【7532】PPIH/ドンキPB“情熱価格”の売上構成比が増加、粗利益率の改善も一段と進捗。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7532】パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東証プライム) OP 

現在値 2,294円/100株  P/E 24.0 P/B 3.35  6月配当優待 12月配当優待

総合ディスカウント店ドン・キホーテを展開。子会社に長崎屋、ユニー。
配当金は6月、12月の年2回合計18円のため、配当利回りは約0.78%となります。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは株主優待制度を実施しており、6月末・12月末の単元保有株主に対して、年2回2,000円分の自社ポイントを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.52%となります。

業績を確認していきます。

■2020年6月期 売上高 1兆6,819億円、営業利益 759億円 EPS 79.4円

■2021年6月期 売上高 1兆7,086億円、営業利益 815億円 EPS 84.9円 

■2022年6月期 売上高 1兆8,312億円、営業利益 1,044億円 EPS 102.6円

■2023年6月期 売上高 1兆8,900億円、営業利益 940億円 EPS 95.4円 ce

□2022年6月1Q 売上高 4,736億円、営業利益 238億円 EPS 30.9円(11/8)

□2022年9月2Q 売上高 9,583億円、営業利益 537億円 EPS 55.3円 ce

 

2022年6月期の売上高はYoY+7.2%の1兆8,312億円、営業利益はYoY+9.2%の886億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。ドンキを中心とするDS事業はSSS前提103.1%に対し101.1%、ユニー(アピタ・ピアゴ)を中心とするGMS事業はSSS前提102.1%に対し98.9%に留まったものの、ゲルソンズの買収効果と新店効果で増収となりました。利益面については、PB/OEM構成比の構成比上昇(12.1%→14.2%)と、値付け精度の向上、DX化による回転率向上により、特にDS事業の粗利益率は+0.5ppts.と大きく改善しました。

 

2023年6月期の予算については、売上高はYoY+3.2%の1兆8,9000億円、最終利益はYoY+6.0%の940億円を見込んでいます。予算前提SSSはDS事業もGMS事業もそれぞれ100.3%と横ばいを見込んでおり、出店は国内外で出店21・転換4店を計画しています。利益面については、DS事業のPB/OEM構成比を16.8%まで引き上げる前提で、粗利益率の更なる改善を見込んでおり、高騰する水光熱費や人件費を打ち返す計画です。尚、11月8日に開示済の1Qは売上高4,736億円&営業益238億円で進捗しており、好調な業績推移が確認されます。

 

今般当社は新3ヵ年中計を公表しており、最終年度の2025年6月期までに売上高を1兆8,312億円→2兆円に、営業利益を1,044億円→1,200億円に引き上げる計画としており、年率10%超の利益成長を目標とします。取組事項は①PPIH流SPA推進、②DX強化、③生産性向上、④金融収益拡大、⑤海外の出店等強化となっています。特にインフレ下での可処分所得減少傾向やインバウンド需要消失などから、無理にトップライン成長を追わず、確実に利益成長を追う内容となっています。

 

柱の①のSPA戦略については、DS・GME合算でのPB/OEM構成比を15.3%→25.0%まで引き上げることとし、具体的には②のmajica会員の購買情報や口コミ活用より、当社の独自性の源泉でもある“CV(利便)+D(廉価)+A(興味)”のサイクルを高速で回して、有力なPB商品“情熱価格”の開発に繋げる方針です。また、PB品はドンキを中心とするDSだけでなく、依然としてNB品の取扱いが多いGMSのユニー店での展開強化を図ります。

 

④の金融については、majica会員と自社ハウスカードを展開するUCSを合算した自社決済比率を39.0%→50%超に引き上げ、他社決済による取りこぼしの抑制を図ります。併せて、リボ/キャッシング/後払いによる手数料の収受や、購買データの外部活用等で派生収益の獲得を狙います。かような各種取組や、足許での好調な利益改善モメンタム、保守的な売上想定を鑑みるに、今次中計は達成可視性が比較的高いものと解されます。

 

株主還元方針については、配当性向20%程度を基準とした“累進配当施策”により、19期連続の増配を継続しており、配当予想は1円増配の年18円となっています。自己資本比率は28.3%と一定の水準にありますが、「A+」格維持を目標としているほか、海外事業拡大の資金需要もあるため、当面は現状レベルでの株主還元が継続するものとみられます。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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