【2972】サンケイリアルエステート投資法人(東証REIT) NT
現在値 95,400円/1株 P/E 17.0 P/NAV 0.77 2月分配 8月分配
サンケイビルをスポンサーとする総合型。オフィスビル8割、その他サブアセットが2割。
予想分配金は2月末・8月末の年2回合計5,359円配のため、分配金利回りは約5.62%となります。
業績を確認していきます。
■2020年8月期_第3期 営業収益 20.5億円、経常利益 9.0億円 DPU 2,532円
■2021年2月期_第4期 営業収益 21.4億円、経常利益 10.1億円 DPU 2,849円
■2021年8月期_第5期 営業収益 21.7億円、経常利益 10.1億円 DPU 2,862円
■2022年2月期_第6期 営業収益 27.7億円、経常利益 13.9億円 DPU 2,983円
□2022年8月期_第7期 営業収益 29.9億円、経常利益 14.5億円 DPU 3,120円 ce修正
□2023年2月期_第8期 営業収益 27.7億円、経常利益 10.4億円 DPU 2,239円 ce
2022年2月期_第6期の営業収益は第5期比27.7%増の27.7億円、経常利益は同37.2%増の13.9億円、分配金は同117円増の2,979円となり、直近見通しを上回って着地しました。昨年9月に実施した2nd_POで新規4物件(総額251億円/鑑定NOI4.4%)を取得したことによる収益上乗せや、東陽町の賃発早期化により増収したほか、利益面についても水道光熱費の増加が想定超となったものの、修繕送りや融資関連費用の剥落により大幅増益となりました。
進行期である2022年8月期_第7期の見通しも修正しており、営業収益が第6期比7.8%増の29.9億円(従予:28.0億円)、経常利益は同4.7%増の14.5億円(従予:12.6億円)、分配金は同141円増の3,120円(従予:2,703円)に修正しています。品川TSのソニーが3月末で7枚解約となるものの、一過性の違約金(3.4億円)を受領するほか、東陽町や大森の埋め戻しも寄与し、実態とは異なり増収見込みとなります。利益面については、2021年取得物件の固都税費用化開始と、猶予洗替の発生による税負担正常化が重しとなるものの、トップラインで受ける違約金寄与があまりに大きく、結果として増配予想となります。
今回公表された翌2023年2月期_第8期の営業収益は、第7期比7.5%減の27.7億円、経常利益は同28.3%減の10.4億円、分配金は同881円減の2,239円と大幅な減収減益・減配を予想しています。品川TSのソニーの先行解約床の7枚の賃料フル剥落、違約金剥落影響が非常に大きな減収要因となるほか、ブリーゼタワーのDTも響きます。他方、ソニーの原状回復工事収入(1.8億円)があるものの、収支上はほぼトントンとなります。
本法人は昨年9月に2nd_POを実施しており、約133億円(@121,327円)を調達しています。取得は全4物件251億円(均し鑑定NOI4.4%)であり、品川シーサイドTSタワー109億円(持分25%/鑑定NOI3.9%)と筆頭に、日立九州ビル100億円(鑑定NOI4.8%)、S-GATE赤坂14億円(持分20%/鑑定NOI3.3%)、宮崎台ガーデンオフィス28億円(鑑定NOI5.0%)を取得しています。
当法人は中期目標として、2022年頃のAUM2,000~3,000億円到達とFTSE EPRA/NAREIT組入れを目指していました。AUMは依然1,000億円弱と遅れているものの、EPRA/NAREITには昨年末に組入れを達成しています。然しながら今般、旗艦物件である品川TSでキーテナントであるソニーが2022年3月末に7枚解約、翌2023年3月末に14枚解約となったことから、投資法人の利益の約3割強が吹き飛ぶ事態となりました。そのため、巡行分配金は既に2,000円を切っているとみられるほか、直近POで持分を追加取得した矢先の大型解約はインプレッションが悪く、POによる外部成長期待は大きく後退したようにみえます。
*参考記事① 2020-12-09 95,100円 OP
【2972】サンケイリアルエステート投資法人/依然として内部成長余力は大きく、ホテル賃料も確保。
*参考記事② 2020-06-17 99,100円 NT
【2972】サンケイリアルエステート投資法人/パイプライン物件山積みで、あとは株価回復待ち。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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