【9640】 セゾン情報システムズ(東証JQS) OP
現在値 1,890円/100株 P/E 23.5 P/B 2.11 3月・9月配当 株主優待なし
セゾン系。システム開発、情報処理手掛ける。ファイル転送ミドルウェア「HULFT」が収益源。
配当は3月末・9月末の年2回、合計円90円配当のため、配当利回りは約4.76%となります。
セゾン情報システムズは株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2020年3月期 売上高 235億円、営業利益 34.4億円、EPS 67円
■2021年3月期 売上高 225億円、営業利益 29.8億円、EPS 151円
■2022年3月期 売上高 230億円、営業利益 25.0億円、EPS 123円
■2023年3月期 売上高 235億円、営業利益 19.0億円、EPS 80円ce修正
□2022年9月2Q 売上高 117億円、営業利益 11.3億円、EPS 40円
□2022年12月3Q 売上高 176億円、営業利益 16.9億円、 EPS 67円(1/27)
2022年9月中間期の売上高はYoY+4.4%の117億円、営業利益はYoY▲7.8%の11.3億円となり、減益ながらも期初予想を上回りました。ファイルミドルウェア連携のHULFT、接続ツールのDataSpiderともに顧客の旺盛なDX投資需要を受けてライセンス数が拡大、ストック性収益が順調に積み上がりました。また、フィナンシャルIT事業についても、前期の好採算案件剥落により減益となったものの、情報処理サービスが増収を確保し、想定超の進捗となりました。
2023年3月期の通期見通しは3Q時点で増額しており、売上高がYoY+1.2%の235億円(期予:227億円)、営業利益はYoY▲34.8%の19.0億円(期予:16.0億円)に修正しています。HULFT、DataSpiderの順調な拡大を見込む一方で、フィナンシャルIT事業の既存領域の縮小により微増収の想定です。また利益面については、社員報酬の積み増し、体制強化、HULFT Squareといった先行投資の増加により減益予想となっています。なお、1月27日に開示済の3Qは売上高が176億円＆営業利益16.9億円で進捗しており、修正見通し比でもやや強含みとみられます。
進行期は2024年3月期を最終年度とする3ヵ年中計の中間年度となっており、会社全体としての業績目標は開示されていないものの、クラウド型の次世代商品である「HULFT Square」の投入により、HULFT製品群を軸とした一点突破方式で業容拡大を図る方針です。具体的には、同商品群で世界シェア首位(従来型HULFTはMFT/ファイル転送市場では世界シェア3位)と年商100億円を目指すほか、付随的に企業ブランド価値の向上と採用容易化、社員の平均年収が1千万円超(現状は718万円)を目指すこととしています。
当社は2021年に旧村上ファンド系のエフィッシモの持分譲渡を受ける形で、IT周辺機器大手のバッファローを持つメルコHDが筆頭株主(持分27％)となり、同社と資本業務提携しています。実際の取組としては、メルコの法人向けNAS(ファイルサーバー)に、当社「HULFT IoT」を搭載した新プラットフォームの共同開発を進めており、NASがHULFTを介することでデータが安定化・暗号化され、情報強度向上が期待されるといった内容となっています。なお、当社親会社のクレディセゾンの方には村上ファンド“本流”の方が大量保有(その後一部売却)をかけているため、改めて資本再編が発生する可能性があります。
他方、株主還元については、「DOE10%」「自己資本比率50%～70%」「TSR(対同業種比較した上での配当込トータルリターン)重視」といった還元ポリシーを公表しており、従来基準の「配当性向30%」から大きく踏み込んだ内容となっています。エフィッシモの存在により高還元を強いられた色が強いものの、依然として配当ポリシーにDOEを基準に採用している以上、当面は高配当を継続する公算が高いとみられます。
*参考記事① 2022-03-16 1,930円 OP
【9640】セゾン情報システムズ/因縁のエフィッシモと決別、新たにメルコHDと資本業務提携。
*参考記事② 2021-08-17 1,930円 OP
【9640】セゾン情報システムズ/社運占う次世代HULFTがローンチ間近、増配で還元高水準。
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