【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人(東証REIT) OP
現在値 143,300円/1株 P/E 23.8 P/NAV0.87 5月分配 11月分配
丸紅をスポンサーとする総合型。2010年にNCIを吸収合併、用途・地域分散を強調。
予想分配金は年2回の合計6,318円配で、分配金利回りは約4.41%となります。
業績を確認していきます。
■2021年05月期_第35期 営業収益 242億円、経常利益 98.4億円 DPU 3,182円
■2021年11月期_第36期 営業収益 228億円、経常利益 73.2億円 DPU 3,100円
■2022年05月期_第37期 営業収益 241億円、経常利益 96.2億円 DPU 3,112円
■2022年11月期_第38期 営業収益 244億円、経常利益 96.6億円 DPU 3,144円(1/19)
□2023年05月期_第39期 営業収益 246億円、経常利益 93.0億円 DPU 3,154円ce修正
□2023年11月期_第40期 営業収益 246億円、経常利益 93.1億円 DPU 3,164円ce
2022年11月期_第38期の落着については、営業収益は第37期比+1.0%の244億円、経常利益は同+0.4%の96.6億円、DPUは同+32円の3,144円と予想を上振れて着地しました。第37期取得物件のフル寄与だけでなく、オフィス期末稼働率が96.7％→97.3％に良化したほか、全国旅行支援によりホテルRevPARが想定超で回復しました。また、6月に売却したあすと長町デンタルクリニックの譲渡益(4.5億円)や、期中取得したKIC狭山日高ＤＣとガリバー八王子等が部分寄与しました。
進行中である2023年5月期_第39期の見通しも修正しており、営業収益は第38期比+0.7%の246億円(従予:238億円)、経常利益は同▲3.7%の93.0億円(従予:91.0億円)、DPUは横ばいの3,154円(従予:3,100億円)に増額しています。オフィス期末稼働率の前提は97.3％→97.5％に微増、ホテルはRevPARは巡行時の8割まで回復を見込むものの、やや保守的な前提とみられます。また、第38期取得物件の巡行化にくわえ、期初取得のグランルージュ城東、札幌米里物流(計26.4億円/NOI4.7％)が寄与します。
今回公表の2023年11月期_第40期の予想については、営業収益が第39期比+0.3%の246億円、経常利益が同+0.1%の93.1億円、DPUが同+10円の3,164円を予想しています。第39期取得物件の巡行化にくわえ、ホテルRevPARは巡行時の9割程度まで更に回復を見込むほか、2023年10月に退去予定だった川崎東芝ビル(一棟貸し)が再契約となったことから、オフィス稼働率も98.1％まで回復する前提です。なお、直近3月にアムール横浜(26.3億円/NOI4.0％)を取得していますが、此方は計画未織込となっています。
当法人の投資論点は日本コマーシャル投資法人(NCI)を合併した際に生じた内部留保(100億円弱）活用による安定分配であり、進行期である第39期迄は機動的な吐き出しで3,100円を分配金のフロアとし、運用上振れ時は＋αで増配する方針としています。併せてハイピッチで物件売却も進めており、含み益顕在化との合わせ技(NCI合併起因のRTA同様に、配当準備積立金方式で自由度のある内部留保が可能)で、出来上がりの分配金を仕上げることが可能となっています。
内部留保や譲渡益を除いた実力ベースEPUは、向こう6ヵ月で更に150円程切り上がって2,900円台半ばに達する見通しであり、第41期頃には実力ベースEPUで3,100円水準(EPU＝DPU)への到達が期待されます。他方、自社株買い等を繰り出しているものの、株価は依然として大幅なNAP割れでPO出来る状況にはないので、更なるホテルの回復や、天神ロフトビル(1,582坪)の後継成約といったもう一段のオーガニックな収益回復が望まれます。
*参考記事① 2022-10-26 145,700円 OP
【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/自社株買い合わせ技で、巡行3,100円の奪回が視野。
*参考記事② 2022-04-13 139,600円 OP
【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/KDDI府中を減損、EPU3,100円の回復待ち。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
にほんブログ村