【9832】オートバックスセブン(東証プライム) OP
現在値 1,386円 P/E 15.6 P/B 0.88 3月配当優待 9月配当優待
自動車用品の国内最大手。「オートバックス」中心に全国展開、海外も。
配当金は3月末・9月末合計60円のため、配当利回りは4.33%となります。
オートバックスセブンは株主優待制度を実施しており、単元株以上を1年以上保有する3月末・9月末株主に対して、年2回1,000円相当の商品券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.77%となります。
業績を確認していきます。企業会計基準第29号(新収益認識)基準を採用しています。
■2020年3月期 売上高 2,214億円、営業利益 75.8億円 EPS 47.1円
■2021年3月期 売上高 2,204億円、営業利益 105.7億円 EPS 88.2円
■2022年3月期 売上高 2,285億円、営業利益 115.5億円 EPS 89.1円 新収益
■2023年3月期 売上高 2,300億円、営業利益 100.0億円 EPS 88.5円 ce新収益
□2022年6月1Q 売上高 528億円、営業利益 15.6億円 EPS 22.5円(7/29)
□2022年9月2Q 売上高 1,035億円、営業利益 25.0億円 EPS 24.4円 四e
2022年3月期の売上高はYoY+3.7%の2,295億円、営業利益はYoY+9.2%の115.5億円となり、新収益基準移行に伴う52億円の減収要素を飲み込んで対前・対予算で増収増益となりました。主力の国内オートバックス(AB)事業の予算前提SSS100.9％に対し、夏場こそ緊急事態宣言や帰省自粛の影響を受けたものの、前年反動で好調だった春先の“貯金”や、冬場の寒波・降雪による需要の戦略的な取込が進み、計画線を確保しました。商品別では、冬物を中心にタイヤが好調に推移した一方、半導体調達影響のあったカーナビやドライブレコーダーといったカーエレ系商材が低調に推移しました。
進行期である2023年3月期の予算に売上高はYoY+0.6%の2,300億円、営業利益はYoY▲13.4%の100.0億円を見込んでいます。新型肺炎禍の一巡による経済活動の再開や、レジャー需要の回復が見込まれるものの、タイヤ値上げやガソリン価格上昇といったマイナスもあることから、AB事業のSSSは99.6%と微減前提としています。7月29日に開示済の1Qは売上高528億円＆営業利益15.6億と微増収・微増益で進捗しており、通期予算に対して概ね計画線とみられます。
進行期は2024年3月期を最終年度とする5年中計の4年度目であるものの、今次中計は業績目標値を定めない単年都度予算型となっており、株主還元方針のみ「5年間累計の総還元性向100%」としています。定性取組方針としては、①国内AB事業強化、②小売収益拡大、③実験業態見直し、④海外小売事業縮小、⑤IT・物流基盤再構築、の5点が掲げています。
①・②については、直近3年で延べ300店舗程の改装を実施したほか、昨年より日産自動車と業務提携し、新車カタログへのカー用品掲載や、同社ディーラー2,100店舗での取扱を開始したほか、直近では大手FCのG-7の地域FC店を買収して半直営化しています。④の海外は豪州以外赤字となっており、33店を展開するタイは2022年3月期から通期で持分法適用に落としています。⑤のIT・物流基盤再構築については、4,700カ所の取付拠点を有する三菱商事系のカー商品販売ネットワークであるカーフロンティアと提携したほか、本年1月にはAI倉庫管理を提供するGROUNDに資本参加し、DSの在庫管理の最適化を図る方針としています。
財務状況については、長短70億円程ある借金をネット後で170億円程の現金がダブついています。横ばい成長の続く当社の投資論点については、あくまで株主還元策にあると考えており、現状では年60円配当予想(配当性向67.8％)が維持されているものの、今次中計では「総還元性向100%」が謳われていることから、追加的な自社株買いが待たれる状況です。
*参考記事① 2022-03-10 1,354円 OP
【9832】オートバックスセブン/油価高騰は割引要素も、”注文通り”の高率株主還元が継続。
*参考記事② 2021-09-01 1,552円 OP
【9832】オートバックスセブン/自社株買い枠は30億円で、中計の総還元性向100％を超過。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
