【7167】めぶきフィナンシャルグループ/ 与信費用大幅減で増益予想、自社株買いを待ちたい。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7167】めぶきフィナンシャルグループ(東証プライム) OP

現在値 264円/100株  P/E 6.33 P/B 0.30  3月配当株主優待 9月配当 

傘下に地銀大手の常陽銀と足利銀。茨城と栃木でシェア首位。

配当は年2回・合計11円のため、配当利回りは約4.17%となります。
 

めぶきフィナンシャルグループは株主優待制度を実施しており、1年以上保有を継続する3月末の10単元株主に対して、2,500円相当の茨城・栃木特産品を進呈していますので、配当優待利回りは約4.92%となります。
 

業績を確認していきます。

■2020年3月期 経常収益 2,827億円、最終利益 363億円 EPS 31.1円 

■2021年3月期 経常収益 2,742億円、最終利益 364億円 EPS 31.5円

■2022年3月期 経常収益 2,680億円、最終利益 429億円 EPS 38.9円 

■2023年3月期 経常収益 (未定)億円、最終利益 450億円 EPS 41.6円 ce

□2022年9月2Q 経常収益 1,300億円、最終利益 240億円 EPS 22.2円 四e 


2022年3月期の経常収益はYoY▲2.4%の2,680億円、最終利益はYoY+17.7%の429億円となり期初予想を上回りました。法人向けは新型肺炎禍の資金繰りニーズが一巡したものの、個人向けの住宅・自動車ローンの増加でカバーし、末残はYoY+0.2%の11兆3,088億円となりました。他方、貸出金利回りはYoY▲2.1bp.の0.93%に更に落ち込み、預貸金利息差は▲9億円となりました。原価面については、予算上の与信費用200億円に対し196億円と計画線まで引当を入れ込んだものの、店舗網見直しによる人件費削減等で▲16億円削り、利益は2桁増を確保しました。


進行期である2023年3月期の予算については、トップライン未公表であるものの、最終利益はYoY+4.7%の450億円を予想しています。新型肺炎禍の一巡で法人向けが伸び悩むものの、住宅ローンの堅調推移が見込まれます。金利については依然として底這い圏も、与信費用はYoY▲86億円の110億円と大きな改善を見込み、日銀特別付利金も寄与します。また、終わった期末に減損認識したとみられる外債損失処理も剥落するため、ボトムラインで5%程の増益を確保します。

 

終わった期は3年中計の最終年度であり、最終利益470億円を目標としていたものの、急速な金利低下や外債減損等もあり、核店舗集中による店舗網(とコストの)削減は想定超だったものの、50億円程の未達となりました。今次策定の新中計では3年後の2025年3月期までに最終利益を429億円→520億円に引き上げるほか、コアOHR58%未満、ROE5.5%(実績4.3%)を目指すこととしています。

 

今次中計での主要な取組事項は①地域ビジネスの強化、②DX等による高度化、③人材育成の3点が挙げられています。住宅ローンを中心に高金利貸付の期日満了にともなう借り換えと金利漸減が想定されるものの、足許の金利動向には底打ち感がみられるほか、当社の拠点エリアである茨城県(特に県南)は郊外化も相俟って人口増が顕著なため、貸出金数量増による穴埋めが期待されます。2020年に常陽銀・足利銀の基幹システム統合を済ませたほか、店舗網再構築(リストラ)が終わっているため、向こう3年は本業の深堀りを進める方針です。

 

他方、株主還元については総還元性向30%基準に則って年11円(配当性向26.8%)の据置を見込んでいます。昨今の地銀業界の還元強化状況を鑑みると物足りない水準であり、本決算時の自社株買い不発も想定外だったため、増配ないしは自社株買いを待つ格好となります。

 

*参考記事① 2022-03-04  260円 OP

【7167】めぶきフィナンシャルグループ/与信費用が保守的に高水準だが、上振れ着地が濃厚。

 

*参考記事② 2021-09-18  261円 OP

【7167】めぶきフィナンシャルグループ/与信費用保守的で上振れ余地、5%の自社株買いは評価。

 

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