【3921】ネオジャパン(東証プライム) BY
現在値 1,052円/100株 P/E 17.0 P/B 3.02 1月配当優待 7月優待
企業や官公庁向けにクラウド/パッケージ型のグループウェアの販売。
配当は1月末一括の19円配当となっており、配当利回りは約1.81%となります。
ネオジャパンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する1月末・7月末の株主に対して500円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.75%となります。
業績を確認していきます。
■2020年1月期 売上高 37.4億円、経常利益 7.1億円 EPS 33.3円
■2021年1月期 売上高 53.2億円、経常利益 9.4億円 EPS 45.5円
■2022年1月期 売上高 59.2億円、経常利益 13.6億円 EPS 58.1円
■2023年1月期 売上高 62.7億円、経常利益 13.5億円 EPS 61.7円 ce
□2022年4月1Q 売上高 14.9億円、経常利益 3.2億円 EPS 14.8円(6/10)
□2022年7月2Q 売上高 32.0億円、経常利益 7.7億円 EPS 34.9円 ce
2022年1月期の売上高はYoY+11.2%の59.2億円、経常利益はYoY+43.5%増の13.6億円となり、12月の増額見通し並みの水準で着地しました。クラウド型の「desknet’s NEO」を中心にユーザ数が増加し、同種製品の売上はYoY+15.1%となりました。一方で、従来製品のオンプレ型は商品ミックスの政策的変更により中小企業向けは減少傾向にあるものの、コストメリットが効きやすい大企業や官公庁向けに大きく伸長し、売上はYoY+11.2%と2桁成長を確保しました。なお、クラウド型+オンプレ型合計のユーザー数は438→462万人へと順調に積み上げています。
2023年1月期の予算については、売上高がYoY+5.9%の62.7億円、経常利益は変わらずの13.5億円を予想しています。クラウド型商品の成長率が引き続き年15%程度見込まれる一方、オンプレ型は大企業向け増収&中小企業向けで減収でネット横ばいを想定しています。他方、カスタム等の役務提供は反動減、開発事業は微増収の想定です。原価面では、人員増強(採用・昇給)・研究開発費増加を織り込むほか、前の期の一過性のカスタム業務剥落により利益率が悪化します。尚、6月10日に開示済の1Qは2桁に迫る増収をマークしており、バッファ含みの予算を鑑みれば通期で上振れ公算が高そうです。
当社は中計等を開示していないものの、会社側では2030年を目途に「シェアNo.1、ユーザー1,000万人、年商100億円」を長期的な目標感としています。グループウェア市場は依然年率10%弱の割合で成長を続けて、市場規模は3,000億超まで達する見通しです。Microsoft(office365、teams)やGoogle(Workspace)の大企業向けクラウド型商品や、中小企業向けを得意とするサイボウズ(ガルーン)が競合となります。当社は安さを武器に中小企業向けのクラウド型を深耕しつつ、各社撤退の進むオンプレ市場で残存者利益獲得を図る二正面作戦を採っています。特に価格コンシャスの官公庁は1,000以上の自治体で採用されており、3分の1と相当なシェアを握っています。
プロダクトの高度化については、同じく横浜・みなとみらいに本社を置くSIerのアイネット(9600)と提携し、学校向けのDXサービスとして対保護者間連絡サービス「ChatLuck SC」を開発しています。海外展開については、販売パートナーを活用する形で日本と商習慣の近いとされるマレーシアと、タイ王国に進出を果たしているほか、米国進出を視野に入れています。数年後は国内市場が頭打ちになるとみられるため、早い段階で海外深耕が期待されるものの、まだ数字としては殆ど顕在化してきていない印象です。
財務状況については、実質無借金状態が継続しており、ネットキャッシュ約35億円のほか有価証券(債券)を13億円超保有しています。他方、株主還元については、この6月に配当性向を20%→30%に変更しており、5円増配となる年19円に修正しています。業績好調ながら足許の低調な株価を意識してのことなのか、株主還元強化の動きが強くなっています。
*参考記事① 2021-11-26 1,385円 NT
【3921】ネオジャパン/在宅勤務増加を追い風に安定成長、今期も上振れ圏。
*参考記事② 2021-05-29 1,731円 NT
【3921】ネオジャパン/向こう3年は2桁成長が期待され、採算性改善も想定超か。
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