【1419】タマホーム(東証プライム) NT
現在値 2,306円/100株 P/E 8.0 P/B 2.32 5月配当・株主優待 11月優待
注文住宅会社。ロードサイド型独立店を積極展開し大々的な広告で集客。
配当金は5月末の年1回130円のため、配当利回りは約5.64%となります。
タマホームは株主優待制度を実施しており、5月末・11月末に単元株以上を保有する株主に対して500円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約6.07%となります。また、3年以上保有を継続する株主に対しては、長期優遇制度によりクオカード進呈額が倍の1,000円となりますので、この場合の配当優待利回りは約6.50%となります。
業績を確認していきます。
■2020年5月期 売上高 2,092億円、営業利益 98.7億円 EPS 172.7円
■2021年5月期 売上高 2,180億円、営業利益 109.9億円 EPS 243.3円
■2022年5月期 売上高 2,407億円、営業利益 118.9億円 EPS 282.2円
■2023年5月期 売上高 2,460億円、営業利益 130.0億円 EPS 286.6円 ce
□2022年8月1Q 売上高 587億円、営業利益 28.7億円 EPS 65.8円(10/11)
□2022年11月中 売上高 1,200億円、営業利益 62.0億円 EPS 141.6円 四e
2022年5月期の売上高はYoY+10.4%の2,407億円、営業利益はYoY+8.1%の118.9億円となり、概ね中間の増額修正水準で着地しました。期中に“文春砲”による風評被害があったものの、期初時点の受注残高はYoY+17.7%の1,395億円と豊富に抱えていたほか、リモートワーク需要による戸建選好の動きは根強く、引渡棟数は注文住宅・戸建分譲共合計10,502棟と上場来最高を更新しています。またマンション分譲についても、3棟のうち2棟を完売したほか、リフォーム事業もYoY+19.4%と好伸しました。
進行期である2023年5月期の予算については、売上高がYoY+2.2%の2,460億円、営業利益はYoY+9.3%の130.0億円を見込んでいます。注文住宅の受注棟数が減少している一方、高単価化が進んでいることから、期初の受注残高はYoY+5.0%の1,469億円を確保しています。利益面については、半導体不足による住設機器納入遅れ(と値上がり)が解消しつつあるほか、木材価格や人件費高騰といった原価高も“タイムラグ”で価格転嫁が進むため、利益率は改善が見込まれます。なお、開示済の9月分(4ヶ月累計)迄の月次によれば、98%で推移しており、秋口の台風影響があったものの、概ね計画圏の推移とみられます。
今期は5年中計の2年度目となっており、最終年度の2026年5月期に売上高3,200億(CAGR8%)、営業利益200億円(CAGR13%)を目指す計画です。「新築住宅着工棟数No.1」を目標に、主要4セグメントのオーガニックな底上げにより成長を図ります。周辺領域への業容拡大よりは、圧倒的スケールメリットを活かしたコスト削減と価格競争力でシェア増を目指します。現状、1年が経過したところですが、中計の目標感自体が相当意欲的なため、リモートワークによる戸建志向の趨勢増はあれど、現時点での達成の可視性はさほど高くないものとみられます。
注文住宅事業は、主力商品である廉価な規格型住宅だけでなく、高断熱商品である「大地の家」といったハイエンド商品まで品揃えを拡充するほか、関西に比べて手薄な関東への出店を推進します。リフォーム事業については、年間1万棟の供給実績の積み上げで、築10年超の住戸も相応に増えてきたことから(推定7万戸)、保証期間延長工事の受注を図ります。不動産事業については、オフィスの区分分けによる投資商品化やビル一括のサブリースといった賃貸事業など、これまでとは毛色の異なった新規分野も開拓します。
他方、株主還元については、近年の空前の好業績を背景に劇的に増配してきた経緯があり、5年前に年15円だった配当金は、実績ベースで125円まで膨らんだほか、進行期も更に5円増配となる年130円配当を見込んでいます。計算上の配当性向は45.4%となるものの、自己資本比率も3割程度確保しているため、特段問題の無い配当水準と判断しています。
*参考記事① 2022-04-11 2,457円 NT
【1419】タマホーム/戸建選好根強く早々に通期増額だが、中計目標はハードルが高い印象。
*参考記事② 2021-10-11 2,497円 NT
【1419】タマホーム/文春ニュースフロー直撃も、豊富な受注残で“逃げ切り”か。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
AD