【3153】八洲電機/企業側の設備投資意欲の回復顕著で、期末偏重ながらも通期増額修正。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3153】八洲電機(東証プライム)  NT

現在値  1,080円/100株  P/E 13.5  P/B 1.03 3月配当 9月株主優待

日立系商社。工場や企業向けに電気機器の納入・設置工事を一括提供。
配当は3月一括の年25円配当のため、配当利回りは約2.31%となります。

 

八洲電機は株主優待を導入しており、9月末現在の100株以上保有の株主に対して、500円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.77%となります。なお、1年以上保有を継続する株主に対しては500円分が追加されますので、配当優待利回りは約3.24%となります(※2単元の場合は変則優待:2,000円分、1年超で2,500円分、3年超で3,000円分)


業績を確認をしていきます。

■2020年3月期 売上高 701億円 経常利益 26.5億円 EPS 64.6円

■2021年3月期 売上高 630億円 経常利益 24.5億円 EPS 76.5円 

■2022年3月期 売上高 600億円 経常利益 22.5億円 EPS 71.6円

■2023年3月期 売上高 620億円 経常利益 27.0億円 EPS 79.9円ce修正(1/31)
□2022年9月2Q 売上高 207億円 経常利益▲5.1億円 EPS▲19.0円 

□2022年12月3Q 売上高 332億円 経常利益 0.9億円 EPS▲2.8円 (1/31)

2022年9月期中間の売上高はYoY▲15.1%の207億円、経常利益はYoY▲5.4億円の▲5.1億円となり、予算比は無いものの減収減益となりました。主力の産業設備事業は、製造業の設備投資回復で一部好調に推移したものの、前年の大口剥落の影響や空調設備が低調で反落したほか、鉄道事業も半導体や部品供給等の供給不足で低調に推移しました。他方、プラント事業は、金属市況好況により非鉄顧客の設備投資意欲が改善したほか、石油・ガス顧客のメンテ工事も順調に推移し、減収減益ながらも好調な受注残を確保しました。


2023年3月期の通期見通しは年末に増額しており、売上高はYoY+3.3%の620億円(期予:610億円)、経常利益はYoY+19.9%の27.0億円(期予:24.0億円)に修正しています。期初の受注残はYoY+15.2%の441億円を確保しており、元より日立製作所絡みのインフラ系の官公需(3月納期)が割合が大きいものの、進行期は大きく下期偏重する見通しです。1月31日に開示済の3Q決算については、売上高332億円&経常益0.9億円へと黒転しているほか、8月には全社員に一律5万円(計0.5億円)の一時金を支給していることから、概ね順調な業績推移と考えられます。

 

進行期は5年中計の中間年度となっており、最終年度の2025年3月期に売上高700億円&経常利益35億円を目指す計画です。本中計のメインテーマは日立製作所のメーカー系商社(日立特約店としては当社が最大)からの脱却であり、取組事項として①エンジニアリング強化による高付加価値化、②提携先・商材の拡大、③M&A、④グループ力の強化等を挙げています。

 

①・②は従来より“コーポレートイン”型アプローチによる常駐営業で一貫したエンジニアリングを提供していますが、そこで新規商材を営業したり、提携先の拡大により提供サービスを拡大させる方針です。当社はここ数年はこれといった動きがなく、顧客企業側で予算がつきやすいCO2削減やカーボンニュートラル削減といったESG対策ニーズを取り込むため、昨年4月に傘下の環境エンジ会社とSIer会社と経営統合し、“八洲環境エンジニアリング”に改組した程度となっています。

 

財務面については、12億円ほどの借金をネットしてなお90億円超の手元現金を抱えており、自己資本比率も50%弱と商社としては高水準をキープしています。そのため、配当金は前期の記念配当2円を普通配に切り替えた上で更に3円増配し、年25円(配当性向31.2%)を予想しています。

 

*参考記事① 2022-02-09  957円 NT

【3153】八洲電機/日立絡みの鉄道需要復調も、世界的なサプライチェーン混乱が痛打。

 

*参考記事② 2021-01-15  980円 NT

【3153】八洲電機/鉄道系顧客の投資意欲減退が痛いが、受注底堅く横ばい圏か。

 

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