【2796】ファーマライズホールディングス (東証プライム) NT
現在値 618円/100株 P/E 14.6 P/B 0.89 5月配当 11月株主優待
調剤薬局中堅。買収で勢力拡大。投資ファンドと資本提携。
配当金は5月末一括の14円のため、配当利回りは約2.27%となります。
ファーマライズホールディングスは株主優待制度を実施しており、11月末に単元株以上を保有する1年以上保有株主に対して2,500円相当の自社店舗商品券等を進呈しておりますので、配当優待利回りは約6.31%となります。
業績を確認していきます。
■2020年5月期 売上高 510億円、営業利益 9.8億円 EPS 55.7円
■2021年5月期 売上高 523億円、営業利益 12.4億円 EPS 45.8円
■2022年5月期 売上高 532億円、営業利益 15.0億円 EPS 47.1円
■2023年5月期 売上高 517億円、営業利益 14.1億円 EPS 42.2円ce修正
□2022年11月2Q 売上高 257億円、営業利益 5.7億円 EPS 7.7円
□2023年2月3Q 売上高 387億円、営業利益 8.9億円 EPS 22.4円(3/30)
2022年11月中間期の売上高はYoY▲0.6%の257億円、営業利益はYoY▲27.3%の5.7億円と対前・対計画で減収減益となりました。主力の調剤薬局事業については、処方箋枚数が堅調に推移したほか、ジェネリックや地域支援の単価加算により調剤技術料は増加したものの、薬価改定により処方箋単価が減少しました。調剤薬局の出退店については、出店5・退店5の純減1で上期末の店舗数は305店、物販事業は純減1の同48店体制となっています。
なお2023年5月期の通期見通しは中間時点で減額しており、売上高がYoY+0.4%の517億円(期予:519億円)、営業利益は▲7.2%の14.1億円(期予:16.0億円)に修正しています。調剤薬局事業は処方箋枚数自体は概ね計画線ながら、仕入条件悪化や新店コストの増加が想定超となっているほか、物販事業の売上未達や水道光熱費増加により採算性が悪化しています。3月30日に開示済の3Q決算は売上高387億円&営業利益8.9億円と、修正計画線で推移しています。
当社は2021年末に2025年5月期を最終年度とする3年中計を公表しており、売上高を523億円→584億円、営業利益を12.4億円→25.0億円に其々伸長させる計画としています。今次中計での取組内容は、①調剤を核とした事業展開強化、②経営基盤強化、③ESG/IR強化という3本柱となっていますが、令和4年度の診療報酬改定で300店舗超チェーン(の集中率85%超店舗)は調剤報酬点数が削られることとなったため、当初の中計与件から大きく乖離してしまっている状況です。
①はかかりつけ薬局・薬剤師として、主に高齢者への関係性強化(を通じた地域支援調剤加点の獲得)を志向した“健康サポート薬局”と称した健康寿命増進型の店舗を80店舗体制まで拡大させたほか、得意のM&Aにより進行期は3社4店舗の調剤薬局店舗を傘下に収めています。②は、ここ数年で買収した各社傘下薬局の屋号統合が一巡したことから、DXを活用した背後のシステムやオペレーションの効率化(電子処方箋の受入、電子お薬手帳の提供等)を進め、採算性改善を図っています。
当社は2018年11月に投資ファンドのアスパラント宛ての三者割当増資で1億円(@570円)、転換社債で14億円(@570円、全転換で約3割希薄化)を割り当て、企業内改革の助言やM&A案件のサポートを受けています。当社は2020年のヘルシーワーク、ウィーク、サン・メディカルの買収後も、小粒~超小粒案件を継続的にM&Aしていますが、上述の“300店ハードル”で頭打ちを強いられてきました。然しながら、足許では調剤点数の維持を諦めることとし、増店策を採っていく模様です。
財務状況については、上記転換社債の転換が進んでいない(償還・転換期限は23年11月)こともあり、自己資本比率は28.4%水準に留まっています。株主還元については、減額修正後についても年14円配(配当性向33%)の据置を予想しています。
*参考記事① 2022-04-07 775円 OP
【2796】ファーマライズHD/調剤点数減額改定見込みも枚数増でしのぐ、現中計は達成圏。
*参考記事② 2021-10-13 778円 OP
【2796】ファーマライズHD/グループ会社の合理化進み、中計営業益15億円が射程圏に復帰。
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