【3688】CARTA HOLDINGS(東証一部) OP
現在値 1,934円/100株 P/E 12.1 P/B 1.77 6月優待 12月配当優待
ネット広告関連事業運営。19年初にサイバー・コミュニケーションズ(CCI)と合併。電通傘下に。
配当金は年2回・合計54円配当のため、配当利回りは2.79%となります。
CARTA HOLDINGSは株主優待制度を実施しており、6月末・12月末時点の単元株主に対し、"nanaco"や"WAON"等に交換可能な1,000円相当のギフトコードを進呈しておりますので、単元保有時の配当優待利回りは約3.82%となります(※3年以上継続保有で1,500円に増)。
業績を確認していきます。
■2018年9月期 売上高 285億円、営業利益 14.2億円 EPS 93.6円
■2019年12月期 売上高 261億円、営業利益 38.3億円 EPS 94.2円 変則15m
■2020年12月期 売上高 224億円、営業利益 34.6億円 EPS 70.5円
■2021年12月期 売上高 258億円、営業利益 49.7億円 EPS 122.6円
■2022年12月期 売上高 283億円、営業利益 55.0億円 EPS 159.9円 ce
□2022年3月1Q 売上高 69.7億円、営業利益 15.4億円 EPS 77.0円(5/13)
□2022年6月2Q 売上高 140億円、営業利益 32.0億円 EPS 91.6円 四e
2021年12月の売上高はYoY+14.8%の258億円、営業利益はYoY+43.6%の49.7億円で着地し、2桁の増収増益を確保したほか、中間時点の増額見通し比でも上振れました。CCI中心のレップ等代理店事業については、ナショナルクライアントを中心に出稿意欲の早い回復がみられ、ブランド広告が高水準に推移しました。また、VOYAGE中心としたアドPF事業は、iOS14.5(所謂IDFA追跡許可)によるマイナス影響が限定的となり、注力中の「テレシー」への積極的な広宣費投入をこなして増収増益を確保しました。他方、「ECナビ」やゲーム関連のコンシューマー事業については、広告費投入により減益となりました。
進行期である2022年12月期の予算については、売上高がYoY+9.6%の283億円、営業利益がYoY+10.6%の55.0億円を予想しています。レップ等代理店事業については、昨年みられた広告出稿反動増の一服で高止まり状態が見込まれる一方、アドPF事業におけるテレビ広告運用事業「テレシー」については、ここ最近の積極的な広宣費積み増しもあり、認知度と出稿が飛躍的に増加していることから、全社業績牽引への期待がかかります。なお5月13日に開示済の1Q決算によれば売上高は69.7億円&営業利益15.4億円で進捗しており、広宣費増額起因の減益であることを鑑みればヘルシーな進捗と解されます。
2019年2月開示の4年中計によれば、この2022年12月期に売上高320億円(CAGR11%※実勢反映で260~280億円に減額予告あり)、修正EBITDA60.0億円(CAGR13%)を業績目標に定めていましたが、中計3年度目で最終目標を7億上回る67.0億円を確保して前倒し達成しています。そのため、進行期である最後の1年は一旦ロールする形で、修正EBITDA目標76億円を置き直しています。
今次中計期間においては、欧米を中心とした個人情報保護強化の潮流によるiOS14.5へのアップデートによる業績影響が大きく懸念されたものの、実際はごく限定的なものに留まったほか、Googleの「3rdPartyCookie」廃止も2023年後半に延期となり、従来型のアドPF事業が堅調に推移しました。また、100万円からTVCMを出稿出来る運用型のTVCM配信PFの「テレシー」が、従来型の運用型ネット広告の顧客であったゲーム業界やEC、スタートアップ界隈などにそのまま浸透しつつあり、足許1Qの売上高は直近QonQで+1.78倍(YoYは+490%)の15.3億円と爆発的な成長を遂げています。
当社は2019年にVOYAGE GROUPとCCIの統合により誕生し、CCIの完全親会社であった電通が持分の52.7%を握ることとなったため、事実上の電通グループ入りを果たしています。今次中計期間の取組事項のひとつでもあった、これら傘下の事業会社の統合により、管理部門の合理化等も進捗しています。今後は同じく電通のネット広告の“別動隊”として動くセプテーニが電通の連結子会社化となり、電通ダイレクトを完全吸収、電通デジタルを持分法適用(25%)としたことから、将来的には当社グループを含めたもう一段の再編が予期されます。
なお、株主還元については従来の配当性向25%方針から、DOE5%という踏み込んだ還元性政策に切り替えており、配当金は3円増配となる年54円配を予想しています(配当性向は28.9%)。
*参考記事① 2021-11-15 2,366円 OP
【3688】CARTA HOLDINGS/中計は1年前倒しが確実、セプテーニの動きに注目。
*参考記事② 2021-05-15 1,530円 BY
【3688】CARTA HOLDINGS/配当ポリシーをDOE5%基準に大拡充、猶予期間も解除。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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