【3482】ロードスターキャピタル/期ズレ好採算案件顕在化で今期も上振れ濃厚、もう一段の増配も。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3482】ロードスターキャピタル(東証プライム)  OP

現在値 1,498円/100株  P/E 5.58  P/B 2.28  12月配当 株主優待なし


都内のオフィスを取得、付加価値を高めて売却。クラウドファンディングも展開。
配当は12月末の一括40.5円配当であり、配当利回りは2.70%となります。

 

ロードスターキャピタルは株主優待制度を実施しており、12月末現在の10単元以上株主に対して、OwnersBookの貸付型案件及びエクイティ型案件の投資枠の一部を株主優待用投資枠として提供しています。


業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 87.9億円、経常利益 11.8億円 EPS 44.3円 

■2018年12月期 売上高 96.7億円、経常利益 21.1億円 EPS 64.2円

■2019年12月期 売上高 151億円、経常利益 32.7億円 EPS 97.4円 

■2020年12月期 売上高 169億円、経常利益 41.6億円 EPS 152.5円 

■2021年12月期 売上高 185億円、経常利益 49.9億円 EPS 195.5円 ce
□2021年3月1Q 売上高 32.0億円、経常利益 9.2億円 EPS 35.9円(4/30)

□2021年6月2Q 売上高 106億円、経常利益 30.0億円 EPS 122.2円 四e

2021年12月期の売上高はYoY+5.5%の179億円、経常利益はYoY+27.8%の53.2億円となり、対予算では売上がショートしたものの、利益は過達となりました。主力の自己勘定投資事業において、ブラックストーンにプライム日本橋久松町やプライム小石川を売却したほか、ADワークスにはASONE東池袋、クラウドファンディング(CF)商品の出資型1号案件でもある秋葉原シグマビルをボルテックスに其々売却し、想定超の利益を確保したとみられます。他方、CF事業についても案件組成が順調に推移して売上がYoY+36%となったほか、AM事業も大型受託案件のほか、ディスポジFeeの計上もあり、売上はYoY4倍となりました。


2022年12月期の見通しについては、売上高がYoY+3.3%増の185億円、経常利益はYoY+25.7%増の66.9億円を見込んでいます。売上原資となる販売用不動産残高は、期初時点でYoY+47億円の420億円と積み増しが小甘いものの、新型肺炎禍にバルクで仕入れた低簿価・大規模物件を温存しているため、利幅の厚いこれらの物件の売却進む見通しです。それ以外では、昨年購入した目黒ビル(売主:サッポロ不動産開発)や、麻布十番ビル(売主:アースウインド)、新横浜ミネタビル等が販売候補となる見込みですが、うち一部は売らずに保有に回すとみられます。なお、既に1Q計上と2Q計上物件は引渡開示がなされているため、四半期ごとに順調な売却益計上が見込まれます。


当社は2017年9月にマザーズに上場して以降、年率3割を超える成長をしてきたものの、中計等は特段公表していませんでしたが、本年2月に初めて3年中計の開示に踏み切っています。最終年度の2024年12月期に売上高を179億円→300億円に、税前利益を50億円→100億円に其々引き上げる計画としており、その他KPIとして販売用不動産残高450億円→750億円、AUM290億円→2,000億円を掲げています。

 

柱となる自己勘定投資事業は、年間200億円程度の仕入れをコンスタントに実行していく計画であり、得意とする中規模ビルだけでなく、ホテルや物流・再開発など異なるアセットクラスにも参入する方針です。また、トリトンスクエアZ棟のような大型案件に代表されるAM事業の拡大も企図しており、外資系ファンドの旺盛な投資意欲の受け皿となるべく優先交渉権の獲得を進めます。CF事業については、昨今のタクシー広告等の投入効果もあって、直近1年の会員数の増加も24,047→25,779人に再加速しており、従来型の金融機関ローンに依存しない個人投資家による直接金融体制の構築も急ぎます。

 

財務面については、2017年IPO時に@455円で15.5億円(OA込/分割修正済)を調達して以降、特段のエクイティ調達を行っていないものの、自己資本比率は18.9%に留まっています。然しながら、CF事業における出資主預り金がB/Sにのっている影響もあるため、見た目よりは健全な財務となっています。なお、配当については配当性向15%基準としてきたものの、プライム市場への指定変更を前提に見直すことをアナウンスしているため、現状8円増配となる年40.5円配が予想されているものの、条件成就や自社株買い(7億円)の終了にともない、再増配する公算が高いと解されます。

 

*参考記事① 2021-05-06 1,141円 OP

【3482】ロードスターキャピタル/不動産資本市場の活況で、期末までに巻き返す公算。

 

*参考記事② 2020-05-20 587円 BY

【3482】ロードスターキャピタル/筆頭株主から自社株買いは、大幅なディスカウントに成功。

 

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