【3169】ミサワ/足許は中計注文通りの進捗だが、船賃高騰と円安影響で業績可視性が低下。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3169】ミサワ (東証スタンダード) NT

現在値 620円/100株  P/E 7.6  P/B 1.51  1月配当 株主優待

『unico』ブランドで家具・雑貨など展開。20~30代の女性が顧客。
配当金は1月末の年10円配当で、配当利回りは約1.61%となります。

ミサワは株主優待制度を導入しており、1月末に3単元を保有する株主に対して、5,000円相当の商品を進呈しているため、配当優待利回りは約4.30%となります。なお、3年長期保有の場合は1単元保有でも進呈されるため、その場合の同利回りは約9.67%となります。

業績を確認していきます。当社は2023年1月期より新収益基準に移行します。

■2019年1月期 売上高 101.8億円、経常利益 3.5億円 EPS 23.0円 

■2020年1月期 売上高 111.7億円、経常利益 8.3億円 EPS 71.7円 

■2021年1月期 売上高 109.2億円、経常利益 8.8億円 EPS 86.9円 

■2022年1月期 売上高 116.2億円、経常利益 10.1億円 EPS 97.3円 

■2023年1月期 売上高 134.3億円、経常利益 8.8億円 EPS 81.2円 ce新収益

□2022年7月中 売上高 67.1億円、経常利益 4.6億円 EPS 42.1円 ce

2022年1月期の売上高はYoY+6.4%の116.2億円、経常利益はYoY+14.6%の10.1億円で着地し、売上は予算並みながらも利益は大幅過達となりました。前期は繁忙期の春先に実店舗の休業を余儀なくされたことから前年ハードルが特に低く、実店舗は大幅な反動増とななりました。また“巣ごもり特需”を満喫したECについても、旗艦の代官山店をECの発信拠点として位置づけ、逆O2O施策によるブランディング強化したこともあり、反動減もなく横ばい圏を確保しています。商品はペットボトル再生品の「LATLE」「REPLIK」を投入しています。


進行期である2023年1月期の予算については、売上高がYoY+15.5%の134.3億円、経常利益はYoY▲12.3%の8.8億円を見込んでいます。新収益基準移行により、純額計上していた顧客側・業者側の輸送費が売上と原価で両建て計上(+12億円増収)となるため、実質微増収の見通しとなります。引き続き、EC売上拡大のためのDX推進にかかる外部コンサル費用を織り込むほか、中国の協力工場の値上げや輸送費高騰、円安影響といった原価増を一定程度織り込んだ予算となっています。出店はゼロ想定も、実際は1~2店検討している模様です。


当社は約3年タームのローリング形式で中計を策定しており、3年後の2024年5月期の売上高を130億円、営業利益(経常利益も近傍値とみられる)を14.2億円を目標値として再設定しています。ロール前の数字が比較可能な2024年1月期の業績目標値で比べると、売上高は148億円(従:130億円)、営業利益は11.4億円(従:11.0億円)に修正されているものの、新収益基準移行によるトップライン嵩増しを割引考慮すれば、概ね1年前の成長カーブを計画上は維持しているようにみえます。

 

中計の取組事項は特段示されていないものの、店舗と連携したO2O施策の強化が主な内容になるとみられます。当社は競合のVEGA(3542)より実店舗が多いため認知度が高い一方、一等地出店による家賃負担の大きさがネックとなっていましたが、昨今は空床を抱えた商業施設側からの誘致により、家具本来の持ち味を生かせる広い床面積での出店が可能となっているほか、賃料削減がしやすくなっています。他方、中国工場での生産品も多く、ただでさえ嵩張る家具は史上空前の海上運賃の高騰と円安影響が直撃する公算が高く、この1年で中計計数の達成可視性は大幅に悪化したものと考えています。


一方、財務面については、自己資本比率が一番低かった20%台から足許63.8%水準まで急速に出直ってきています。そのため、終わった期の実績で2円増配の年10円とし、予想も横引いていますが、計算される配当性向は12.3%に過ぎないため、こちらは最終的に増配される公算が高いとみています。

 

*参考記事① 2021-05-22 690円 NT

【3169】ミサワ/DX投資で利益抑制も、実店舗増床機会到来で目先は一段良化。

 

*参考記事② 2020-06-05  567円 NT

【3169】ミサワ/新製品好調のほかEC化も進捗し、出直り急。

 

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