【3169】ミサワ/新製品好調のほかEC化も進捗し、出直り急。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3169】ミサワ (東証一部) NT

現在値 567円/100株 PER8.5 PBR2.36 1月配当 株主優待

『unico』ブランドで家具・雑貨など展開。20~30代の女性が顧客。
配当金は1月末の年8円配当で、配当利回りは1.41%となります。

ミサワは株主優待制度を導入しており、1月末に3単元を保有する株主に対して、5,000円相当の商品を進呈しているため、配当優待利回りは約4.35%となります。なお、3年長期保有の場合は1単元保有でも進呈されるようになるので、その場合の同利回りは約10.22%となります。

業績を確認していきます。
■2017年1月期 売上高 81.4億円、経常利益▲2.1億円 EPS▲58.7円 
■2018年1月期 売上高 91.9億円、経常利益▲0.9億円 EPS▲44.8円 

■2019年1月期 売上高 101.8億円、経常利益 3.5億円 EPS 23.0円 

■2020年1月期 売上高 111.7億円、経常利益 8.3億円 EPS 71.7円 

■2021年1月期 売上高 117.6億円、経常利益 7.7億円 EPS 66.5円 ce

□2020年7月中 売上高 59.9億円、経常利益 3.9億円 EPS 33.4円 ce

2020年1月期の売上高は前期比9.7%増の111.7億円、経常利益は131.8%増の8.3億円で着地し、中間時点の増額修正値を更に超過して大増勢での着地となりました。無垢材フレームとフェザー入りクッションに特徴を持つ「TRELソファ」といった新商品が好調だったほか、在庫管理機能向上による“売り逃し”の抑制やEC売上の伸び、消費増税前の“駆け込み買い”といった複合要因で業績が伸長しました。出退店につきましては、ファブリック業態である「unico loom」自由が丘店の1店を閉店したため、前期末比の展開店舗数は純減1店の51店、その他飲食店舗3店となっています。


進行期である2021年1月期の予算について、売上高が5.3%増の117.6億円、経常利益は7.5%減の7.7億円を予想しています。実績期にみられた消費増税前仮需が剥落するほか、1店舗の閉店を予定しているものの、既存店の拡張移転や注力中のEC強化によりトップラインから続伸を見込んでいます。その一方、減益となるのは配送費上昇によるコスト増が通期で3億円程度見込まれるほか、EC強化によるIT周りの償却負担増加、人件費の増加などが主な要因となります。


当社は約3年タームのローリング形式で中計を策定しており、これまでのトラックによれば信頼度は極めて低いものの、3年後の2023年1月期の売上高を132億円、営業利益(経常利益も近傍値とみられる)を11.0億円を目標値として再設定しています。ロール前の数字が比較可能な2022年1月期の業績目標値で比べると、売上高は125億円(従:117億円)、営業利益は9.8億円(従:4.9億円)にそれぞれ増額されていることになります。

 

特に達成に向けた具体策は明示されていないものの、現状10%台前半に過ぎないEC化率の向上が主要施策になるものとみられ、本年2月よりオンライン限定レーベルである「unico Thumb」を投入するほか、アプリ拡充による実店舗との相互送客の強化にくわえ、足許ではキリンレモンやJINSとのコラボレーションによる“SNS映え”を意識したマーケティング戦略を実施しています。当社の場合は競合のVEGA(3542)あたりと比べると圧倒的に実店舗の売上構成比が高いものの、その分認知度が既に相当程度高いとみられるため、EC化による伸びシロがかなり残されているものと考えています。EC割合が増加し、家賃の高い好立地の実店舗が減れば固定費も落ちるので、利益率の一段と向上が見込まれることから、EC化率の伸びが重要指標になると考えています。


一方、財務面については赤字期が連続していたこともあり、利益剰余金が削られていましたが、自己資本比率は目先一番低かった20%台から38.7%水準まで急速に出直っています。そのため配当も据置の8円を予想していますが、これでも配当性向12%程で無理のない水準のため、今期業績の如何によらず守られる公算が高いと考えています。

 

*参考記事① 2018-05-08  427円 N/R

2期連続の営業赤字計上で、財務が急悪化・ミサワ(3169)。

*参考記事② 2017-05-11 439円 UP

出口の見えないレッドオーシャンに突入、ミサワ(3169)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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