【7167】めぶきフィナンシャルグループ(東証一部) OP
現在値 260円/100株 P/E 7.59 P/B 0.28 3月配当株主優待 9月配当
傘下に地銀大手の常陽銀と足利銀。茨城と栃木でシェア首位。
配当は年2回・合計11円のため、配当利回りは約4.23%となります。
めぶきフィナンシャルグループは株主優待制度を実施しており、1年以上保有を継続する3月末の10単元株主に対して、2,500円相当の茨城・栃木特産品を進呈していますので、配当優待利回りは約5.19%となります。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 経常収益 2,623億円、最終利益 430億円 EPS 36.6円
■2019年3月期 経常収益 2,881億円、最終利益 463億円 EPS 39.5円
■2020年3月期 経常収益 2,827億円、最終利益 363億円 EPS 31.1円
■2021年3月期 経常収益 2,742億円、最終利益 364億円 EPS 31.5円
■2022年3月期 経常収益 5,500億円、最終利益 380億円 EPS 34.5円 ce
□2021年9月2Q 経常収益 1,340億円、最終利益 247億円 EPS 22.1円
□2021年12月3Q 経常収益 2,013億円、最終利益 384億円 EPS 34.6円(2/4)
2021年9月中間期の経常収益はYoY+0.4%の1,340億円、最終利益はYoY+14.2%増の247億円で進捗し、予算比は無いものの高進捗となりました。法人向けは新型肺炎禍の資金繰りニーズが反落したものの、個人向けの住宅ローンや無担保ローンの増加でカバーし、末残はYoY+0.6%の11兆1,410億円となりました。他方、貸出金利回りはYoY▲1.9bp.の0.94%と続落しており、利回りを数量で埋めた格好となります。原価面については、予防的観点から与信費用を高水準で維持させているものの、上期実績はYoY▲5億円の83億円となったほか、店舗網見直し等のコスト削減で更に▲5億円削っており、利益は2桁増となりました。
なお2022年3月期の通期見通しは据え置いており、トップライン未公表であるものの、最終利益はYoY+4.1%の380億円を見込んでいます。期を通じて200億円と引き続き高水準の与信費用を見込んでいるものの、既開示の3Q時点では105億円で進捗しているため、期末に引当を積み増したとしても余る見通しです。また、シ・ローンやデジタル化支援、MA等のビジネスマッチングといった役務提供の増加や、想定超の構造改革進捗によるコスト削減も寄与することから、低調な有価証券運用(円債償還、投信解約利益縮小)を飲み込んで、上振れ着地となる公算が高そうです。
進行中期は3年中計の最終年度となっており、最終利益470億円達成のほか、連結ROE5.0%、一過性費用除きのコアOHR60%を目標指標として掲げていますが、上述のとおり上振れたとしても、追加的な有価証券売却益の計上が無い限り、達成はやや難しいとみられます。取組事項は①地域コンサルティングの強化、②生産性向上、③働き方改革の3点が挙げられており、2020年1月の常陽銀・足利銀の基幹システム統合を皮切りに、バックオフィスの効率化や、核店舗への人員集中による店舗網削減も想定超(店舗数は中計前の62%)のペースで進捗しているため、年間のコスト削減は▲60億円程に達しているとみられます。
依然として住宅ローンを中心に高金利貸付の期日満了にともなう借り換えにより、金利低下圧力はあるものの、低下幅はかなりマイルドになっているほか、特に茨城県南(つくば以南)における人口増が顕著なことから、貸出量増加による下支えが期待されます。また、当社は新型肺炎禍による貸倒を保守的に見込んでおり、他行比でも高い与信費用を引き当てていることから、翌期以降はこれが軽減する見通しです。なお、目下策定中の次期中計においては、①ローコスト運営、②コンサルティング拡充、③新事業発掘・育成が取組の柱となっている模様です。
他方、株主還元については配当性向30%基準に則って年11円(配当性向31.8%)の据置を見込んでいますが、これとは別に160億円規模(5.17%)もの自社株買いを繰り出しており、総還元性向は73.9%にまで上昇する見通しです。これは中計に掲げるROE5.0%(直近実績3.8%)を意識した動きとみられますが、踏み込んだ還元策であり、評価出来るものと考えています。
*参考記事① 2021-09-18 261円 OP
【7167】めぶきフィナンシャルグループ/与信費用保守的で上振れ余地、5%の自社株買いは評価。
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