【3482】ロードスターキャピタル(東証一部) ---
現在値 939円/100株 PER12.0 PBR3.19 12月配当 株主優待なし
都内のオフィスを取得、付加価値を高めて売却。クラウドファンディングも展開。
配当は12月末の一括11.5円配当であり、配当利回りは1.22%となります。
ロードスターキャピタルは株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2015年12月期 売上高 29.9億円、経常利益 6.8億円 EPS 27.3円
■2016年12月期 売上高 46.5億円、経常利益 7.0億円 EPS 27.7円
■2017年12月期 売上高 87.9億円、経常利益 11.8億円 EPS 44.3円
■2018年12月期 売上高 96.7億円、経常利益 21.1億円 EPS 64.2円
■2019年12月期 売上高 134億円、経常利益 27.7億円 EPS 78.1円 ce
□2019年3月1Q 売上高 45.9億円、経常利益 8.8億円 EPS 26.7円(5/8)
□2019年6月2Q 売上高 75.0億円、経常利益 19.0億円 EPS 57.0円 四e
2018年12月期の売上高は前期比10%増の96.7億円、経常利益は同78.0%増の21.1億円
となり、売上高は期初予算を下回った一方で、利益は大きく上振れして着地しました。
主力の自己勘定投資事業において、西新宿パークフロントビルを生保会社に売却した
ほか、日本リート投資法人(3296)に対して、五反田さくらビルを14.6億円で売却するなど
好採算の大型案件の売却が進んだため、想定超の利益を確保することとなり、結果的
に当期計上予定の案件を翌期送りすることとなりました。また、クラウドファンディング
事業についても、秋葉原成新ビルを初のエクイティ型案件として募集し、エクイティ部分
である2.6億円を僅か3分で即日完売させるなど、こちらも一定の成果を残しました。
進行期である2019年12月期の予算については、売上高が39.5%増の134億円、経常利益
は31.2%増の27.7億円と、売上高・利益とも3割超の高成長を見込んでいます。売上原資と
なる販売用不動産残高は、1年前の159億円から231億円まで積み増してが出来ており、
具体的にはサンフロンティア不動産から仕入れた、神田EASTビルなどが含まれます。
なお、去る5月8日に1Q決算が開示されていますが、売上高は前年同期比2.6倍の45.9
億円、経常利益は同2.6倍の8.8億円で通過しており、売却が1物件であったことを考慮
すると、実績期から送った大型好採算物件を決済したものとみられますが、数値的には
順調な進捗が確認され、通期予算達成に向け良好なスタートを切ったと言えそうです。
当社は2017年9月に東証マザーズ市場に上場したばかりの銘柄です。成長可能性に関
する説明資料を開示しており、上場してから今期予算まで通算して年率5割超のペース
で利益成長しているものの、中長的な業績の目標値については明らかにしていません。
基本的には自己勘定投資事業(平たく言うと転売)で利益を稼ぎつつも、自社保有物件を
少しずつ増やしてその賃料収入でランニング経費を賄う・・・というよくある自己勘定型の
ビジネスモデルとなっています。一応、当社のウリはマネジメント層による“目利き力”で
あり、ゴールドマンサックス・リアルティ出身の岩野社長と森田副社長にくわえ、ゴールド
マンサックス・アセットマネジメントの不動産部門ヘッドであった貝塚氏を、昨年取締役と
して迎え入れており、業界では極めて強力なマネジメント陣営を敷いています。
そのため、彼らの属人的な人脈に依存する部分は大きいものの、良質な物件仕入れが
出来ており、自己勘定投資は元より、クラウドファンディング事業に拠出するような物件
であっても、相応の利回りが確保されている(※先述の秋葉原成信ビルの場合はIRR7%)
ため、商品力をウリにした販売が出来ることが優位性となります。また昨年は、よくある
メザニンのローン型ではなく、エクイティ型商品の販売にも成功しており、今後は多様な
商品の組成・販売が出来るため、不動産市況の低迷で単純な転売が難しくなった場合
においても多様な出口形態を確保出来うることが、当社の投資論点になると考えます。
財務面については、2017年IPO時に@455円で15.5億円(OA込/分割修正済)を調達して
以降、特段のエクイティ調達を行っておらず、デットをぶん回して物件購入を行っている
ため、自己資本比率は16.0%水準まで掘ってしまっています。足許の株価位置は高くない
ものの、依然としてIPO時の公募価格を大きく上回っていることから、いつエクイティ調達
を実施してもおかしくない状況と言えます。事実、破竹の業績伸長にも拘わらず、配当
性向を14%台に絞っており、潜在的な資金ニーズも容易にうかがい知れる状況であるこ
とから、上場市場変更時などのファイナンスリスクは強く意識されるところであります。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。