【3695】GMOリサーチ(東証グロース) OP
現在値 3,110円/100株 P/E 13.5 P/B 2.72 12月配当 株主優待なし
GMO傘下、マーケティング調査プラットフォームを提供。アジアに調査網で先行。
配当基準日は12月末ですが、年114円84銭配予想のため、配当利回りは3.69%です。
GMOリサーチは株主優待制度を実施していません。
業績を確認します。
■2020年12月期 売上高 33.9億円、営業利益 2.6億円 EPS 107.7円
■2021年12月期 売上高 40.8億円、営業利益 3.5億円 EPS 168.0円
■2022年12月期 売上高 52.0億円、営業利益 4.2億円 EPS 218.3円
■2023年12月期 売上高 60.0億円、営業利益 5.4億円 EPS 229.6円 ce
□2023年3月1Q 売上高 14.2億円、営業利益 1.9億円 EPS 83.2円(5/8)
□2023年6月2Q 売上高 29.0億円、営業利益 3.0億円 EPS 147.0円 四e
2022年12月期の売上高はYoY+27.3%の52.0億円、営業利益はYoY+19.0%の4.2億円と2割程の増収増益ながらも、11月見通し比で下振れました。調査案件の順調な積み上げにより、期末4Q単独のアウトソーシング売上高はYoY+17%の9.6億円、同DIY売上高はYoY+23%の4.5億円と伸長し、DIY構成比も32%まで伸長しました。利益面については、期末にかけて広告宣伝費や採用強化、オフィス改装等の費用を積み増したことから、売上比での増益幅が小甘くなっています。
進行期である2023年12月期の予算は、売上高がYoY+15.4%の60.0億円、営業利益はYoY+28.3%の5.4億円を見込んでいます。終わった期で仕入側のパネルサイドAPI接続数は241件→269件に、販売側の顧客サイドAPI接続数は80件→117件に大きく増加していることから、アウトソーシング・DIYともに順調な積み上げが見込まれるほか、高採算のDIYの構成比増により採算性の改善が進みます。なお5月8日開示済の1Q決算は、売上高は14.2億円&営業利益1.9億円であり、売上成長が鈍いものの、まずまずの進捗となっています。
当社は中期計画等を開示していないものの、向こう3~5年間は年率2桁成長が目されます。当社の推定TAM①については、世界の“大枠”でのリサーチ市場が約10兆円、その中でも当社が属するSample Panel Providers(SPP)市場が約2,146億円と推計されます。現状の当社売上高に照らせば、その内数でのシェアは約2~3%(当社は国内首位、世界9位)であり、上場する競合はストックホルムのCINTのみという状況です。
狭義の推定TAM②については、アジア圏でのSPP市場は約313億円であり、同様に当社シェアを計算すると10%となるほか、SPP市場全体はグローバルで年17%のペースで高成長していることから、成長著しいインド等のリサーチ網拡充を図ることで市場平均を超える成長を目指します。
当社のアウトソーシング事業はインテージやマクロミル、クロスマーケティングといった従来型リサーチ会社は競合というより顧客であり、別市場となっています。新型肺炎禍以降は、より高速化・小型化した市場調査ニーズが世界的に高まっており、企業マーケターが直接運用するアジャイル型のセルフ調査市場(DIY事業)が年3割と飛躍的に成長しています。DIY事業は解約率が5%と非常に低いことから、ライト版製品を投入するなど事業深耕を進めており、本来的には高採算であるものの、目下では投資を進めています。
財務状況については無借金経営を継続しており、目下の自己資本比率は62.1%と盤石な状況が継続しています。株主還元については、配当性向50%基準を厳密に適用しており、微増配となる114円84銭配当を予想しています。
*参考記事① 2022-05-31 3,095円 OP
【3695】GMOリサーチ/1Qから超高進捗。売上リカーリング性強く、通期は大幅増額の公算。
*参考記事② 2015-03-21 2,415円 OP
旧社名はGMO総合研究所、GMOリサーチ(3695)のレビュー。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。