【3180】ビューティガレージ(東証一部) OP
現在値 3,690円/100株 P/E 29.1 P/B 4.97 4月配当 株主優待あり
理美容機器や業務用化粧品を販売する専門商社。低価格に特徴。
配当(実績)は4月末一括の16円配当であり、配当利回りは0.43%となります。
ビューティガレージは株主優待制度を導入しており、2020年度の実績ベースでは、4,300円相当のホテル仕様バスタオルの進呈がありましたので、想定ベースの配当優待利回りは約1.59%となります。(なお、優待の獲得には1年以上の長期継続保有制限が課されています)
業績を確認していきます。
■2018年4月期 売上高 116億円、経常利益 6.5億円 EPS 75.1円
■2019年4月期 売上高 138億円、経常利益 6.4億円 EPS 59.8円
■2020年4月期 売上高 157億円、経常利益 7.4億円 EPS 64.5円
■2021年4月期 売上高 195億円、経常利益 10.8億円 EPS 104.3円
■2022年4月期 売上高 230億円、経常利益 13.0億円 EPS 126.5円 ce
□2021年7月1Q 売上高 53.7億円、経常利益 2.8億円 EPS 26.7円 (9/9)
□2021年10月2Q 売上高 108.4億円、経常利益 5.1億円 EPS 50.2円 ce
2021年4月期の売上高は前期比24.6%増の195億円、経常利益は同44.6%増の10.8億円での着地となり、トップラインから2割強の増収となり、売上・利益ともに期初計画を2度上方修正した上で、更に上振れして着地し大増勢となりました。主力の物販事業における会員数が同13.1%増の487千口座に増加したほか、継続購入する上顧客数も同30.0%増の44.6千口座へ増加モメンタムが加速しました。また、EC(PC+モバイル)の占有比も+180bps.の78.2%へ続伸したため生産性の改善が進んだものの、利幅の厚いPB商品の構成比の続落基調は止まっておらず、化粧品・材料を中心としたNB商品の構成比が続伸となるなど、売上ミックスにはやや課題を残す内容となりました。
進行期である2022年4月期の通期見通しについては、売上高が17.7%増の230億円、経常利益は20.8%増の13.0億円を予想しています。美容業界のデジタル化が進んでいることを背景にEC化率の続伸が見込まれ、引き続きECサイトのUI・UXの改善や物流面での投資を予定しているものの、力強いトップライン成長が全てを飲み込む形で年率2割程の増収・増益が維持される公算が高そうです。なお、9月9日に開示された1Q決算によれば、前年ハードルが低いので良くて当たり前であるものの、売上高は53.7億円&経常利益2.8億円と順調な進捗が確認されます。
進行期は5年中計の2年度目であり、最終年度である2025年4月期に売上高300億円(CAGR14%)・経常利益17.0億円(CAGR18%)を定めています。数値自体はかなり意欲的なものであり、①品揃・UI/UX改良によるEC拡充、②物流強化、③オムニチャネル化、④物件サポート、⑤MA等の外部成長、⑥海外展開の6項目を定性取組事項に掲げるとともに、基本的には①のEC拡大によるオーガニックな成長を志向しています。従来当社はサロン開業時等の中古機器販売業として認識されていましたが、化粧品類の構成比がついに5割を突破するなど、リカーリング売上比率が上昇しており、普段遣いのディーラーとして地位を日に日に高めています。
現状、当社は美容ディーラーとしては売上高で国内4位圏ですが、上位3社であるガモウ、きくや美粧堂、ダリアといった老舗ディーラー全て抜き去る公算が高く、首位のガモウこそ創業来44期連続成長を果たしているものの売上高は270億円程で実質横ばい成長が続いており、非対面ECに強みを持つ当社がこの新型肺炎禍のうちにシェアの浸食が一層進むと思われます。また、市中の飲食店の廃業続出にともない、サロンの独立・開業のハードルがかなり下がっていることから、中古機器販売も堅調に推移するとみられ、そうした観点でも当社には“追い風”の状況が向こう数期は続く可能性が高いことから、この意欲的な中計も十分達成可能であると考えています。
他方、株主還元については、2円増配の年16円を見込んでいます。2018年3月に主幹事であるSBI証券を相手先とするMSワラント(最大16.6億円)を発行し、相当程度の追加資本調達を済ませていることもあり、足許での自己資本比率は48%と盤石な状況を維持しており、当面の成長に死角の無い状況と考えています。
*参考記事① 2020-10-02 2,928円 OP
【3180】ビューティーガレージ/非対面EC事業で新型肺炎は“追い風”、高い成長モメンタム続く。
*参考記事② 2019-09-26 1,998円 NT
高成長続くも、追加の資金調達が課題・ビューティーガレージ(3180)。
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