021年12月期 売上高 257億円、営業利益 38.1億円 EPS 72.1円
■2022年12月期 売上高 327億円、営業利益 52.2億円 EPS 87.2円 ce
□2022年3月1Q 売上高 70.8億円、営業利益 9.3億円 EPS 16.9円(5/13)
□2022年6月2Q 売上高 160億円、営業利益 25.0億円 EPS 43.6円 四e
2021年12月期の売上高はYoY+53.4%の257億円、営業利益はYoY+155.8%の38.1億円となり、トップラインから5割増となったほか、対予算でも大幅過達となりました。主力の国内事業は同計画+16.2%&直営2店舗出店を前提としていたものの、“3密“を回避したレジャーを選好する動きで大増勢となり、同実績+45.5%まで上伸しました。他方、海外事業は同計画+47.3%に対し、展開各地域でこれを大きく上回り、同実績+52.9~284.6%まで伸長しました。構成比の大きい韓国では体験型複合施設を河南に開業したほか、米国も世界旗艦店が本格貢献し始め、これら各国は同+7~8割の飛躍的な成長を遂げています。
進行期である2022年12月期の予算は、売上高がYoY+27.2%の327億円、営業利益はYoY+37.0%の52.3億円を見込んでいます。主力の国内事業はキャンプ需要自体は横ばい想定とするものの、新規顧客獲得と既存顧客のアップセルで同計画+15%としています。他方、海外事業は韓国同計画+30%、台湾+10%、米国+90%、英国+40%と其々2桁成長継続を見込み、中でも米国については昨年実施した戦略的パートナー企業との提携効果発現を織り込みます。尚、5月13日に開示済の1Qによれば、売上高YoY+40.7%&営業益YoY+67.0%で進捗しており、対計画上振れ圏と解されます。
当社は中計を3年ローリング方式で開示しており、最終年度の2024年12月期までに売上高257→495億円(CAGR24.4%)、営業利益38.1→100.0億円(CAGR37.8%)に置き換えています。足許の業績モメンタムは非常に好調であり、1年前のローリング比で売上高成長見通しに更に弾みがついていることから、成長曲線が加速しています。今後の国内事業の成長戦略としては、出店+17店/3yをはじめ、直営キャンプフィールドの展開強化(出店✙10拠点/3y)のほか、キャンプ場併設型直営店の展開、インストアの専売コーナー確保など卸売チャネル強化を図ります。また本年4月には本拠地の三条に複合施設「FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」を開業し、同時にメディア露出も急拡大させています。
海外事業については、成長著しい米国では昨年戦略提携を果たした米国内最大のアウトドアショップのREI社での取扱増が見込まれるほか、テントや焚火台の拡販、来年には新規キャンプフィールドの開業を予定しています。直営店を出店済ながらも構成比の低い英国については、近隣の欧州周辺諸国への展開を図ります。韓国・台湾については、2020年に韓国でアパレル・スポーツ用品の製造・販売を営むVIRTUALTEK(KOSDAQ上場)の増資を約3億円分引き受け、当社ライセンシー化するなどしています。かような取組により、中期的にはブランド力の強大化で順調な拡大が続くとみられ、足許で一部顕在化している物流・サプライチェーンの混乱があるものの、飲み込める範囲と思料しています。
財務面については、2018年にSMBC日興証券に対し約33億円(希薄化16.2%)のMSワラントを発行したほか、2019年にも同じスキームで最大約32億円(同16.5%)を発行しており、いずれも全権行使が完了しています。その後の自己資本の積み上がりもあり、足許時点の自己資本比率も54.8%を確保していることから、ファイナンスリスクは一旦後退しています。株主還元については、2円増配の年12円配(配当性向13.7%)と低還元路線を維持しており、基本的には今後の業容拡大に備えた財務温存路線を志向しているものと解されます。
*参考記事① 2021-04-29 1,952円 *分割遡及修正済 OP
【7816】スノーピーク/全世界的なキャンプブームが到来、非連続の成長フェーズへ。
*参考記事② 2020-05-08 386円 *分割遡及修正済 OP
【7816】スノーピーク/トップライン好伸も、MSワラントの希薄化も壮絶。
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