【7351】グッドパッチ(東証グロース) OP
現在値 667円/100株 P/E 41.9 P/B 1.75 8月無配 株主優待なし
企業のアプリやwebサービスを主にデザイン面で支援して開発。独子会社で欧州展開も。
配当基準日は8月・2月ですが、配当実績はなく無配予想を継続しています。
グッドパッチは株主優待制度を導入していません。
業績を確認していきます。 当社は2020年のIPO銘柄となります。
■2020年8月期 売上高 21.4億円、営業利益 2.1億円、EPS 31.1円
■2021年8月期 売上高 27.4億円、営業利益 4.0億円、EPS 43.3円
■2022年8月期 売上高 37.2億円、営業利益 3.9億円、EPS 8.9円
■2023年8月期 売上高 38.9億円、営業利益 2.5億円、EPS 15.9円 ce
□2022年11月1Q 売上高 8.4億円、営業利益▲0.3億円、EPS▲1.6円(1/13)
□2023年2月2Q 売上高 18.2億円、営業利益 1.2億円、EPS 7.2円 四e
2022年8月期の売上高はYoY+35.9%の38.9億円、営業利益は同▲3.0%の3.9億円となり、3割増収ながらも期初予想を下回って着地しました。主力のデザインP事業については、国内事業が好調だった上期から一転して、長期の大企業案件の終了や競合激化によりデザイナー稼働率が低下したほか、海外のドイツ現法についても欧州景況感悪化で解散しています(特損▲1.2億円)。一方、デザインPF事業については、リモートのAnywhere・が想定超の伸長となったほか、人材のReDesignerも登録者拡大が進み、黒字幅を拡大させています。
進行期である2023年8月期通期予算ついては、売上高がYoY+4.5%の38.9億円、営業利益は同▲34.4%の2.5億円と大幅減益を見込みます。主力のデザインP事業は、買収子会社の通期貢献による上乗せがあるものの、ドイツ事業解散による売上喪失のほか、国内は競合激化による受注獲得の苦戦と案件の小型化で稼働率が伸び悩んでいるため、先ずは既存案件の顧客関係の維持に注力します。他方、デザインPF事業のAnywhereはデザインP事業に移管してシナジーを追求する一方、ドメインに残ったReDesignerはマッチング強化のための先行投資を進めるため、赤字拡大を見込みます。
当社は2020のIPO銘柄であり、直近6年程の売上高CAGRは約30%を超過していたものの、足許で成長に急ブレーキがかかっています。要因としてはUI/UXの急激な競合激化であり、従来はインバウンドで受注獲得出来ていたものの、顧客側のデザイン事業の内製化傾向や、コンサル・SIerに案件を奪われることが増加してきたため、プッシュ型営業体制の構築を進めています。従来は1人(!)だった営業人材を増員し、マーケティングコンサルを導入したほか、コンサル出身のハイキャリアの営業人材も採用して梃入れを図っています。
当社は中計を公表しておらず、足許の成長モメンタム急低下により、向こう数年の目標としていた売上高100億円の達成可能性はほぼ消滅してしまいました。他方で受注減少による稼働率低下もあり、本邦随一の規模を誇る潤沢なデザイナー数(本体社員等:158人、Anywhere登録者数:25,000人弱)が十分に活用できていないことから、本体社員の採用を抑制する一方で、Anywhereは人材プールの大きさを活かして、BizreachやWantedlyのようなダイレクトリクルーティング事業を拡大させ、自動的に人材紹介料が獲得できる仕組みを構築します。
財務状況については、2020年のIPO時に2億円(@690円、主幹事は大和証券)を調達したほか、翌年は野村證券を相手先にMSワラントを合計24.8億円分(@3,420円~下限@2,394円)発行しています。後者の野村割り当て分についても、M&Aトリガー付きの第7回予約権分もスタジオディテイルズの買収で行使完了したため、結果として20億円程度の資金調達を済ませているとみられます。現状、手許資金は30億円弱とかなり潤沢な状況のため、ダブついた資金の有効活用が次の焦点となります。
*参考記事① 2021-12-17 2,663円 NT
【7351】グッドパッチ/DX潮流と採用ブランド力強く、当面は高成長モメンタムが続こう。
*参考記事② 2020-12-23 2,353円 OP
【7351】グッドパッチ/DX潮流本格化で高成長続く、上場による信用効果を謳歌。
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