【3169】ミサワ/DX投資で利益抑制も、実店舗増床機会到来で目先は一段良化。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3169】ミサワ (東証一部) NT

現在値 690円/100株  P/E 10.5 P/B 2.16  1月配当 株主優待

『unico』ブランドで家具・雑貨など展開。20~30代の女性が顧客。
配当金は1月末の年8円配当で、配当利回りは1.16%となります。

ミサワは株主優待制度を導入しており、1月末に3単元を保有する株主に対して、5,000円相当の商品を進呈しているため、配当優待利回りは約3.57%となります。なお、3年長期保有の場合は1単元保有でも進呈されるようになるので、その場合の同利回りは約8.40%となります。

業績を確認していきます。
■2018年1月期 売上高 91.9億円、経常利益▲0.9億円 EPS▲44.8円 

■2019年1月期 売上高 101.8億円、経常利益 3.5億円 EPS 23.0円 

■2020年1月期 売上高 111.7億円、経常利益 8.3億円 EPS 71.7円 

■2021年1月期 売上高 109.2億円、経常利益 8.8億円 EPS 86.9円 

■2022年1月期 売上高 117.2億円、経常利益 7.5億円 EPS 65.3円 ce

□2021年7月中 売上高 58.6億円、経常利益 3.8億円 EPS 33.1円 ce

2021年1月期の売上高は前期比2.2%減の109.2億円、経常利益は同6.2%増の8.8億円で着地し、期中で予算を大きく下方修正していたものの、終わってみれば利益は期初予算を超過する格好となりました。不採算店舗5店の閉鎖によりトップラインは減少したものの、新型肺炎禍であっても休業した実店舗の売上減少をEC売上がカバーしたほか、緊急事態宣言後の実店舗売上も購入目的客の割合の増加で歩留まり(レジ客数)が想定超に良化しました。商品としてはコーデュロイ生地使用の「GREIGソファー」やベニオワレンラグをイメージした「SOLIBEラグ」を投入しています。なお、退店超過となったものの、アウトレット店と松山店についてはEC拡大を企図し、拡張・移転しています。


進行期である2022年1月期の見通しについては、売上高が7.3%増の117.2億円、経常利益は15.2%減の7.5億円を見込んでいます。増収予想の一方で減益となるのは、DX推進のため外部コンサルを活用した構造改革費用を見込むことが要因であり、EC売上拡大のためのサイト、アプリの強化にくわえ、BPO推進といったバックオフィスのコスト削減を進めることが要因となります。出店に関してはゼロ想定とするものの、旗艦の代官山店をでECの発信拠点として位置づけ、逆O2O施策によるブランディング強化によりECの売上増を図ります。


当社は約3年タームのローリング形式で中計を策定しており、3年後の2024年1月期の売上高を130億円、営業利益(経常利益も近傍値とみられる)を11.0億円を目標値として再設定しています。ロール前の数字が比較可能な2023年1月期の業績目標値で比べると、売上高は123億円(従:132億円)、営業利益は9.7億円(従:9.8億円)に修正されており、トップラインについては減少しているものの、利益については概ねインラインで推移しており、利益率の一段の良化が確認されます。

 

中計の具体策については特段示されていないものの、目下取組中のDX施策によるEC売上割合の向上や、実店舗と連携したO2O施策の強化が主な内容になるとみられます。商品については「unico Thumb」に代表されるオンライン限定レーベルの投入にくわえ、廃棄植物や廃棄野菜を再利用し、ペットボトルリサイクル糸を使用した「ECLE」シリーズを開発し、ESGニーズの取り込みを図っています。また当社は競合のVEGA(3542)より実店舗の売上が多いため認知度が高いという特徴がある一方、好立地店舗が多いため家賃負担も大きいという弱点があります。ただ目下の状況では、入居する商業施設でアパレル店の撤退が相次いでいることから、家賃交渉に留まらず好条件で増床出来る可能性が高いため、ECも実店舗も更に良化する公算が高いと考えています。


一方、財務面については赤字期が連続していたこともあり、利益剰余金が削られていましたが、自己資本比率は目先一番低かった20%台から52.3%水準まで急速に出直ってきています。そのため配当も据置の8円を予想していますが、これでも配当性向12%程で無理のない水準のため、今期業績の如何によらず守られる公算が高いと考えています。

 

*参考記事① 2020-06-05  567円 NT

【3169】ミサワ/新製品好調のほかEC化も進捗し、出直り急。

 

*参考記事② 2018-05-08  427円 N/R

2期連続の営業赤字計上で、財務が急悪化・ミサワ(3169)

 

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