【7167】めぶきフィナンシャルグループ(東証一部) OP
現在値 261円/100株 P/E 7.7 P/B 0.28 3月配当株主優待 9月配当
傘下に地銀大手の常陽銀と足利銀。茨城と栃木でシェア首位。
配当は年2回・合計11円のため、配当利回りは約4.21%となります。
めぶきフィナンシャルグループは株主優待制度を実施しており、3月末の10単元株主に対して、2,500円相当の茨城・栃木特産品を進呈していますので、配当優待利回りは約5.17%となります。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 経常収益 2,623億円、最終利益 430億円 EPS 36.6円
■2019年3月期 経常収益 2,881億円、最終利益 463億円 EPS 39.5円
■2020年3月期 経常収益 2,827億円、最終利益 363億円 EPS 31.1円
■2021年3月期 経常収益 2,742億円、最終利益 364億円 EPS 31.5円
■2022年3月期 経常収益 (未定)億円、最終利益 380億円 EPS 34.3円 ce
□2021年6月1Q 経常収益 700億円、最終利益 187億円 EPS 16.6円(8/5)
□2021年9月2Q 経常収益 (未定)億円、最終利益 200億円 EPS 17.9円 ce
2021年3月期の経常収益は前期比2.8%減の2,742億円、最終利益は同0.2%増の364億円となり、利益予算である330億円に対して過達となりました。新型肺炎禍による企業の資金繰りニーズの増加や個人の住宅取得増加により、末残は同2.9%増の11兆2,781億円(うち5,000億円が新型肺炎禍関連)と膨らんだ一方、貸出金利回りは同3.5bp.減の0.96%と漸減傾向に歯止めがかかりませんでした。また、予防的引当により与信費用が同33億円増の224億円と予算を上回ったものの、経営統合関連のシステム関連費用が剥落し、この経費削減により最終利益が押し上がりました。
2022年3月期の通期予算はトップライン未公表であるものの、最終利益は4.1%増益となる380億円を予想しています。低利回りによる資金利益の低調推移や、200億円と引き続き高水準の与信費用を見込んでいるほか、円債償還や投信解約利益縮小で有価証券利息も後退する見通しです。他方、シンジケートローンやMA等の役務提供の増加や、CG対応による政策保有株式の削減により株式売却益による上乗せが見込まれます。去る8月5日には1Qが開示されており、経常収益700億円&最終利益187億円とかなりの高進捗となっており、これは低水準の与信費用と株式売却益が大きく寄与しています。
進行中の2022年3月期は3年中計の最終年度となっており、最終利益470億円達成のほか、連結ROE5.0%、一過性費用除きのコアOHR60%を目標経営指標として掲げていますが、今の単年度予算を参照するに利益目標の達成は相当程度の上振れがあっても難しいものと解されます。中計中の取組事項は①地域コンサルティングの強化、②生産性向上、③働き方改革の3点が挙げられており、昨年1月の常陽銀・足利銀の基幹システム統合を契機にモデルの再構築を進めていく方針としていました。実際に経費削減効果は目標を超える▲51億円を実現したほか、店舗効率化も想定超の3割で完了しています。
然しながら、金利低下によるトップライン押し下げが痛打となっているような状況を埋め戻す迄には至らないほか、新型肺炎禍による資金繰り支援で与信費用はかなり抑えられている側面はあるものの、特に当社は比較的高い与信費用を引き当てていることから、伸び悩む格好となります。また地銀の投資論点のひとつである再編についても、首相退陣により一旦クールダウンする可能性も高く、統合によりこれ以上の売上増やコスト削減は望みずらいような状況です。なお、当社についてはSBI連合(新生銀含む地方創生パートナーズ陣営)ではなく、既提携先のりそなグループに近く、今後接近するとすればそちらの陣営になるものとみられます。
他方、株主還元については配当性向30%基準に則って年11円(配当性向31.8%)の据置を見込んでいますが、これとは別に160億円規模(5.17%)もの自社株買いを繰り出しており、総還元性向は73.9%にまで上昇する見通しです。これは中計に掲げるROE5.0%(直近実績3.8%)を意識した追加的還元とも解され、素直に高評価出来るものと考えています。
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