【7347】マーキュリアHD/公募増資で20億円を追加調達、翌期から成功報酬計上フェーズへ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7347】マーキュリアホールディングス(東証プライム) OP

現在値 583円/100株  P/E 9.2   P/B 0.79  12月配当 株主優待なし

投資ファンドを運用。投資対象は国内外の企業や実物資産で香港REITの貢献大。


配当金は12月一括の20円予想のため、配当利回りは3.43%となります。

なお、マーキュリアインベストメントは株主優待制度を導入しておりません。

業績を確認していきます。  
■2018年12月期 売上高 41.2億円、経常利益 20.8億円 EPS 81.6円 

■2019年12月期 売上高 47.1億円、経常利益 18.0億円 EPS 71.9円

■2020年12月期 売上高 61.8億円、経常利益 7.5億円 EPS 30.9円 

■2021年12月期 売上高 41.7億円、経常利益 18.1億円 EPS 77.1円 

■2022年12月期 売上高 40.0億円、経常利益 19.0億円 EPS 76.8円 ce
□2022年6月2Q 売上高 18.0億円、経常利益 8.5億円 EPS 25.7 四e

2021年12月期の売上高はYoY▲32.6%の41.7億円、経常利益はYoY+139.8%の18.1億円となり、対予算では過達となりました。売上の大幅減は前期計上のSpringREITの運用会社株式の一部譲渡に関連し、売上高28億円と評価損等原価を▲32億円をグロス計上したイレギュラーが要因であり、“バイアウト1号ファンド(BO1号)”でツノダ株式を日本商業開発に売却したほか、“グロース1号(GR1号)”も4月にオキサイドが上場、エネクス・インフラ投資法人にも新城太陽光発電所を売却したことから、利益は着実増となりました。新規投資については、BO1号で東京電解や宮武製作所に投資にしています。

 

2022年12月期の予算については、売上高がYoY▲4.1%の40.0億円、経常利益はYoY+%4.6の19.0億円を見込んでいます。上場前組成のGR1号等と、上場後組成のBO1号等との端境期となるため、多額の成功報酬の計上を見込んでおらず、概ね横ばい想定となります。BO1号が昨年買収した東京電解について、合弁先のJX金属への全株売却を公表したほか、昨年組成したBO2号はこの3月に初回募集をクローズして264億円で運用開始しています。このほか、台湾の太陽光発電のファンドレイズも予定しており、順調な管理報酬の積み上げが見込まれます。

 

進行期は当初5ヵ年中計の4年目でしたが、新型肺炎禍影響で2年先延ばしにしています。見直し後中計の最終年度である2025年12月期に、年間平均純利益を10億円→20億円(目安CAGR10%/7y)を目標とするほか、KPI目標として自己資本1.5倍(122→183億円)を設定しています。直近7年程は各ファンドの合計AUMは1,900億円程度で横ばいが続いていたものの、新規組成等もあり期末で2,171億円に成長しており、今次組成のBO2号の上乗せ分を考慮すれば2,400億円まで積み上がります。会社側ではFY2025に3,000億円程度まで伸ばす想定のため、管理報酬0.5~2.0%を前提とすれば、同報酬だけで30億円程度の安定的な計上が見込まれます。


また、組成予定の台湾太陽光発電開発ファンドは最終的に120億円程度のAUMを見込んでおり、この台湾とBO2号のセイムボート出資に充当すべく、昨年12月に公募増資で20億円(@600円)を調達しています。従来コアのBO1号も213億円強のAUMとなり、9件中3件Eixt済であるものの、残り6件がFY2023からいよいよ成功報酬の計上が期待されるほか、航空機リースファンド(AUM120億円)、エネクス・インフラ投資法人のウェアハウジング用のインフラファンド(AUM75億円)なども成功報酬計上フェーズに入り、上場来初めて業績にドライブがかかりやすい局面となっています。

 

当社はセイムボート持分を除けば、基本的には他人資本の運用業者であり、自己資本比率も83.9%と良好な財務体質を維持しています。運用会社を傘下に収めるSpringREITは北京のオフィスビルにくわえ、英国の店舗不動産も追加取得し、1,650億円規模に達したAUMによるAM報酬により、当社の年間固定費16億円の大半をカバーしています。

 

株主還元については、ファンド事業の業績が水物のため、直近5期の実績純利益の平均に対して、配当性向3割を掛けて配当額を決定しています。今期の予想純利益は13億円のため、機械的に配当性向30%をかけると年23円となる筈ですが、5年均しの利益は11億円程のため、年20円の配当が据え置かれています。

 

*参考記事① 2021-04-08 794円 OP

【7190】マーキュリアインベストメント/SpringREITのリストラ終了で反転増、増配期待。

 

*参考記事② 2020-05-09 567円 BY

【7190】マーキュリアインベストメント/航空機懸念も、今期ガイダンスは守られる蓋然性高い。

 

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