【3993】PKSHA Technology/Chat GPT脚光で、AI_FAQ事業が飛躍へ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3993】PKSHA Technology(東証STD) BY

現在値 2,072円/100株  P/E 126.6  P/B 2.19  9月配当(無配) 株主優待なし

深層学習などAIアルゴリズム機能を開発・提供。MaaSや実店舗向けサービスを強化。


配当基準日は9月末ですが、配当実績はなく今期も無配予想となっています。

PKSHA Technologyは株主優待制度を導入しておりせん。


業績を確認していきます。

■2020年9月期 売上高 73.3億円、営業利益 6.3億円 EPS 57.8円 

■2021年9月期 売上高 87.2億円、営業利益 7.1億円 EPS 4.8円

■2022年9月期 売上高 115.0億円、営業利益 15.6億円 EPS 27.3円

■2023年9月期 売上高 133.0億円、営業利益 16.0億円 EPS 18.3円 ce

□2022年12月1Q 売上高 31.9億円、営業利益 4.7億円 EPS 6.1円(2/13)

□2023年3月2Q 売上高 65.0億円、営業利益 10.0億円 EPS 9.8円 四e

2022年9月期の売上高はYoY+31.9%の115.0億円、営業利益はYoY*2倍の15.6億円となり、売上こそ未達ながらも利益は大幅過達となりました。AI Resarch&Solution(AI R&S
)事業については、アルゴ開発案件等が堅調に推移したものの、新型肺炎禍で駐車場事業者の新規開設・機器導入意欲後退が響きました。他方、AI SaaS事業は、アルゴ自動応答エンジン「BEDORE」に、買収ブランドの「OKBIZ」「asirrea」がフル寄与し、ライセンス数が順調に積み上がった結果、ARRはYoY+23.9%の49.3億円、NRRは105.8%と好伸しました。

 

進行期である2023年9月期の予算は、売上高がYoY+15.6%の133.0億円、営業利益はYoY+2.2%増の16.0億円と2桁成長維持も利益は横這い想定です。AI R&S事業についてはアルゴ/ソリューション開発案件の堅調持続や、駐車場機器受注の反動増が見込まれます。AI SaaS事業についても、労働力不足を背景とした顧客企業のAI活用ニーズが旺盛であり、2月13日に開示済の1Q時点のARRはYoY+22.7%の51.1億円、顧客数もYoY+339社の2,287社と高いモメンタムを維持しています。

 

当社は4年間の中期目標として、翌2024年9月期に売上高250億円(CAGR33%)、営業利益50億円(CAGR68%)を掲げています。当初、終わった2022年9月期までは先行投資(150~160億円)で利益を抑制する計画としていましたが、足許で年100人規模の積極採用策へと舵を切っており、進行期も363名→500名超まで増やす計画のほか、計画外ののれん等償却(※後述)もあり、利益成長はスローダウンする見通しです。また、駐車場関連事業が新型肺炎禍で受注低調が継続していることから、見えズラ上は売上高段階から大幅未達となります。

 

当社の強みは2019年に公募調達した200億円(@5,897円)であり、この“唸るほどの現金”が成長ドライバーとなっています。増資と同時に28億円で買収した駐車場機器のアイドラ社(年商45億円/営業利益2億円)にくわえ、デジタル技術内製化ソフト&RPA補完ツールのアシリレラ社(年商9億円/営業利益5.6億円)を50億円で買収し、そしてオウケイウェイブのFAQ向けSaaS事業(年商21億円/営業利益8.4億円)も71億円で買収しています。

 

そしてこれら買収各社のシナジー発現のため、上述の積極採用により手薄な営業人材の確保し本格的な売上拡大を図っているような状況です。特にアイドラ、アシリレラ、オウケイウェイブの買収で巨額ののれん代(各20億円・40億円・54億円、期末では計94億円)が発生しており、年10億円弱の営業利益下押しとなるため、P/L見た目上の早々に収益力強化を図る必要があります。折しも、OpenAIの提供するChat GPTが脚光を浴びているため、当社提供のAI_FAQのセールスが大変しやすくなっていることから、業界毎にツールが汎用化された後には飛躍的な利益成長の可能性を秘めています。

 

なお財務面については、(B/Sののれん割合が激増したものの)自己資本比率は80.6%と盤石な状況です。会社としては依然として投資フェーズのため、未だ配当するような状況ではありませんが、この3月末までは20億円(4.08%)を上限に自社株買いを実施しており、一応このうち5億円程度を購入していますが、大半は未消化で終わる公算です。

 

*参考記事① 2022-01-27 2,016円 OP

【3993】PKSHA Technology/PO資金をテコに大型買収相次ぐが、のれん償却重め。

 

*参考記事② 2021-01-27 3,275円 NT

【3993】PKSHA Technology/一昨年の大型POの恩恵大、合弁先のネームも強い。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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