【3196】ホットランド(東証一部) OP
現在値 1,253円/100株 PER--.- PBR3.91 12月配当優待 6月優待
「築地銀だこ」「COLD STONE CREAMERY」などの直営・FCによる運営。
配当は年5円のため、配当利回りは約0.40%となります。
ホットランドは株主優待を導入しており、6月末・12月末に単元株を保有する株主に対して、1,500円分の株主優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは2.79%となります。
業績を確認していきます。
■2016年12月期 売上高 315億円、経常利益 9.6億円、EPS▲36.0円
■2017年12月期 売上高 324億円、経常利益 10.7億円、EPS 23.1円
■2018年12月期 売上高 317億円、経常利益 7.4億円、EPS▲36.8円
■2019年12月期 売上高 324億円、経常利益 16.0億円、EPS 35.1円
■2020年12月期 売上高(未定)億円、経常利益(未定)億円、EPS(未定)円 ce
■2020年12月期 売上高 338億円、経常利益 19.1億円、EPS 36.2円 ce
□2020年6月2Q 売上高 128億円、経常利益 1.9億円、EPS▲28.1円
2019年6月中間期の売上高は前年同期比19.9%減の128億円、経常利益は同76.6%減の1.9億円となり、期初予算との比較はないものの黒字圏での着地となりました。主力の「銀だこ」については、既存店売上高は想定の100%に対して実績で90.8%となりました。期初こそ福袋キャンペーンで順調だったものの、年明けから新型肺炎が本格化したことから、特に店内飲食型の「銀だこハイボール酒場」で大きく影響を受け、一番落ち込んだ4月で同7割強の水準まで沈みました。利益面については、これまでに実施した不採算店の閉鎖一巡による浮上効果があったものの、4月・5月の臨時休店による人件費や地代・家賃の特別損失をボトムラインで織り込むこととなり、受取助成金をネットしてなお最終赤字で着地しています。
なお2020年12月期の当初予算については、売上高が前期比4.2%増の338億円、経常利益は同19.4%増の19.1億円を計画していましたが、新型肺炎の影響で期中に未定に修正しています。出店計画については当初純増ベースで25店と前期並みを予定していたものの、昨今の状況を鑑み、テイクアウト業態を中心に出店5店を計画する一方で、退店10店と通期純減5店程度に見込みを修正しています。開示されている月次開示によれば、既存店売上高については10月に99.3%まで急回復しており、これはテイクアウトのスタンプ割増や9月から実施している「鬼滅の刃」のコラボ等による来店型客数の回復が奏功しているものとみられます。そのため、12月の期末にかけてこの基調が概ね継続するものとみなせば、通期黒字(最終利益は均衡圏)は十分に達成可能な範囲にあるものと考えています。
当社はこれまでの「銀だこ」一本足打法を脱却すべく、「コールドストーン」や「銀のあん」、「Quiche」「THE COFEE BEAN&TEA LEAF」など他業態の開発やライセンス取得、買収を進めてきましたが成功しなかったため、「銀だこ」と派生業種にフォーカスし、本業回帰を進めてきました。具体的には好採算の「ハイボール酒場」や「銀だこ大衆酒場」「ギンダコ横丁」といった半居酒屋型業態事業を分社化し、好採算のアルコール(ハイボール)業態の出店で利幅を取っていく戦略へとシフトしましたが、“密”である大衆型酒場は新型肺炎禍においては裏目に出てしまった格好です。そのため足許では桐生工場で量産した手焼きたこ焼き(6ヶ500円!)のセブン・イレブンへの卸しを開始したほか、7月には大阪の飲食店内装工事業者のファン社(年商15億円、利益0.7億円)を買収するなど、ヒット業態開発力よりも構造的な体力強化にリソースを割いているものとみられます。
なお当社は初のPOを2019年9月に実施しており、約32億円(@1,117円)の調達を済ませています。当初の資金使途は基本的に「ハイボール酒場」などの半居酒屋型業態の出店費用と差入保証金に充てる計画としていましたが、足許では今次新型肺炎ショックで廃業した個人店舗や他社店舗の跡地を積極的に賃借出来る状況にあり、かような巨額な調達を済ませておいたことは中長期的な成長において非常に大きな意義があったものと考えています。
ちなみに株主還元については年5円配当の継続を予定しています。自己資本比率は件のPOによる調達も奏功し、35%程度の高水準をキープしています。上述のとおり天与の出店好機到来との見方も出来ることから、出来るだけ財務は温存してほしいところであります。
*参考記事① 2020-04-15 987円 OP
【3196】ホットランド/ハイボール店裏目で採算性後退だが、出店好機との見方も。
*参考記事② 2019-11-29 1,340円 OP
本業回帰で復調気配、初POで成長再加速に期待・ホットランド(3196)。
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