【3196】ホットランド(東証一部) OP
現在値 1,340円/100株 PER38.3 PBR4.13 12月配当優待 6月優待
「築地銀だこ」「COLD STONE CREAMERY」などの直営・FCによる運営。
配当は年5円のため、配当利回りは約0.37%となります。
ホットランドは株主優待を導入しており、6月末・12月末に単元株を保有する株主に対して、1,500円分の株主優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは2.61%となります。
業績を確認していきます。
■2016年12月期 売上高 315億円、経常利益 9.6億円、EPS▲36.0円
■2017年12月期 売上高 324億円、経常利益 10.7億円、EPS 23.1円
■2018年12月期 売上高 317億円、経常利益 7.4億円、EPS▲36.8円
■2019年12月期 売上高 324億円、経常利益 15.2億円、EPS 35.2円 ce
□2019年6月2Q 売上高 160億円、経常利益 8.3億円、EPS 25.4円
□2019年9月3Q 売上高 242億円、経常利益 12.5億円、EPS 34.0円(10/30)
2019年6月中間期の売上高は、前年同期比5.0%増の160億円、経常利益は同2.2倍の8.3億円となり、売上こそ予算を下回ったものの、利益は超過達成しました。主力の「銀だこ」において、昨年7月から実施した価格改定(30円の値上げ)の通期寄与もあり、既存店売上高は想定の100%に対して、上期6ヵ月累計で102.7%となりました。また利益面については、原料となるタコの世界的な高騰が一服したほか、前期に実施した不採算店の閉鎖一巡による浮上効果もあり、利益率は大幅に改善しています。なお、上期の出店は35店・退店は28店となり、ネット7店の純増となっています。
2019年12月期通期の予算については期初予想を据え置いており、売上高が前期比2.1%増の324億円、経常利益は104.1%増の15.2億円を予想しています。予算前提となる主力の「銀だこ」の既存店売上高前提は100%水準で置いており、既述の通り好調に推移した上期の“貯金”があるものの、下期は台風の影響等で食い潰してしまっているため、足許では概ねインライン(100%)水準とみられます。
通期での出店計画は、出店54店・退店20店とネット30店超の増加を見込んでいたものの、こちらはビハインドしているとみられます。それでも業態ミックスとしては、アルコール売上の多い好採算業態である「ハイボール酒場」構成比上昇により、利益率が一段と改善する見込みであり、開示済の3Q進捗を参考にすれば、足許の月次弱含みを考慮してなお予算達成可能圏であると考えています。
当社は主力の「銀だこ」一本被れとなっていた業態ポートフォリオを分散すべく、「コールドストーン」や「銀のあん」、「Quiche」「THE COFEE BEAN&TEA LEAF」など他業態の開発やライセンス取得、買収を進めてきましたが、期待通りの成果は得られず、「銀だこ」と派生業種の出店にフォーカスし、急速に“本業回帰”を進めています。足許では好採算の「ハイボール酒場」や「銀だこ大衆酒場」「ギンダコ横丁」といった(半)居酒屋型業態事業を分社化し、出店の高速化を図っています。
また、昨年久々にMAを実施し、首都圏を中心にお好み焼き屋「ごっつい」を展開するアイテムを5億円で買収しています。同社はたこ焼きと同じ鉄板系・粉もの系の業態でありシナジーが創出し易く、鉄工所を祖業とする当社が、調理時間を短縮する製造機器の開発を既に済ませています。この開発により、お好み焼きの焼き時間は25分→5分に、やきそばは15分→5分に短縮することに成功しており、今後は「お好み鉄板酒場」という新しい店舗フォーマットにて展開していく方針となっているほか、将来的には「銀だこ」でお好み焼き・焼きそばを併売することを視野に入れているようです。
なお当社は、IPO以来となる公募増資を本年9月に実施しており、約32億円(@1,117円)を調達しています。資金使途は基本的に「ハイボール酒場」などの(半)居酒屋型業態の出店費用と差入保証金に充てる方針であり、来期にかけて本件調達資金をテコに高速出店していくものと思われます。
*参考記事① 2019-04-23 1,525円 NT
不採算業態閉鎖一巡で反転か、お好み焼きの併売も・ホットランド(3196)。
*参考記事② 2018-12-01 1,483円 NT
業容(業態)拡大意欲は強いが、精度低くジリ貧気味・ホットランド(3196)。
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