DgS11社株価レビュー(2022年7月)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_7959.jpg

ドラッグストア(DgS)11社の株価をレビューします。商号前の符号(◎〇▲△×)は投資魅力度ですが、競馬予想感覚で適当に付しております。詳細は以下の通り。

 

〇サンドラッグ(9989) 3,005円

店舗数の伸びが鈍いものの、都心型店舗が多いのでインバウンドの戻りが期待できる。化粧品等の売上割合が高い一方、食品売上割合が低いため、仕入価格高騰や電気代上昇影響を受けにくいディフェンシブ性あり。また都心店舗が多いため、人口減少影響を受けにくい点についても高評価。中長期的には被買収候補としての再編期待も。

 

△マツキヨココカラ&カンパニー(3088)5,460円

都心店舗多く、インバウンド回復ならド本命。食品構成比が相当低く、化粧品構成比が非常に高いのが特徴、食品仕入価格高騰や電気代上昇に耐性が強い。ココカラとのシナジー本格発現で利益率の改善傾向も明らか。しかしながら当社特有の個別ファクター効果が効いており、足許の株価見直しが進んでいることから、株価的では妙味薄。

 

×アインホールディングス(9627) 7,210円

Dgsというより調剤薬局。2014年の基本料3制定からの相次ぐ診療報酬改定で、調剤報酬は加点低下を受けてきたものの、薬剤師過剰化が進めば採用面では追い風か。株価は安くない。

 

◎ウエルシアホールディングス(3141)2,672円

イオン系DgSで調剤併設率8割(売上構成比2割)と高い。コクミン買収で希少な駅前店舗を確保。CFSコーポレーション、寺島薬局に代表される大型のMAに定評があり、積極的な規模拡大志向により株式市場では成長力がプレミアム評価されてきたが、足許株価は大きな調整を強いられており、株価面では妙味が出てきた。

 

▲ツルハホールディングス(3391)7,200円

ウエルシア同様に積極的なMA、出店によるスケール化に特徴も、既存店売上の苦戦もあり伸び悩みが鮮明。JR九州から九州圏でシェアを持つドラッグイレブンを買収したものの、売上高500億円・営業利益10億円で無視できるような収益インパクトしかない。既存店底入れの見極めが重要だが、こと株価的にはMSCI除外もあり先行して大きく調整が進んだ。配当性向50%+基準を設け、底練りからの反転・上昇機運が高まる。

 

△クリエイトSDホールディングス(3148)2,978円

神奈川県地盤。現状3割後半に過ぎない調剤薬局の併設を進める。立ち位置が中途半端であり、クスリのアオキと同水準のスケール感ながら積極的な拡大意向は感じられない。山本一族によりオーナー系企業であり、いずれ山本家のシェアが放出されてどこかの大手に合流する公算が高いとみるが、現状はその兆しなし。株価はフェアバリュー。

 

×コスモス薬品(3349)12,770円

九州の雄。食品構成比が異様に高く、食品売上高は専業スーパー大手であるベルクやいなげやを抜き、ヤオコーやヨークベニマルに迫る水準。販管費率、人件費率の低さは群を抜いているものの、逆に言うとバッファーが少ない。今後は食品仕入価格の高騰や電気代の上昇が影響を大きく受けることから、以前のような“無双状態“はイメージできない状況。株価は大幅調整から出直り基調にあるが、特段の割安感を見いだせない。

 

〇カワチ薬品(2664)2,116円

北関東地盤で河内一族のオーナー企業。食品売上高比率高いものの、店舗数が300程とバイイングパワーも限られるため、食品仕入価格の高騰が大きく直撃する。それでも精肉取扱い強化(電気代上昇要因)など生鮮食品強化路線を打ち出しており、基本的に苦しい展開が続く構図。規模が非常に中途半端なので、中長期的には淘汰(被買収)の本命格。

 

△クスリのアオキホールディングス(3549)5,740円

食品構成比が高いわりに企業規模が小さいため、カワチ薬品同様の苦しさがある。地盤の北陸エリアから版図拡大を目指しており、東北や北関東ではDgSではなく食品スーパーの買収に動くなど、ウイングの拡大に意欲的。イオンが筆頭株主で10%程の持分を握るほか、ツルハも5%程保有しており、DgS業界の両雄相乗り状態だが、資本関係は硬直か。

 

×Genky DrugStores(9267)3,295円

福井地盤で食品構成比が高く、企業規模が小さいため、上述のカワチ薬品やクスリのアオキと同様に構造苦の展開。セントラルキッチンによる独自路線など特徴あるも、弱小勢力ながらディスカウンターという位置付けなので、値引等が恒常化しており、利益率の急速な悪化が想定される。資材価格高騰で出店も進まず、手詰まり感が強め。中長期的には被買収候補。

 

▲スギホールディングス(7649) 5,810円

東海地盤の業界5位。調剤割合高く、診療報酬改定影響を受けるが、化粧品などでカバー。食品売上割合も高くなく、都心店は他社よりも高額賃料の店舗(好立地)が多いため、インバウンド復活なら恩恵を受ける。アプリ展開が進んでいるためDXで独自性がある。株価も調整が進んでおり、そこそこ妙味がある水準。

 

以上、11社をレビューしました。また適当なタイミングで振り返りをしたいと思います。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ