【3180】ビューティガレージ/中計は増額ローリングも、TAM限界で成長にやや頭打ち感。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3180】ビューティガレージ(東証プライム) OP

現在値 2,679円/100株  P/E 19.8 P/B 3.15  4月配当 株主優待あり

理美容機器や業務用化粧品を販売する専門商社。低価格に特徴。
配当(実績)は4月末一括の18円配当であり、配当利回りは0.67%となります。

 

ビューティガレージは株主優待制度を導入しており、2020年度の実績ベースでは、4,730円相当のホテル仕様バスタオルの進呈がありましたので、想定ベースの配当優待利回りは約2.43%となります。(なお、優待の獲得には1年以上の長期継続保有制限が課されています)

業績を確認していきます。 

■2020年4月期 売上高 157億円、経常利益 7.4億円 EPS 64.5円 

■2021年4月期 売上高 195億円、経常利益 10.8億円 EPS 104.3円 

■2022年4月期 売上高 234億円、経常利益 12.1億円 EPS 112.6円 

■2023年4月期 売上高 270億円、経常利益 14.1億円 EPS 134.7円 ce

□2022年7月1Q 売上高 60.7億円、経常利益 2.5億円 EPS 31.6円 (9/8)
□2022年10月2Q 売上高 132.7億円、経常利益 6.0億円 EPS 62.2円 ce

2022年4月期の売上高はYoY+19.4%の234億円、経常利益はYoY+12.5%の12.1億円となり、対前2割弱の増収確保も予算未達となりました。主力の物販事業におけるアクティブ会員数が同+10.5%の145.1千口座に増加したほか、継続購入顧客数も同24.4%増の55.4千口座へ増加したほか、EC(PC+モバイル)の占有比も+110bps.の79.3%へ続伸し、効率化が進みました。他方、高採算のPB商品割合が減少し、化粧品・材料を中心としたNB商品の売上構成比増加によるミックス悪化、原材料・輸送費高の影響により利益伸長が緩慢となりました。


進行期である2023年4月期の予算については、売上高がYoY+15.5%の270億円、経常利益はYoY+16.1%の14.1億円を予想しています。美容業界のDX化進展によるEC化率上昇が追い風となるほか、本年7月のUI・UXを改善したスマホ用新ECサイトローンチの寄与もあり、売上高は10%台半ばの成長を見込みます。なお、9月8日に開示済の1Q決算は売上高が60.7億円&経常利益2.5億円で進捗しており、一過性の展示会売上の計上を考慮すれば、実態はやや弱いものと捉えられます。

 

進行期は5年中計の3年度目となりますが、当初数字感から意欲的な内容ではあったものの、昨年6月に上方ロールしており、2025年4月期までに売上高167億円→350億円(従予:300億円)、経常利益10.7億円→21.0億円(従予:17.0億円)に其々増額しています。取組事項としては、①品揃・UI/UX改良によるEC拡充、②物流強化、③オムニチャネル化、④物件サポート、⑤MA等の外部成長、⑥海外展開の6項目を掲げているものの、基本的には①のEC拡大によるオーガニック成長が軸となります。

 

美容ディーラー市場は当社売上高で国内3~4位圏ですが、上位の老舗ディーラー3社で(ガモウ、きくや美粧堂、ダリア)で業界売上の35%程度を占める寡占状態でしたが、最後発の当社が風穴を開ける形で首位級に成長しています。但し、業界全体のTAMが2,000億円程と成長余地が限定的なことから、当社はサロン開業時等の中古機器販売業を祖業としていた強みを活かし、本年4月に“GYM GARAGE”という名称でフィットネス業界向けの新品・中古機器買取再販事業を開始させ、業容拡大に取り組んでいます。

 

本年2月にはSaaS形式の加盟店向けのネットショップ構築サービス“Salon.EC”の提供を開始しており、新型肺炎禍でも堅調とされる店販商品の拡販ニーズの取込を図ります(サロン在庫品売上に対する当社手数料率は6%)。また傘下のCVCであるBGベンチャーズを通じて、ユーザ参加型のオンライン美容学習支援を手掛けるHAIRCAMPや、口コミ型化粧品ECアプリのノインに出資しており、中長期シナジーを志向した“種蒔き”を行っています。

 

他方、株主還元については、2円増配の年18円を見込んでいます。2018年3月に主幹事であるSBI証券を相手先とするMSワラント(最大16.6億円)を発行し、相当程度の追加資本調達を済ませていることもあり、足許での自己資本比率は50%と盤石な状況を維持しています。上述のとおり、本業の市場規模が大きくないことから、DC投資も既に一巡しているとみられるため、本格的に海外展開するなどしない限り大した資金需要も無いものとみられます。

 

*参考記事① 2021-09-22 3,690円 OP

【3180】ビューティガレージ/トップライン成長が全てを癒す、美容ディーラー首位も視野へ。

 

*参考記事② 2020-10-02  2,928円 OP

【3180】ビューティーガレージ/非対面EC事業で新型肺炎は“追い風”、高い成長モメンタム続く。

 

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