【3921】ネオジャパン(東証一部) OP
現在値 1,385円/100株 P/E 30.3 P/B 4.33 1月配当優待 7月優待
企業や官公庁向けにクラウド/パッケージ型のグループウェアの販売。
配当は1月末一括の12円配当となっており、配当利回りは約0.87%となります。
ネオジャパンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する1月末・7月末の株主に対して500円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.58%となります。
業績を確認していきます。
■2019年1月期 売上高 26.6億円、経常利益 5.4億円 EPS 25.8円
■2020年1月期 売上高 37.4億円、経常利益 7.1億円 EPS 33.3円 連
■2021年1月期 売上高 53.2億円、経常利益 9.4億円 EPS 45.5円 連
■2022年1月期 売上高 57.1億円、経常利益 9.8億円 EPS 45.6円 ce
□2021年7月期 売上高 28.4億円、経常利益 7.2億円 EPS 33.1円(9/14)
2021年7月中間期の売上高は前年同期比8.4%増の28.4億円、経常利益は同23.5%増の7.2億円となり、公表予算との比較は無いものの順調でした。クラウド型の「desknet’s NEO」を中心にユーザ数が増加し、同種製品の売上は同14.4%増となりました。一方で、従来製品のオンプレ型はこの政策的な商品ミックスの変更により減少基調にあるものの、2Q単独期間で大型案件が乗って同2.5%増となり、クラウド型を上回りました。なお、クラウド型+オンプレ型合計のユーザー数は上期で4,226社→4,341社へと順調に積み上げています。
2022年1月期の通期見通しについては、期初のものを据え置いており、売上高が7.4%増の57.1億円、経常利益は同3.3%増の9.8億円を予想しています。クラウド型商品が15%程度伸長することが見込まれる一方、プロダクト型は大規模事業者向けで増収、中小規模事業者向けは縮小想定ためセグメントでは微増収を見込んでいます。また、開発事業についても新型肺炎禍からの反動により同じく微増収想定です。原価面では、前期より本格化させたイベントや新聞広告等のプロモーション費用や人員増強・研究開発費の増加を前提としていますが、下期はさほど積み増す予定がないとみられることから、上期進捗を踏まえると利益は上振れる公算が高そうです。
当社は中計を開示していないものの、会社側が目標感としてコメントしていた「2021年1月期までの4年間で売上高・利益ともに倍増」については、無事過達となりました。買収効果による上乗せ効果や新型肺炎禍によるテレワーク需要増加による追い風効果があったものの、最後は臨時賞与で数字を潰した上での上振れ着地だったので実態はかなり強いものであったと考えています。
足許時点でも中計等は非開示であるものの、会社側では2030年を目途に「シェアNo.1、ユーザー1,000万人、年商100億円」を目標感としています。グループウェア市場は2024年迄年率10%弱の割合で成長し、市場規模は3,000億超まで到達するとみられますが、MicrosoftやGoogleの大企業向けクラウド型商品や、中小企業向けを得意とするサイボウズが競合となります。その中で当社は圧倒的な安さを武器に中小企業向けのクラウド型を深耕するとともに、競合が撤退している大企業向けにも廉価なプロダクト型の提供で残存者利益の確保を図っており、特に大規模で価格訴求も効きやすい行政関連の受注獲得が進んでいます。
2019年にはSIerのPro-SPIRE社を5.2億円で買収し、年商20億円分が上乗せされています。今後はサービス導入にかかるSIやCI(クラウドインテグレーション)等の受注によるシナジーや、開発段階から同社エンジニアを参画により高度化・合理化を図ります。また海外展開については、海外販売パートナーを活用する形でマレーシアと、タイ王国に進出を果たしているほか、市場情報収集中であるものの、米国進出を視野に入れています。数年後は国内市場が頭打ちになるとみられるため、早い段階で海外深耕が期待されるものの、未だ全社の数字に貢献出来ているような段階ではなさそうです。
財務状況については、実質無借金状態が継続しており、ネットキャッシュ約35億円のほか有価証券(債券)を13億円超保有しています。他方、配当については1円増配と年12円と連続増配を公表しており、配当性向も22.5%→24.1%→26.3%/予、と漸増させていることから、足許ではやや株主還元強化の意向が見て取れます。
*参考記事① 2021-05-29 1,731円 NT
【3921】ネオジャパン/向こう3年は2桁成長が期待され、採算性改善も想定超か。
*参考記事① 2020-11-25 2,441円 NT
【3921】ネオジャパン/テレワーク需要増で、中計は利益予算についても超過達成が視野に。
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