【7190】マーキュリアインベストメント/SpringREITのリストラ終了で反転増、増配期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7190】マーキュリアインベストメント(東証1部) OP

現在値 794円/100株 P/E 13.3   P/B 1.12  12月配当 株主優待なし

投資ファンドを運用。投資対象は国内外の企業や実物資産で香港REITの貢献大。


配当金は12月一括の20円予想のため、配当利回りは2.52%となります。

なお、マーキュリアインベストメントは株主優待制度を導入しておりません。

業績を確認していきます。  
■2017年12月期 売上高 42.4億円、経常利益 22.9億円 EPS 107.5円 
■2018年12月期 売上高 41.2億円、経常利益 20.8億円 EPS 81.6円 

■2019年12月期 売上高 47.1億円、経常利益 18.0億円 EPS 71.9円

■2020年12月期 売上高 61.8億円、経常利益 7.5億円 EPS 30.9円 

■2021年12月期 売上高 35.0億円、経常利益 15.0億円 EPS 59.5円 ce
□2021年6月2Q 売上高 19.0億円、経常利益 7.0億円 EPS 23.8 四e

2020年12月期の売上高は前期比31.1%増の61.8億円、経常利益は同57.9%減の7.5億円と大幅増収にも拘らず大幅減益となりました。これは傘下のSpringREITのリストラ(運用会社株式の一部譲渡)に関連し、売上高28億円を計上する一方で、評価損を含む原価を32億円計上したことが主な要因です。“グロース1号”は前期計上のミンカブのIPOのような大型成功報酬の計上が無かったものの、ライフネット生命(7157)株式譲渡により一部を穴埋めしました。新規投資については、は、“BizTechファンド”で新規8案件に出資したほか、“バイアウト1号ファンド”で水谷産業、イーテック物流への新規投資を実行しています。

 

進行中の2021年12月期の予算については、売上高が43.3%減の35.0億円、経常利益は倍増の15.0億円を予想しています。実績期で計上したSpringREIT絡みの一過性売上高/原価計上が剥落することにくわえ、新型肺炎禍で進まなかった投資案件の回収進捗により、大幅減収ながら大幅増益となる見通しです。内容としては、コアファンドである“グロース1号”は償還に向けたExitが進むとみられるほか、“グロース2号”や2019年組成の“BizTechファンド”についても、新型肺炎禍でも新規案件の積み増しが順調に進んでいるため、管理報酬の増加が見込まれます。

 

本来であればこの2021年5月期は5箇年中計の3年目でしたが、新型肺炎禍の影響で終期を2年先延ばしにしており、2025年12月期に年間平均純利益を10億円→20億円(目安CAGR10%/7y)を業績の目標とするほか、KPI目標として自己資本1.5倍(122→183億円)を設定しています。直近7年程は各ファンドの合計AUMは1,900~2,000億円程度で実質横ばい状態が続いているとみられるものの、コアファンドである“グロース1号”は償還間近となっているほか、“グロース2号”も収益獲得時期に差し掛かっており、利益自体は顕在化されやすい時期に入っています。

 

また他コアである“バイアウトファンド”も、現状の1号は200億円強(ぺんてる、ツノダ他)になっているものの、2号については倍の400~500億円規模で本年中の組成を目指しているほか、コアではないフロンティアでは120億円規模の航空機リースファンドを組成し、新型肺炎禍ではあるものの、既に投資を完了させています。航空機以外にも、エネクス・インフラ投資法人(9286)のウェアハウジング用のインフラファンドを昨年12月に75億円規模で組成し、投資実行を済ませています。

 

当社はセイムボート持分を除けば、基本的には他人資本の運用業者であり、自己資本比率も8割前後をキープしており、良好な財務体質を維持しています。特に傘下のSpringREITのAUMは既に1,500億円規模に達しており、このAM報酬が年間11億円ほど安定計上されることから、これだけで当社の年間固定費16億円の大半がカバーされています。

 

株主還元については、ファンド事業の業績が水物のため、直近5期の実績純利益の平均に対して、配当性向3割を掛けて配当額を決定すしています。今期の予想純利益は10億円のため、機械的に配当性向30%をかけると年間18円配当となりますが、このフォーミュラにより現時点では年間20円の配当予想になっていますが、【15→17→18→19→20→20円/予】、と牛歩増配してきた経緯もあるため、最終的には年21円まで増配してくるものとみられます。

 

*参考記事① 2020-05-09 567円 BY

【7190】マーキュリアインベストメント/航空機懸念も、今期ガイダンスは守られる蓋然性高い。

 

*参考記事② 2019-05-16  676円 OP

筆記具大手ぺんてるをコクヨに売却、2Qで巻き返しか・マーキュリアインベストメント(7190)。

 

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