【2751】テンポスHD/事業環境改善で急回復、余剰資金の有効活用に期待したい。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2751】テンポスホールディングス(東証STD) BY


現在値 2,283円/100株  P/E 14.2  P/B 2.32  4月配当 株主優待あり

中古厨房機器のリサイクル販売で独壇場。ステーキの飲食店事業も展開
配当金は年1回・4月末に11円のため、配当利回りは0.48%となります。

テンポスホールディングスは株主優待制度を導入しておりまして、単元株以上を保有する4月末株主に対し、傘下の「ステーキのあさくま」等で使える8,000円相当の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.98%となります。

業績を確認していきます。

■2020年4月期 売上高 291億円、経常利益 19.0億円 EPS 79.8円 

■2021年4月期 売上高 270億円、経常利益 14.4億円 EPS 16.7円 

■2022年4月期 売上高 290億円、経常利益 29.1億円 EPS 131.5円 

■2023年4月期 売上高 338億円、経常利益 32.1億円 EPS 160.9円 ce修正

□2022年7月1Q 売上高 73.5億円、経常利益 5.7億円 EPS 31.0円(9/9)
□2022年10月2Q 売上高 162億円、経常利益 15.4億円 EPS 77.1円 ce

2022年4月期の売上高はYoY+7.4%の290億円、経常利益はYoY2倍の29.1億円となり、売上こそ予算に若干届かなかったものの、大増益となりました。主力の物販事業では、新型肺炎禍の一巡により、新規開業の中小飲食店の向けの厨房機器販売が回復したほか、助成金収入活用による既存店の入替需要も寄与しました。他方、「あさくま」を中心とする飲食事業についても、時短営業等のあおりでYoYでも8割程の売上となったものの、助成金収入の上乗せにより経常利益段階から大幅に黒字転換しています。


進行期である2023年4月期の予算については、売上高はYoY+16.8%の338億円、経常利益はYoY+10.2%の32.1億円と2桁の増収増益を見込みます。主力の物販事業については、飲食店の経営環境好転が追い風となり、厨房機器や内装工事等新規投資の着実増が見込まれれるほか、厨房機器需給のタイト化による値上げ、「無煙焼肉ロースター」といった自社ヒット製品も寄与します。飲食事業も助成金収入が大きく減少するものの、時短営業・酒類提供制限からの復元が見込まれます。去る9月9日に開示済の1Q決算は、売上高73.5億円&経常利益は同5.7億円で進捗しており、概ね計画線での推移とみられます。

 

当社は中計非開示としているものの、主力の厨房機器物販を軸とした提案型コンサル営業「Dr.テンポス」の強化による新規顧客数の増加と、客単価引き上げをメインドライバーに据えています。提案型営業は一定の成果を得たものの、既に客単価が250千円程度で頭打ち状態になっていることから、客数構成比4%ながら売上構成比38%を占める好採算の新規顧客の取込増加を図ります。「テンポスDIY」というオリジナルの店づくりスキームを導入し、内装工事受注段階から囲い込み、厨房機器を含めた総合受注を強化します。なお、展開店舗数は、5年程で現状の60店→120店まで拡大する意向としています。

 

他方、外食事業については2019年に子会社のあさくま(持分50.8%)を上場させており、76店程を展開しています。主力のステーキ業態は他社肉業態との競合激化にくわえ、牛肉の輸入原価高騰や水道光熱費の上昇が直撃しています。2020年春には年商20億円の寿司業態「竹若」を1.5億円(別途のれん5億円)で買収したものの、同社は昨年9月に破産手続きを開始しており、展開店舗数は76店程に減少したほか、進行期も出店ゼロ圏想定で“雌伏”の状態が続くものの、足許では社長交代とともに同業「さわやか」の営業本部長を引き抜いており、体制刷新を図るなとしています。

 

財務状況については、ほぼ無借金&100億円程のネット現金を保有していることから、自己資本比率は64%と高水準を維持しています。その一方、配当金については1円増配の年11円配(配当性向6.8%)と非常に低水準に留まっているため、MAだけでなく100名を程の出向者を受け入れている提携先のぐるなびへの資本注入など、余剰資金の有効活用が望まれます。

 

*参考記事① 2021-09-28 2,235円 

【2751】テンポスHD/傘下・竹若を破産させるも、本業の業績回復が目覚ましく急反転へ。

 

*参考記事② 2020-10-09 1,991円 OP

【2751】テンポスHD/財務面での“泳ぎ幅“が広く、ダイナミックな外部成長策が期待される。

 

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