【1419】タマホーム/文春ニュースフロー直撃も、豊富な受注残で“逃げ切り”か。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1419】タマホーム(東証一部) NT

現在値 2,497円/100株  P/E 10.0 P/B 2.81  5月配当株主優待 11月配当優待

注文住宅会社。ロードサイド型独立店を積極展開し大々的な広告で集客。
配当金は5月末・11月末の年2回、合計110円のため、配当利回りは約4.41%となります。

タマホームは株主優待制度を実施しており、5月末・11月末に単元株以上を保有する株主に対して500円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.80%となります。また、3年以上保有を継続する株主に対しては、長期優遇制度によりクオカード進呈額が倍の1,000円となりますので、この場合の配当優待利回りは約5.20%となります。

業績を確認していきます。  

■2018年5月期 売上高 1,679億円、営業利益 46.5億円 EPS 68.1円  

■2019年5月期 売上高 1,868億円、営業利益 73.6億円 EPS 130.8円  

■2020年5月期 売上高 2,092億円、営業利益 98.7億円 EPS 172.7円  

■2021年5月期 売上高 2,180億円、営業利益 109.9億円 EPS 243.3円 

■2022年5月期 売上高 2,250億円、営業利益 113.0億円 EPS 247.8円 ce 
□2021年11月中 売上高 1,050億円、営業利益 50.0億円 EPS 118.8円 四e

2021年5月期の売上高は前期比4.2%増の2,180億円、営業利益は同11.4%増の109.9億円となり、中間時点の増額予算を更に上回って2桁幅の増益を確保しました。新型肺炎の影響もあり、期初時点の受注残高は6.4%減の1,187億円と低調だったものの、期中受注で大きく巻き返し、住宅事業における注文住宅の引渡しも棟数・金額ともに前期を上回ったほか、リモートワークで需要が急増した戸建分譲が同35.6%増と大増勢となりました。他方、不動産事業については前期の穴守稲荷のホテル売却益(買主は京急)十数億円が剥落して大幅減益となっているもの、住宅事業が想定超で伸びたため全社業績を増収増益圏まで持ち上げた格好となります。


進行期である2022年5月期通期予算については、売上高が3.2%増の2,250億円、営業利益は2.7%増の113.0億円を予想しています。期初時点の受注残高は1年前比で17.7%増の1,395億円に膨らんでおり、順調な受注消化により堅調な推移が見込まれます。他方、足許の月次受注動向については、6月・7月については120%水準と大変好調に推移していたものの、8月についてはワクチン接種に関する当社経営陣の発言と文春報道が顧客心理を冷やしたため、96%台にまで落ち込んでいます。本事案が一過性のネガティブイベントとして消化されたかどうかは、翌月次以降の確認となるものの、微増収増益の予算については豊富な受注残により逃げ切り濃厚と考えます。

 

当社は新5年中計を公表しており、最終年度の2026年5月期に売上高を2,180億円→3,200億(CAGR8%)、営業利益109億円→200億円(CAGR13%)に伸長させる計画です。従前中計は新型肺炎禍で途中撤回し、仮に計画が生きていたとしても未達でしたが、そもそもの数字目標感が野心的だったことを踏まえれば、十分合格点をつけられる内容と考えています。今回は中計の策定スパンを3年→5年に延ばすとともに、「新築住宅着工棟数No.1」を目標に掲げ、主要4セグメントのオーガニックな底上げにより成長を図る目論見です。業容的なウイングを広げる、というよりは圧倒的なスケールメリットを活かし、昨今の木材高騰への対応や住設機器メーカーとの価格交渉力を活かしたコストダウンにより、価格競争力による優位性の確保とシェア増を目指す方針です。

 

重点取組として、主力の注文住宅については各都道府県新築棟数No.1を目指し、廉価な規格型住宅から、高耐震・高断熱といったハイエンド商品等のライン拡充により受注拡大を図ります。他方、戸建分譲については、資金効率重視の観点から、地方中核都市を中心に10区画未満の小規模分譲地を対象とするなど仕入れを厳選する方針であり、当該セグではさほど伸ばす計画ではないとみられます。また、リフォームは築年数強化による受注増を狙うほか、不動産事業については近年注力していた税金対策のオフィス区分分譲よりは、通常のマンション分譲を強化する模様です。


株主還元については、好業績を原資に急ピッチで充実させてきており、配当金の推移については【10→15→30→53→60→70→100円】と、増配基調を鮮明にしているほか、ここ最近は断続的な自社株買いも実施してきています。進行期は10円増配の110円を予想していますが、業績の如何によっては更なる増配も期待できるものと考えています。

 

*参考記事① 2021-04-02  2,194円 NT

【1419】タマホーム/減配予想から一転して連続増配へ、受注の積上げも順調。

 

*参考記事① 2020-10-13  1,443円 NT

【1419】タマホーム/足許の受注状況は好調で、年70円配復元の公算が高いとみる。

 

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