【3196】ホットランド(東証一部) OP
現在値 1,344円/100株 P/E 36.2 P/B 3.0 12月配当優待 6月優待
「築地銀だこ」、たい焼き「銀のあん」も展開。台湾、香港などアジアを軸に海外も。
配当は年5円のため、配当利回りは約0.37%となります。
ホットランドは株主優待を導入しており、6月末・12月末に単元株を保有する株主に対して、1,500円分の株主優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは2.60%となります。
業績を確認していきます。
■2018年12月期 売上高 317億円、経常利益 7.4億円、EPS▲36.8円
■2019年12月期 売上高 324億円、経常利益 16.0億円、EPS 35.1円
■2020年12月期 売上高 287億円、経常利益 12.0億円、EPS▲52.9円
■2021年12月期 売上高 296億円、経常利益 36.0億円、EPS 96.5円
■2022年12月期 売上高 320億円、経常利益 17.5億円、EPS 37.1円 ce
□2022年3月1Q 売上高 78.7億円、経常利益 10.4億円、EPS 32.1円(5/13)
□2022年6月2Q 売上高 146億円、経常利益 8.2億円、EPS 18.6円(7/30)
2021年12期の売上高はYoY+3.3%の296億円、経常利益はYoY3倍の36.0億円となり、売上は期初予想から大きく未達となった一方、利益は同3倍弱となりました。主力の「銀だこ」については、既存店売上高は98.5%となり、店内飲食型の「銀だこハイボール酒場」に代表される酒場業態が87.3%に落ち込んだものの、通常業態は100.0%を確保しました。テイクアウト構成比引き上げを図った酒場業態の新フォーマット導入も進み、「銀だこ」のテイクアウト:店内の構成比は3対1に拡大しています。利益については、臨時休店・時短営業にによる人件費や地代・家賃の受取助成金のほか為替ヘッジ益の計上により、経常利益段階から一過的に膨らんでいます。
進行期である2022年12月期の予想については、売上高がYoY+7.8%増の320億円、経常利益はYoY▲51.4%減の17.5億円を見込んでいます。出店については、駅中・駅ビル立地にくわえ、目下注力中のロードサイドでの出店を進めるほか、非たこ焼き業態の「油そば」や「野郎めし」を10~12店舗出店する計画です。また販促として、昨年から継続実施の呪術廻戦に続き、3月から鬼滅の刃コラボを再実施しており、強力IPの活用により既存店売上の回復を図ります。なお、利益面については助成金等収入の剥落(未受領分あり)影響を色濃く受けるほか、真だこや小麦粉価格高騰の影響もあり、大幅反落を見込んでいます。
当社は新型肺炎禍を受け、「銀だこハイボール酒場」のような好採算アルコール業態中心の出店戦略を見直し、テイクアウトやデリバリーに馴染むようなフォーマットに変更しているほか、出店立地も郊外駅前やロードサイドにシフトしています。1号店を相模原に出店したばかりのファストフード寄せ集め業態の「銀だこドライブイン」も好調に推移しており、たこめし弁当といった独自性のある戦略商品の投入により、既に20店弱の展開になっています。
年末には京王線・調布エリアを中心に「もつやき処い志井」や「日本再生酒場」など11店を展開する「い志井グループ」の飲食事業を買収しており、傘下のギンダコスピリッツととの統合によりオールウェイズという居酒屋業態中心の事業会社に改組しています。また同様に、「野郎めし」「油そば」「からり」については会社分割により、ホットランドネクストステージという主食系の事業会社に改組していることから、会社側は銀だこ、居酒屋、主食系を機能別に3つに切り分け、今後は個社の機動性を活かした出店による外部成長と連邦制経営を志向しているものとみられます。
当社は財務基盤強化の一環として、2019年に初のPOを実施しており、約32億円(@1,117円)の調達を済ませているほか、ここ2年間の高水準の助成金受取で自己資本が積み上がっており、42.6%と高水準を維持しています。配当については、記念配の2年を落とした年5円配を予想していますが、財務にはかなりの余裕があるため、年7円配の復元公算が高いものとみています。
*参考記事① 2021-10-26 1,360円 OP
【3196】ホットランド/助成金高水準で“焼け太り”感、調布のい志井グループを買収へ。
*参考記事② 2021-04-17 1,320円 OP
【3196】ホットランド/一層の持ち帰り強化、「銀だこドライブイン」業態を開発。
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