【3287】星野リゾート・リート投資法人 投資証券(東証REIT) NT
現在値 676,000円/1株 P/E 42.3 P/NAV 1.25 4月分配 10月分配
星野リゾートをスポンサーとするホテル特化型。LTV35%近傍など堅実な財務戦略。
予想分配金は年2回の合計15,938円配で、分配金利回りは約2.36%となります。
星野リゾート・リートはかつて投資主優待制度がありましたが、既に廃止されています。
業績を確認していきます。
■2020年10月期_第15期 営業収益 60.2億円、経常利益 28.5億円 DPU 12,860円
■2021年04月期_第16期 営業収益 45.9億円、経常利益 14.2億円 DPU 6,608円
■2021年10月期_第17期 営業収益 48.4億円、経常利益 14.1億円 DPU 6,344円
■2022年04月期_第18期 営業収益 54.3億円、経常利益 17.6億円 DPU 7,195円
□2022年10月期_第19期 営業収益 58.6億円、経常利益 19.4億円 DPU 7,607円ce修正
□2023年04月期_第20期 営業収益 61.7億円、経常利益 21.3億円 DPU 8,331円ce
2022年4月期_第18期の営業収益は第17期比+12.4%の54.3億円、経常利益は同+24.9
%の17.6億円、分配金は同851円増の7,195円となり、予想比で若干上振れました。売上歩合賃料の算出期間が2021年9月までであり、「goto」キャンペーンが実施されていた時期にかかるほか、昨年6月に27.5億円(鑑定NOI6.1%)で取得した「界 長門」も歩合除きで通期寄与し、福岡地所・福岡リート(8968)の間で実施した福岡所在物件の“三角取引”による収入上乗せのほか、昨年11月の8th_PO取得物件も一部寄与しました。
進行期である翌2022年10月期_第19期の見通しも修正しており、営業収益が第18期比+7.9%の58.6億円(従予:55.2億円)、経常利益は同+10.4%の19.4億円(従予:18.5億円)、分配金は同+412円の7,607円(従予:7,542円)に増額しています。「界 霧島」と「界 別府」の2物件がフル寄与するほか、6月に実施した9th_PO(※後述)取得物件も一部貢献します。売上歩合賃料の算出期間は2022年3月迄のため、緊急事態宣言が解除された昨年10月以降を取り込む形となり、既に数字が固まっている星野リゾート物件の歩合上振れにより増額されています。
今般開示の2023年4月期_第20期の営業収益は第19期比+5.2%の61.7億円、経常利益は同+9.5%の21.3億円、分配金予想も同+724円の8,311円を予想しています。売上歩合賃料の算出期間は2022年9月迄であり(利益歩合は同2022年5月迄)、タイムラグのある歩合参照期間が最悪期をほぼ抜けるほか、既に星野リゾート物件は平時水準を上回る賃料を確保していることから回復が顕著となります。9th_PO取得物件も通期貢献します。
当法人は本年6月の9thPOで62.9億円(@610,350円)を調達し、スポンサーパイプラインのDBJ共同ファンドから「星のや 沖縄」の準共有持分の77.47%を122億円(鑑定NOI5.8%)で取得しています。目下、観光需要の劇的な回復がみられる沖縄で、全国で最も新しくスケール感のある「星のや」の新旗艦物件の取得となるほか、まだADRも7万円台(RevPAR3万円程)に過ぎない状態での取得のため、新型肺炎禍一巡後は大きなアップサイドが期待されます。
当法人は中長期的な目線(向こう4年程度)として、年間分配金を+4%程度増配させつつ、年200~250億円の積み増しでAUM3,000億円を目標としており、現状では1,890億円まで積み上げています。前回POがフルエクイティだったため、今次POではレバを活用(LTV35.5%→36.3%)したものの、取得余力はなお125億円確保しています。スポンサーである星野運営物件のパイプラインだけでなく、沖縄の残り持分、「OMO7大阪新今宮」、「リゾナーレ那須」「界 雲仙」といったDBJ共同ファンドの分を含めると1,000億円は下らないとみられ、高株価を背景とした外部成長が続く公算が高そうです。
*参考記事① 2022-04-02 683,000円/1株 NT
【3287】星野リゾート・リート投資法人/今次POはフルエクイティ、外部成長の蓋然性はより高く。
*参考記事② 2021-09-30 740,000円/1株 NT
【3287】星野リゾート・リート投資法人/株価急伸で何を買ってもアクリーティブ、外部成長の好機。
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