【4809】パラカ/野村不動産出身の創業者子息が社長に就任、デべ協業案件を推進へ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4809】パラカ(東証一部)  BY

現在値 1,930円/100株  P/E 12.5  P/B 1.15  9月配当株主優待

時間貸し駐車場運営・管理。土地賃借型を中心に土地自社保有型も展開。
配当金は9月末一括の62円配当のため、配当利回りは約3.21%となります。

パラカは株主優待を実施しており、9月末に単元株を保有する株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、単元保有時の配当優待利回りは約3.73%となります。

業績を確認していきます。 

■2020年9月期 売上高 124億円、経常利益 11.8億円 EPS 75.5円 

■2021年9月期 売上高 117億円、経常利益 15.7億円 EPS 98.1円 

■2022年9月期 売上高 129億円、経常利益 20.3億円 EPS 139.6円 

■2023年9月期 売上高 142億円、経常利益 22.5億円 EPS 154.0円ce

□2022年12月1Q 売上高 36.3億円、経常利益 7.2億円 EPS 49.2円(2/8)
□2023年3月2Q 売上高 70.0億円、経常利益 11.1億円 EPS 75.0円ce

2022年9月期の売上高はYoY+10.3%の129億円、経常利益はYoY+29.4%の20.3億円となり、予算を上回って3割の増益を確保しました。年初のオミクロン新株の影響や、札幌における記録的豪雪といった稼働率の減少要因があったものの、経済活動の再開にともなって大局的には回復基調が続きました。新規車室についても、保有駐車場の仕入はYoY2.4倍の25.8億円(223車室)に膨らみ、賃借駐車場も含めた期末総車室残高はYoY+2,656室の32,852室まで増加しました。

進行期である2023年9月期の予算については、売上高がYoY+9.4%の142億円、経常利益はYoY+10.3%の22.5億円と2桁程の増収増益を予想しています。新型肺炎禍での開設駐車場の巡行化や値下げした駐車場料金の復元による収益回復が見込まれるほか、保有駐車場を中心に新設現場を増やす計画です。2月8日開示済の1Q決算については、売上高36.3億円&経常利益7.2億円と対予算で順調な進捗が確認されます。


当社はオンバランスの保有駐車場を柱に据えており、売上構成比は賃借が保有の5倍以上ある一方、粗利ベースでは3億円程度しか差が無く、保有が高利益の源泉となっています。基本的には地方中核都市(新潟・青森・水戸・長岡・甲府・姫路など)でのドミナント展開を得意としており、先ずは保有駐車場取得で地場業者とのネットワークを構築し、賃借駐車場の物件情報獲得に繋げています。現状の保有駐車場の簿価304億円に対する粗利回りは6.0%を確保しています。今後は金利に先高感があるため、(固定借入による)保有駐車場の取得を急ぐ方針のようです。

 

また、相対による株式譲渡により、2021年に筆頭株主が日成ビルド工業から伊藤忠商事(19.71%)に変わっています。同社傘下のセンチュリー21との協業のほか、ファミリーマートの駐車場を時間貸しに転用して収益化していく方針です。伊藤忠提携後の協業案件は33件541室程度に留まっていますが、これ以外にもデべ案件を推進していく方針であり、伊藤忠都市開発との協業だけでなく、昨年11月には野村不動産出身の内藤宗氏(創業者の子息)へと社長交代し、今後本格化させるもの考えられます。

 

財務状況ですが、自己資本比率は44.7%と高水準をキープしています。オンバランス経営であるものの、かつて仕入れた低簿価の保有駐車場売却による含み益の顕在化により、自己資本を改善と再仕入れを図るキャピタルリサイクリングを実現しています。そのため、配当が殆ど出せない同業他社(ex.パーク24)を尻目に、年62円配当(配当性向40.3%)を予想しています。

 

*参考記事① 2022-02-16 1,685円 OP

【4809】パラカ/伊藤忠の筆頭株主成りで、ファミマ駐車場獲得やクレジット強化が見込まれる。

 

*参考記事② 2021-01-12 1,607円 OP

【4809】パラカ/23年振りの減収も、保有駐車場収益と財務基盤厚く、配当維持の公算。

 

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