【9832】オートバックスセブン/既存店は堅調に推移、BYDと提携でEV販売増を目指す。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9832】オートバックスセブン(東証プライム) OP

現在値 1,422円  P/E 16.0  P/B 0.88 3月配当優待 9月配当優待

自動車用品の国内最大手。「オートバックス」中心に全国展開、海外も。
配当金は3月末・9月末合計60円のため、配当利回りは4.22%となります。

オートバックスセブンは株主優待制度を実施しており、単元株以上を1年以上保有する3月末・9月末株主に対して、年2回1,000円相当の商品券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.62%となります。

業績を確認していきます。企業会計基準第29号(新収益認識)基準を採用しています。

■2020年3月期 売上高 2,214億円、営業利益 75.8億円 EPS 47.1円
■2021年3月期 売上高 2,204億円、営業利益 105.7億円 EPS 88.2円 

■2022年3月期 売上高 2,285億円、営業利益 115.5億円 EPS 89.1円

■2023年3月期 売上高 2,300億円、営業利益 100.0億円 EPS 88.5円ce

□2022年9月2Q 売上高 1,070億円、営業利益 35.0億円 EPS 40.4円 

□2022年12月3Q 売上高 1,781億円、営業利益 98.1億円 EPS 90.3円(1/31) 

2022年9月中間期の売上高はYoY+3.4%の1,070億円、営業利益はYoY+20.2%の35.0億円となり、予算比は無いものの増収増益となりました。主力の国内オートバックス(AB)事業において、新車減産影響で商品の動きは鈍かったものの、5月と9月のタイヤ値上げ効果や既存車メンテナンスの好調推移もあり、予算前提SSSは99.6%に対して、実績SSSは103.9%を確保しました。商品別では、期中値上げしたタイヤが仮需も含め好調に推移した一方、カーナビやドライブレコーダーといったカーエレ系商材が低調に推移しました。


なお2023年3月期の見通しは期初の予想を据え置いており、売上高がYoY+0.6%の2,300億円、営業利益はYoY▲13.4%の100.0億円を見込んでいます。新型肺炎禍の一巡による経済活動・レジャー需要の回復のほか、寒波・降雪による冬季用品特需もあり、2月分まで開示済のAB事業のSSSは103.8%と依然好調を維持しています。1月31日に開示済の3Qは売上高1,781億円&営業利益98.1億と2桁増益で進捗しており、通期予算に対して強含みで推移しています。

 

当社は2024年3月期を最終年度とする5年中計を定めており、進行期はその4年度目にあたるものの、今次中計は業績目標値を定めない単年都度予算型となっており、株主還元方針のみ「5年間累計の総還元性向100%」としています。定性取組方針としては、①国内AB事業強化、②小売収益拡大、③実験業態見直し、④海外小売事業縮小、⑤IT・物流基盤再構築、の5点が掲げられています。

 

①・②については、店舗数自体は横ばい圏で推移しているものの、直近3年で延べ300店舗程の改装を実施したほか、日産自動車と業務提携し、新車カタログへのカー用品掲載や、同社ディーラー2,100店舗での取扱を開始しています。また、ディーラー/B2B拡大の取組として、中国のEVメーカーのBYDと契約を締結し、外車のディーリングをBMW・MINI・Audiの4ブランド体制に拡充したほか、B2B強化策として卸売専用PB開発や一括購買サービスの提供を開始しています。

 

④の海外は豪州以外赤字となっており、33店を展開するタイは2022年3月期より持分法適用会社に落としています。⑤のIT・物流基盤再構築については、4,700カ所の取付拠点を有する三菱商事系のカー商品販売ネットワークであるカーフロンティアと提携したほか、昨年よりAI倉庫管理を提供するGROUNDに資本参加し、DSの在庫管理の最適化を図ります。

財務状況については、ネットキャッシュで120億円程がダブついています。横ばい成長の続く当社の投資論点については、あくまで株主還元策にあると考えており、現状では年60円配当予想(配当性向67.8%)が維持されているものの、今次中計では「総還元性向100%」が謳われていることから、追加的な自社株買いが待たれる状況です。


*参考記事① 2022-10-05  1,386円  OP

【9832】オートバックスセブン/投資論点なき横ばい成長が続く、自社株買い待ち。

 

*参考記事② 2022-03-10 1,354円 OP

【9832】オートバックスセブン/油価高騰は割引要素も、”注文通り”の高率株主還元が継続。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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