【7337】ひろぎんホールディングス(東証一部) OP
現在値 667円/100株 P/E 9.4 P/B 0.40 3月配当株主優待 9月配当
地銀上位の広島銀行が中核。預金シェア4割弱、貸出金3割半ば。
配当は年2回・合計24円のため、配当利回りは約3.60%となります。
ひろぎんホールディングスは株主優待制度を実施しており、3月末の単元株主に対して、2,500円相当の広島県等の特産品を進呈していますので、配当優待利回りは約7.34%となります。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 経常収益 1,249億円、最終利益 258億円 EPS 82.8円
■2019年3月期 経常収益 1,212億円、最終利益 255億円 EPS 82.2円
■2020年3月期 経常収益 1,271億円、最終利益 242億円 EPS 77.9円
■2021年3月期 経常収益 1,154億円、最終利益 215億円 EPS 69.3円
■2022年3月期 経常収益 (未定)億円、最終利益 220億円 EPS 70.8円 ce
□2021年6月1Q 経常収益 358億円、最終利益 71.1億円 EPS 22.8円(8/5)
□2021年9月2Q 経常収益 (未定)億円、最終利益 95.0億円 EPS 30.5円 ce
2021年3月期の経常収益は前期比9.2%減の1,154億円、最終利益は同11.1%減の215億円となり、減収減益ながら利益予算はピンポイント着地となりました。新型肺炎禍による企業の資金繰りニーズの増加もあり、貸出金平残は同4.5%増の6兆5,999億円と膨らんだ一方、事業性貸出金の利回りは同8bp.減の0.95%と下落した結果、単体のコア業務純益は同6.7%増の331億円となりました。また、飲食業・宿泊業を中心とした新型肺炎直撃業種をはじめ製造業等に対しても予防的な引当を実施し、与信費用が同68億円増の112億円と予算(45億円)を上回ったものの、最終的に有価証券売却等で辻褄を合わせたものとみられます。
2022年3月期の通期予算はトップライン未公表であるものの、最終利益は2.0%増益となる220億円を予想しています。資金利益は低利回りの影響継続が想定されるものの、地元4県の法人・個人の資金ニーズが根強いほか、与信費用も26億円減の85億円を見込んでいるため全社では増益予算となります(単体のコア業務純益は295億円)。去る8月5日には1Qが開示されており、貸出や手数料等の役務提供利益増加や、与信費用抑制により経常収益358億円&最終利益71億円と比較的高い進捗が確認されます。
当社は2020年10月に地元4県でのグループ価値最大化を志向し、旧広島銀行から持株会社体制に移行しています。その際に開示された3年中計によれば、最終年度の2022年3月期に最終利益270億円超(当初242億円)に引き上げるほか、連結ROE5.0%超(同5.0%)、自己資本比率10.0%超(同10.8%)、グループ会社寄与度12%超(同7.5%)を目指すこととしています。中計中の取組事項は①法人・個人コンサルティング強化、②グループ会社活用等となっており、非金融事業の強化も含め目指しドラスティックな人材配置の見直し等を実施します。
①のコンサル強化については、相続やエクイティビジネス、再開発支援・観光振興を重点注力分野としており、地域DMOである瀬戸内ブランドコーポレーションに代表者を送り込むとともに、再開発案件に源流段階から入り込み、実際に再開発案件であるヒルトン広島を2022年度に竣工させる予定となっています。また②については、データ利活用の推進を図り、カードローンマーケティングのAI活用といったものから、マネーフォワードとの協業による非対面決済ツールである「ひろぎんBill」を開発し、本年4月にリリースするなどしています。
他方、株主還元については配当性向31~35%基準に則って年24円(配当性向33.8%)の据置を見込んでいます。当社の配当方針は年18円の安定配当部分と、その他は業績連動配当部分(今回は年6円)の組み合わせとなっているため、終わった2021年3月期は所定の“配当目安テーブル”によれば最後まで年21円配当に減配されるリスクが燻っていたことになります。また、進行期についてはテーブルのレンジが変わる(3円増配の年27円配当)には240億円の最終利益が必要となるため、ややハードルが高い印象です。
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