【9384】内外トランスライン(東証プライム) OP
現在値 2,498円/100株 P/E 6.0 P/B 1.43 6月配当 12月配当優待
独立系の国際海上輸出混載首位。豊富な仕向け地と運航頻度が強み。
配当は6月末・12月末の年2回合計85円のため、配当利回りは約3.40%となります。
内外トランスラインは株主優待を実施しており、12月末現在の100株保有株主に対して、1,500円相当のカタログを進呈しているため、配当優待利回りは約4.00%となります。
業績を確認していきます。
■2020年12月期 売上高 222億円、経常利益 14.8億円 EPS 87円
■2021年12月期 売上高 352億円、経常利益 39.2億円 EPS 285円
■2022年12月期 売上高 473億円、経常利益 68.4億円 EPS 477円
■2023年12月期 売上高 427億円、経常利益 58.6億円 EPS 413円 ce
□2022年3月1Q 売上高 83.6億円、経常利益 13.9億円 EPS 97.9円 (4/28)
□2022年6月2Q 売上高 200億円、経常利益 25.8億円 EPS 182円 ce
2022年12月期の売上高はYoY+34.2%の473億円、経常利益はYoY+75.3%の68.4億円円となり、3Qの増額修正見通し(注:3度目の増額)をやや下回って着地しました。好採算の輸出入混載(LCL)を中心に取扱い数量は減少したものの、海運市況のひっ迫により北米航路を中心に海上運賃が高騰したほか、現地通貨建てで賃料を収受する輸入混載の為替の有利影響もあって大増益となりました。また同様に海上コンテナスペースの逼迫により、航空貨物を取り扱うフォワーダー子会社も案件増となりました。
進行期の2023年12月期の予想については、売上高はYoY▲9.8%の427億円、経常利益はYoY▲14.8%の58.6億円と減収減益を見込んでいます。主力のLCL及びフルコンテナ(FCL)については、港湾混雑緩和による需給バランスの正常化が進んでおり、海上運賃が下落基調に入っているため、単価が大きく減少する公算です。4月28日に公表済の1Q決算については、売上高83.6億円&経常利益13.9億円と横ばい圏進捗しており、予算比高進捗ではあるものの、海運市況が急激に軟化しているため予断を許さない状況です。
終わった期で満了した第4次中計は海運市況高騰で大幅過達となり、この度2025年12月期を最終年度とする第5次中期経営計画を策定しています。向こう3年で売上高473億円→700億円、最終利益46億円→50億円に引き上げる計画です。利益水準は既に達成圏にあるものの、一過性の海運市況の高騰で“ゲタ”を履いた状態にあるため、平時の海上運賃で置き換えた場合は逆算的に700億円のトップラインが必要となる前提です。
今次中計の取組事項としては、①国内混載の強化、②国内フォワード再編、③海外拡大の3点を掲げています。①の混載強化は、単体事業の地位維持を企図し、M&Aや業務提携により規模拡大や新規分野の進出を目指します。②のフォワードについては、買収してきた子会社が多いことから、グループ再編による収益改善を図ります。
③の海外については、代理店との関係強化や再編といった既存の延長だけでなく、新規代理店の開発や、対日ビジネス需要のあるベトナムにくわえ、台湾、欧州、中東、アフリカといった成長エリアの新規開拓を推進します。また、顧客ポートフォリオが対日ビジネスに偏重していることから、地場企業の他国輸出事業の獲得を目指し、営業インフラを強化する方針です。
なお財務についてはかねてより無借金を継続しているほか、目下の空前の好業績も相俟って、企業規模に見合わないネットキャッシュ約143億円を丸抱えしています。会社側アナウンスによれば「足許で大口投資案件を具体的に検討している」ため相応の資金需要が存するとみられ、配当予想は据置となる年85円配(配当性向20.5%)を見込んでいます。
*参考記事① 2022-11-15 2,076円 OP
【9384】内外トランスライン/海上運賃高騰で都合3度目の上方修正、手許現金の積み上がり顕著。
*参考記事② 2022-04-23 1,799円 OP
【9384】内外トランスライン/海運市況高騰で中計を前倒で大幅過達、手元キャッシュ積み上がる。
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