【3548】バロックジャパンリミテッド(東証プライム) OP
現在値 824円/100株 P/E 16.7 P/B 1.51 2月配当株主優待 8月株主優待
若い女性向けの衣料、服飾雑貨SPA。多品種小ロット、中国･日本が二本柱。
配当は2月一括の年38円配当のため、配当利回りは約4.61%となります。
バロックジャパンリミテッドは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の単元株主に対して2,000円分の買い物券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約9.46%となります。
業績を確認していきます。
■2020年2月期 売上高 658億円、経常利益 45.8億円 EPS 79.2円
■2021年2月期 売上高 505億円、経常利益 11.8億円 EPS 10.4円
■2022年2月期 売上高 591億円、経常利益 28.4億円 EPS 40.8円
■2023年2月期 売上高 633億円、経常利益 30.8億円 EPS 49.2円 ce
□2022年5月1Q 売上高 140億円、経常利益 8.3億円 EPS 11.0円(7/15)
□2022年8月2Q 売上高 280億円、経常利益 8.0億円 EPS 11.1円 四e
2022年2月期の売上高はYoY+16.9%の591億円、経常利益はYoY2.4倍の28.4億円となり売上は若干の未達も、利益は上振れしました。3Qまで好調だった国内事業は、オミクロン株拡大の影響で最後に失速したものの、EC売上が同+10.1%まで拡大し、ほぼ見通し水準を確保しました。ブランド別では百貨店向けの「EMFOLD」や「STACCATO」が顕著に回復し、SC向けの「MOUSSY」も堅調だった一方、FB/SB向けの戻りが鈍くなりました。なお、海外事業については、中国JV売上高が同+17%増の74.1億円となり、出退店についても国内が純減3店だった一方、海外は純増33店と増店しています。
2023年2月期の予算については、売上高はYoY+7.2%の633億円、経常利益はYoY+8.5%の30.8億円を予想しています。国内事業については、好調な百貨店向けと「MOUSSY」の戻りを織り込んで売上前提を110％水準で見込むほか、中国事業については新型肺炎禍影響を織り込む一方、出店については30店程の純増を見込みます。なお、7月15日に開示済の1Qの売上高は140億円、経常利益は8.3億円で進捗しており、低調な中国事業と好調な米国事業に入り繰りはあるものの、概ね計画線での進捗が確認されます。
当社は従前中計で2024年2月期に売上高1,000億円(CAGR10%)、経常利益は87億円(CAGR17%)を目指していた経緯があるものの、実態乖離拡大のため数値目標のない3年間の“つなぎ中計”に切り替え、2021年10月に開示しています。計画上はトップライン伸長を二の次とし、アパレル企業から付加価値型企業への転換を図る方針であり、2024年2月期の目標KPIとして営業利益率7.5～8.0%、在庫回転率5.5～6.0回転、海外年20店増店＆30ヵ国展開、ROE13～15%を改めてガイドしています。
国内事業はSSS至上主義を取り止め、採算性重視でブランドと店舗の“選択と集中”を進めるとともに、SNS系カリスマ店員による発信強化するなど、利益の出やすい筋肉質な体制構築を図ります。海外事業については、ラグジュアリー市場が世界的に急回復していることから、特に米国を成長市場として位置づけ、Saks Fifth AvenueやNordstromといった高級百貨店への卸販売強化(特にハイエンド向けの日本製デニム)により、米国富裕層の取込拡大を図ります。
中国事業については、足許では新型肺炎再拡大の影響を受けているものの、現地イコールパートナーの靴小売大手の百麗国際とともに、専ら増店による成長を目指します。また、ECについてはTikTok、小紅書(RED)など新たな販売チャネル拡大にも注力しており、足許のEC売上高はYoY3割超の増加をマークしています。
株主還元については、従来の配当フォーミュラである配当性向の30～40%を取りやめ、向こう3年程は年38円の安定配当方針としています。足許時点の自己資本比率は依然として50%と安全域を確保しているほか、大株主のファンドとの兼ね合いもあるため、業績の如何によらず年38円の配当水準が下限としてワークするものと解されます。
*参考記事① 2022-01-18 895円 NT
【3548】バロックジャパンリミテッド/業績目標無し中計にロールするも、配当下限38円をガイド。
*参考記事② 2020-06-23 639円 NT
【3548】バロックジャパンリミテッド/新型肺炎後の中国出直り鮮明も、大幅減配は不可避か。
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