【2768】双日(東証プライム) OP
現在値 2,350円/100株 P/E 6.3 P/B 0.68 3月配当 9月配当 株主優待なし
03年に日商岩井とニチメンが統合。自動車、航空、肥料に強み。持分で鉄鋼・LNG。
今期予想配当金は年2回・合計112円のため、配当利回りは約4.77%となります。
双日は株主優待制度を導入していません。
業績を確認していきます。IFRSとなります。
■2020年3月期 営業収益 17,548億円、最終利益 608億円 EPS 244円
■2021年3月期 営業収益 16,024億円、最終利益 270億円 EPS 112円
■2022年3月期 営業収益 21,007億円、最終利益 823億円 EPS 352円
■2023年3月期 営業収益 (非公表)億円、最終利益 850億円 EPS 368円 ce
□2022年6月1Q 営業収益 6,185億円、最終利益 451億円 EPS 195円(8/2)
□2022年9月2Q 営業収益 10,000億円、最終利益 400億円 EPS 173円 四e
2022年3月期の営業収益はYoY+31.1%の2兆1,007億円、最終利益はYoY3.0倍の823億円となり、2度の増額修正を上回って着地しました。一般炭権益の減損等の一過性損失▲131億円を計上があったものの、石炭・ニッケル・アルミの価格上伸で資源分野が全社収益を大きく押し上げたほか、合成樹脂・メタノール価格が堅調だった化学事業も好伸しました。非資源分野についても、海外自動車事業が数量増、双日建材も合板市況改善で寄与し、展開全セグメントで増益を果たしました。
進行期である2023年3月期の通期予想については、最終利益はYoY+3.2%の850億円と微増を見込みます。予算諸元については為替113→115円/$,原料炭317→280$/t、一般炭181→160$/t、で組んでおり、ウクライナ情勢によるロシア自動車影響を見込むほか、バッファを▲50億円積んでいるものの、インフラと資源で取り明けして増益予想となっています。尚、8月2日に開示済の1Qは最終利益YoY2.6倍の451億円、対通期予算進捗率53%と高水準で推移しており、特に一般炭を中心とした石炭価格高騰の継続や、傘下メタルワンやインフラが好調であり、予算据置もMtoM考慮で大きな上振れが予想されます。
進行期は3年中計の中間年度となっており、翌2024年3月期までの年平均最終利益を650億円(実績:270億円)、ROE10%+(実績:4.5%)、ROA3%(実績:1.2%)を目標とします。投資額は前回中計並みの3,300億円を計画しており、インフラ・ヘルスケアに約1,350億円、東南アジア等の成長市場に約1,100億円、リサイクル・新素材に約400億円を投じます。前々回中計(~FY2017)の投資によるトルコ病院事業等からの収入で+約85億円/y、前回中計(~FY2020)の投資による豪州クライナム炭鉱の数量増やベトナム製紙事業の軌道化の収入で+約140億円/y、今次中計(~FY2023 )の純増で+約150億円/yを見込みます。
終わった計画初年度において、インフラ分野では米国の省エネESCO、中東の天然ガス火力・淡水化、スペイン電力小売り等に約700億円を投じたほか、水産加工を手掛けるマリンフーズの全株取得、ベトナムでのビナミルク合弁、JALUXへのTOB等に約600億円を投じており、合計で約1,500億円の投資枠を既に消化しています。なお会社側からは、今次中計による+約150億円/yの利益上乗せについて「既に手応えがある」旨コメントしています。
また既存事業についても、高騰している石炭価格がある程度反落するという前提においても資源分野で約300億円/yの利益が見込まれるほか、安定的な化学事業の利益を約100億円/y、そのほか自動車事業等の合算で約200億円/yを積み上げるとすると、目標の650億円/yが視野に入る水準にあり、既に走破圏にあるものと解されます。
他方、株主還元については、今次中計期間では引き続き配当性向30%を基準としつつも、PBR1.0倍に至るまでは時価ベースDOE4%、PBR1.0倍超の場合は簿価ベースDOE4%(※配当利回り4%以上が下限保証)という新たな還元フォーミュラを定めています。現時点では年6円の増配となる年112円配当を見込んでいるものの、出来上がりの最終利益が900億円を超えてくる可能性が高いため、最低でも年120円配当までは増配される公算が高そうです。
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