【3287】星野リゾート・リート投資法人 投資証券(東証REIT) NT
現在値 683,000円/1株 P/E 46.4 P/NAV 1.28 4月分配 10月分配
星野リゾートをスポンサーとするホテル特化型。LTV35%近傍など堅実な財務戦略。
予想分配金は年2回の合計14,695円配で、分配金利回りは約2.15%となります。
星野リゾート・リートはかつて投資主優待制度がありましたが、既に廃止されています。
業績を確認していきます。
■2020年04月期_第14期 営業収益 61.5億円、経常利益 29.5億円 DPU 13,301円
■2020年10月期_第15期 営業収益 60.2億円、経常利益 28.5億円 DPU 12,860円
■2021年04月期_第16期 営業収益 45.9億円、経常利益 14.2億円 DPU 6,608円
■2021年10月期_第17期 営業収益 48.4億円、経常利益 14.1億円 DPU 6,344円
□2022年04月期_第18期 営業収益 54.3億円、経常利益 17.5億円 DPU 7,153円 ce修正
□2022年10月期_第19期 営業収益 55.2億円、経常利益 18.5億円 DPU 7,542円 ce
2021年10月期_第17期の営業収益は第16期比5.4%増の48.4億円、経常利益は同0.7%減の14.2億円、分配金予想も同62円減の6,344円とほぼ見通し通りの着地となりました。第17期の売上歩合賃料の計算期間は2021年3月までとなるため、全期間において新型肺炎の影響を色濃く受けるものの、星野運営の「星のや」や「界」、「リゾナーレ」のRevPARについては直近12ヶ月で104%水準を確保しており、歩合賃料が確保されました。他方、完全歩合の「ハイアット」や「ザ・ビー」など星野以外物件は極めて低調に推移し、足を引っ張るような格好となりました。
進行期である2022年4月期_第18期の見通しについては、営業収益が第17期比12.2%増の54.1億円、経常利益は同24.3%増の17.5億円、分配金は同809円増の7,153円を見込んでいます。売上歩合賃料の算出期間は2021年9月までとなっており、丁度「goto」キャンペーンが実施されていた時期にかかるほか、6月に27.5億円(鑑定NOI6.1%)で取得した「界 長門」も歩合除き通期寄与し、福岡地所・福岡リート(8968)の間で実施した福岡所在物件の“三角取引”による収入上乗せや、11月に実施した8th_PO(※後述)の物件も一部収益寄与します。
今般開示の翌2022年10月期_第19期については、営業収益が第18期比1.7%増の55.2億円、経常利益が同5.4%増の18.5億円、分配金は同389円増の7,542円を予想しています。8thPO取得の2物件がフル寄与するほか、売上歩合賃料の算出期間は2022年3月までとなっており、緊急事態宣言が解除された昨年10月以降を取り込む形となります。新規陽性者数のピークは2月初旬だったものの、足許2月までホテル市況は回復を続けているため、既存物件についても上振れ期待がかかります。
当法人は昨年11月の8thPOで125億円(@669,825円)を調達し、「界 霧島」を39.1億円(鑑定NOI5.8%)、「界 別府」を73.5億円(鑑定NOI5.3%)の計2物件と「WBFグランデ関西エアポート」を裏付資産とするメザニンローン債権(10.5%~11.5%)を7.5億円で取得しています。更にこれらをフルエクイティで取得したため、LTVを38.1%→35.4%に劇的に低下させており、中長期的な外部成長力を大きく回復させています。
当法人は中長期的な目線(5年程度)として、年間分配金を+4%程度増配させつつ、物件年間200~250億円積み増すことでAUM3,000億円を目標としており、現状では1,768億円となっています。今次POによるLTV低下で取得余力は147億円にまで増加しており、スポンサーである星野運営物件のパイプラインと、「星のや沖縄」「OMO7大阪新今宮」、「リゾナーレ那須」等が含まれる政投銀共同ファンドの分を含めると1,000億円は下らないとみられ、外部成長の蓋然性が高い状況が当面続くものと解されます。
*参考記事① 2021-09-30 740,000円/1株 NT
【3287】星野リゾート・リート投資法人/株価急伸で何を買ってもアクリーティブ、外部成長の好機。
*参考記事② 2021-03-10 597,000円/1株 NT
【3287】星野リゾート・リート投資法人/マイクロツーリズム潮流で脚光、改めてPO期待。
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