【3196】ホットランド/一層の持ち帰り強化、「銀だこドライブイン」業態を開発。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3196】ホットランド(東証一部)  OP

現在値 1,320円/100株 P/E 76.9  P/B 4.6 12月配当優待 6月優待 

「築地銀だこ」「COLD STONE CREAMERY」などの直営・FCによる運営。
配当は年5円のため、配当利回りは約0.38%となります。

ホットランドは株主優待を導入しており、6月末・12月末に単元株を保有する株主に対して、1,500円分の株主優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは2.65%となります。

業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 324億円、経常利益 10.7億円、EPS 23.1円

■2018年12月期 売上高 317億円、経常利益 7.4億円、EPS▲36.8円 

■2019年12月期 売上高 324億円、経常利益 16.0億円、EPS 35.1円

■2020年12月期 売上高 287億円、経常利益 12.0億円、EPS▲52.9円

■2021年12月期 売上高 322億円、経常利益 13.2億円、EPS 17.1円 ce  

□2021年6月2Q 売上高 14.3億円、経常利益 5.5億円、EPS 7.0円 四e


2020年12期の売上高は前期比11.4%減の287億円、経常利益は同24.7%減の12.0億円となり、期初予算との比較はないものの経常利益までは黒字圏となりました。主力の「銀だこ」については、既存店売上高は想定の100%に対して実績で94.7%となりました。年明けから新型肺炎が本格化したことから、特に店内飲食型の「銀だこハイボール酒場」で大きく影響を受け、一番落ち込んだ4月で同70%強の水準まで沈んだ一方、9月から実施した「鬼滅の刃」のコラボにより一時110%程まで大きく盛り返し、通年では90%台を確保しました。利益面については、これまでに実施した不採算店の閉鎖一巡による浮上効果があったものの、臨時休店による人件費や地代・家賃の特別損失をボトムライン段階で織り込んでいるため、受取助成金をネットしてなお最終赤字圏に転落しています。

 

2021年12月期の見通しについては、売上高が12.1%増の322億円、経常利益は同9.6%増の13.2億円と反転増を予想しています。店舗純増35店(実績期は純減14店)程度と再び出店に舵を切る方針であり、テイクアウトの売上構成比を50%まで引き上げた新フォーマットの「銀だこ酒場」を中心に出店します。また既存店についても改装により、機能的な予約受付を実装したり、デリバリー集荷のための受渡口の増設するなど新型肺炎禍に則した店舗展開を実施します。その他、低調な店内飲食をカバーすべくテイクアウト商品の拡充を進め、「銀のたこめし弁当」をはじめ、姉妹店ブランドを活用した「銀のやきとり弁当」、「銀の焼きそば(弁当)」の投入を進めます。なお、既に3ヶ月分が開示されている既存店売上高は90%台で推移しており、前年ハードルを考慮すると実態としてはやや弱含み推移とみられます。

 

当社は新型肺炎禍で、従来のようなMAを絡めたマルチブランド戦略や、「銀だこ」ブランドの派生である「銀だこハイボール酒場」のようなアルコール依存度の高い居酒屋業態の出店に振ってきましたが、戦略の見直しを強いられています。目下においては本業とも言える「銀だこ」の標準フォーマットの見直しを進めており、上述したようなデリバリー対応仕様への店舗改装にくわえ、出店立地も都心駅前から郊外駅前やロードサイドに切り替えています。昨年12月に相模原に出店したファストフード寄せ集め新業態の「銀だこドライブイン」は、たこ焼き以外の売上が4割を占めており、今後は廃業したコンビニ跡地等を狙ってハイエナ的に出店していく方針です。

 

中食強化の一環である冷食事業は好調に推移しており、桐生の自社工場で手焼き方式で生産しているセブン・イレブン向けの冷凍たこ焼き(小売価格は6ヶ500円)は既に製造限界に達する程好調に推移しているような状況であり、今後は外部居酒屋・カラオケチェーン、機内食向けの卸供給を増やすべく、タイ工場・ベトナム工場のライン増設を実施して外販強化に取り組んでいます。

 

当社は初のPOを2019年9月に実施しており、約32億円(@1,117円)の調達を済ませています。当初の資金使途は基本的に「ハイボール酒場」などの半居酒屋型業態の出店費用と差入保証金に充てる計画としていましたが、足許では今次新型肺炎ショックで廃業した個人店舗や他社店舗の跡地を積極的に賃借出来る状況にあり、借り手側としての優位性が確保出来ているような状況です。なお自己資本比率はこのPO効果もあり、依然33%程度という高水準をキープしていることから、配当についても復配して年5円を見込んでいます。

 

*参考記事① 2020-11-12 1,253円 OP

【3196】ホットランド/持ち帰りはgoto対象外だが、鬼滅効果もあり既存店は前年並みに回復。

 

*参考記事② 2020-04-15  987円 OP

【3196】ホットランド/ハイボール店裏目で採算性後退だが、出店好機との見方も。

 

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