【3482】ロードスターキャピタル/不動産資本市場の活況で、期末までに巻き返す公算。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3482】ロードスターキャピタル(東証一部)  OP

現在値 1,141円/100株  P/E 5.88  P/B 2.43  12月配当 株主優待あり


都内のオフィスを取得、付加価値を高めて売却。クラウドファンディングも展開。
配当は12月末の一括29円配当であり、配当利回りは2.54%となります。

 

ロードスターキャピタルは株主優待制度を実施しており、12月末現在の10単元以上株主に対して、OwnersBookの貸付型案件及びエクイティ型案件の投資枠の一部を株主優待用投資枠として提供しています。


業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 87.9億円、経常利益 11.8億円 EPS 44.3円 

■2018年12月期 売上高 96.7億円、経常利益 21.1億円 EPS 64.2円

■2019年12月期 売上高 151億円、経常利益 32.7億円 EPS 97.4円 

■2020年12月期 売上高 169億円、経常利益 41.6億円 EPS 152.5円 

■2021年12月期 売上高 185億円、経常利益 49.9億円 EPS 195.5円 ce
□2021年3月1Q 売上高 32.0億円、経常利益 9.2億円 EPS 35.9円(4/30)

□2021年6月2Q 売上高 106億円、経常利益 30.0億円 EPS 122.2円 四e

2020年12月期の売上高は前期比12.3%増の169億円、経常利益は同27.4%増の41.6億円となり、売上高・利益ともに期初予算を上回り2桁の増収増益基調を継続しました。主力の自己勘定投資事業において、JR西日本に北千住の旧第百生命ビルを売却、アース製薬には一棟貸しの神田司町ビルを売却したほか、売り先不明ながら高田馬場OCビルも売却しています。活況な不動産取引市場の追い風を受け、いずれも想定超の売却益を確保したものとみられます。一方、クラウドファンディング事業については新型肺炎禍により新規案件組成が限られたことから、低調に推移したほか、AM事業についても海外投資家の来日規制により新規受託はゼロに終わりました。


進行期である2021年12月期の予算については、売上高が9.3%増の185億円、経常利益は19.9%増の49.9億円を見込んでいます。売上原資となる販売用不動産残高は、期初時点で1年前の300億円から373億円まで積み増してが出来ており、具体的には昨年仕入れたFLEG恵比寿2ndや、ユニゾから購入した高田馬場4丁目ビル、末広町ビル、水道橋ビルが販売候補となりそうです。4月30日に1Qが開示されており、新川フロンティアビル等の引渡を済ませていますが、売上高は前年同期比25%減、経常利益は同35.0%増で進捗しているため、通期予算との比較ではビハインドとなっています。然しながら、2Q以降の売却が順調であることをアナウンスしているため、概ね計画線の推移と判断されます。


当社は2017年9月にマザーズに上場し、実績期まで5期通算して年4割を超えるペースで利益成長しているものの、中長的な業績目標値については明らかにしていません。基本的には自己勘定投資事業(転売)で利益を稼ぎつつも、自社保有物件を増やしてその賃料収入でランニング経費を賄う・・・というよくある自己勘定型モデルとなっています。当社の強みはゴールドマンサックス(GS)・リアルティ出身の岩野社長と、GS・AMの不動産部門ヘッドだった貝塚氏らを中心とした強力なマネジメント層の“目利き力”と、その属人的な人脈による仕入・出口ルートの確保にあります。

 

クラウドファンディング(CF)事業については、新型肺炎禍による案件組成低調を受け、直近1年の会員数の増加も22,895→24,047、と大幅に鈍化しているものの、世の中的にCFの認知度が大幅に向上しており、当社販売案件についても貸付型・出資型問わず応募が殺到しているような状況です。そのため、案件組成さえあれば業績が伸びるとみられるものの、不動産資本市場の活況の裏返しで、CF事業の要求利回りまで届くような案件組成が難しくなっているか、あるいは単純に転売した方が手間なく儲かる状況にあるものと推察されます。

 

財務面については、2017年IPO時に@455円で15.5億円(OA込/分割修正済)を調達して以降、特段のエクイティ調達を行っていないものの、自己資本比率は15%に留まっています。が、これは昨年3月に筆頭株主のRenrenが保有する23.8%の株式を約25億円(@496円)で取得したことや、CF事業における出資主の預り金がB/Sに乗っていることが要因のため、見た目の数字よりは健全な財務となっています。そのため、配当についても配当性向15%基準ではあるものの、4.5円増配となる年29円を見込んでおり、少なくともこの水準は守られるものと考えています。

 

*参考記事① 2020-05-20 587円 BY

【3482】ロードスターキャピタル/筆頭株主から自社株買いは、大幅なディスカウントに成功。

 

*参考記事② 2019-05-11 939円 OP

豪華経営陣による破竹の好業績も、増資要警戒圏か・ロードスターキャピタル(3482)。

 

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