【5965】フジマック/ホテル・外食向け低調も、食品工場向け堅調で業績戻り歩調。 | なちゅの市川綜合研究所

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【5965】フジマック(東証スタンダード) OP

現在値 736円/100株 P/E 11.6  P/B 0.50  12月配当優待 

総合厨房設備機器メーカーで、外食・ホテル等の大型設備に強み。工場分社化。
配当(実績)は12月末一括の年20円配当のため、配当利回りは2.72%となります。

フジマックは株主優待制度を導入しており、12月末時点で単元株を保有する株主に対し、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.07%となります。なお長期優遇制度もあり、1年以上の保有で1,000円分のクオカードが追加進呈されますので、その場合の配当優待利回りは、約5.43%まで利回りが上昇します。

業績を確認していきます。

■2019年3月期 売上高 368億円、営業利益 20.4億円 EPS 114.2円 

■2020年3月期 売上高 378億円、営業利益 17.6億円 EPS 84.6円 

■2020年12月期 売上高 214億円、営業利益 0.5億円 EPS 0.9円 変則9m

■2021年12月期 売上高 293億円、営業利益 7.7億円 EPS 49.5円 

■2022年12月期 売上高 325億円、営業利益 11.5億円 EPS 63.3円 ce

□2022年3月1Q 売上高 80億円、営業利益 4.1億円 EPS 28.7円(5/13)
□2022年6月2Q 売上高 164億円、営業利益 5.4億円 EPS 28.9円 ce


2021年12月期は12ヵ月決算復帰のため単純比較は出来ないものの、売上高はYoY+79億円の293億円、営業利益はYoY+7.2億円の7.7億円で着地し、期初予想を大きく上振れました。主力の業務用厨房の製販事業は、期初受注残高は40.6億円と低調であり、ホテル・病院・福祉施設向けが低調だったものの、中食や宅配関連需要が好調な食品工場向けが堅調に推移して想定よりも持ち直しました。


進行期である2022年12月期の予算については、売上高がYoY+10.6%の325億円、営業利益はYoY+48.8%の11.5億円を予想しています。外食やホテル、レジャー施設向けは引き続き戻りが鈍い状態ではあるものの、設備投資意欲の強い食品工場向けの下支えが見込まれ、期初の受注残高はYoY+65.8%の67億円まで積み上がっています。他方、部品の調達難による納品遅れや、部品高騰による値上げ転嫁の可否やタイムラグといった下押し要素も想定されるため、新型肺炎禍前の利益水準には届かない公算です。

 

当社は期間定めのある中計及び対応する業績目標を開示していないものの、定性的取り組みとして、①グループ各社の製造・販売・保守一貫サービス体制の構築、②アフターメンテ強化、③マーケット拡大、④製品改良、⑤海外部門強化の5点を掲げており、中長期的な目標感として、売上高400億円を目指しています。

 

具体的な取組として④については、従来型のステン系厨房機器に留まらない高機能商材の開発を進めています。省力化・省人化のための洗浄済食器自動仕分けロボ「フィニーボ」を開発したほか、大量の配膳・下膳作業が生じる病院・施設等での利用が想定される「自律移動搬送ワゴン」、食材や料理、厨房室内の温度管理にくわえ、従業員の健康管理まで出来る厨房内管理システム「キッチンリンク」、自動の日報・月報作成機能を実装した「キッチンリンク・クラウド」といった新商材の拡販を図っています。

 

⑤の海外部門強化については、昨年10月にマレーシアとフィリピンに現地法人を設立しており、主に日系企業向けに海外拡販を図る計画としています。国内についても新型肺炎禍で見送っていた展示会への出展を本格的に再開させており、開発した省人型・省力型の新製品を厨房設備機器展や、FOOMAJapan、HOSPEXといった見本市に出展させ、認知度向上と拡販を図る目論見です。


株主還元については、年20円配当(配当性向は31.5%)を据え置く見通しです。当社の時価総額は100億円程であるものの、ネットキャッシュ約50億円を抱える超好財務企業であり、低還元を続けてきたことから自己資本比率も55%と厚く、配当(優待)余力は引き続き確保出来ているものと考えています。

 

*参考記事① 2021-04-10 762円 OP

【5965】フジマック/新型肺炎禍で今期も均衡圏だが、好財務で配当・優待維持か。

 

*参考記事② 2020-09-09 615円 OP

【5965】フジマック/上顧客である外食業界の設備投資意欲が後退、事業環境好転待ち。

 

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