【3695】GMOリサーチ(東証グロース) OP
現在値 3,095円/100株 P/E 17.4 P/B 2.46 12月配当 株主優待なし
GMO傘下、マーケティング調査プラットフォームを提供。アジアに調査網で先行。
配当基準日は12月末ですが、年88円85銭配予想のため、配当利回りは2.87%です。
GMOリサーチは株主優待制度を実施していません。
業績を確認します。
■2018年12月期 売上高 31.8億円、営業利益 2.4億円 EPS 89.3円
■2019年12月期 売上高 32.9億円、営業利益 2.1億円 EPS 84.0円
■2020年12月期 売上高 33.9億円、営業利益 2.6億円 EPS 107.7円
■2021年12月期 売上高 40.8億円、営業利益 3.5億円 EPS 168.0円
■2022年12月期 売上高 46.0億円、営業利益 4.1億円 EPS 177.7円 ce
□2022年3月1Q 売上高 13.6億円、営業利益 2.1億円 EPS 107.7円(5/13)
□2022年6月2Q 売上高 19.5億円、営業利益 1.8億円 EPS 82.7円 四e
2021年12月期の売上高はYoY+20.4%の40.8億円、営業利益はYoY+33.7%の3.5億円となり、ギリギリ1割の増収増益を見込んでいた期初予算を大きく上振れました。調査案件の順調な積み上げにより、期末4Q単独のアウトソーシング売上高はYoY+15%の8.2億円、同DIY売上高はYoY+42%の3.7億円と伸長し、特にDIYの全社構成比が3割超に成長しました。利益については、実査工程の高稼働率や、原価率改善により採算性が向上し、利益率が一段と改善しています。
進行期である2022年12月期の予算については、売上高YoY+12.6%の46.0億円、営業利益YoY+16.3%の4.1億円を見込んでいます。終わった期で仕入側のパネルサイドAPI接続数は231件→241件に、販売側の顧客サイドAPI接続数は75件→80件に其々増加していることから、アウトソーシング・DIYともに順調な積み上がりが見込まれます。また、成長著しいセルフ型のDIYの構成比増加により採算性も改善します。なお、5月9日開示の1Q決算で、売上高はYoY+39.8%の13.6億円、営業利益はYoY+68.8%の2.1億円と高進捗を示していることから、早くも通期大増額の公算となっています。
当社は特に中期計画等を開示していないものの、向こう3~5年間は年率2桁成長が目されます。当社の推定TAM①については、世界の“大枠”でのリサーチ市場が約10兆円、その中でも当社が属するSample Panel Providers(SPP)市場が約1,930億円と目されます。現状の当社売上40億円に照らせば、当社シェアはおよそ2%であり、上場の競合は欧州ストックホルム上場のCINTのみとなっています。なお更に狭義の推定TAM②については、アジア圏でのSPP市場は約270億円であり、同様に当社シェアを計算すると12%となるほか、SPP市場全体はグローバルで年1割成長しているため、当社としては成長著しいインド等のリサーチ網拡充を図ることで市場平均を超える成長を目指すとみられます。
当社のアウトソーシング事業はインテージやマクロミル、クロスマーケティングといった本邦の従来型リサーチ会社は競合ではなく当社のリサーチ基盤を利用してもらう顧客であり、別市場となっています。そしてこれまでは従来型リサーチ会社を介した市場調査が多かったものの、新型肺炎禍を受けて高速化・小型化した市場調査ニーズが世界的に高まっており、企業マーケターが直接運用するアジャイル型のセルフ調査市場(DIY事業)が年3割と飛躍的に成長しています。そこで当社はライト型製品を投入し、このDIY事業の深耕を進めているほか、アウトソーシングより好採算のため、利益率の一段の改善も期待されます。
財務状況については無借金経営を継続しており、目下の自己資本比率は60.9%と盤石な状況となっています。なお株主還元については、厳密な配当性向50%基準を適用しており、微増配の88円85銭配当を予想していますが、足許の業績モメンタムを鑑みればかなり大きな幅での増配が期待出来るものと考えています。
*参考記事① 2015-03-21 2,415円 OP
旧社名はGMO総合研究所、GMOリサーチ(3695)のレビュー。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。